明月の工房改築日誌⑤
👆こちらの記事からの続きです。
今週は、いよいよ外壁工事に入っていただいています。
外壁は、以前からずっと憧れていた焼杉のものです。
以前、リフォームの営業をしていたこともあり、建物に使われている材料などを見るのが好きだったりするのですが、経年劣化の経過などを見ていても、焼杉のものは年月が経ってもかっこいい建物が多いので「焼杉の外壁いいなぁ」と思っていました。
なので、外壁工事がはじまってから嬉しくて仕方ありませんw
2022年2月6日
粉雪が舞っていました。5日の土曜日までに上の方の外壁を貼ってくださっています。躯体のみで壁がないので風が通るのでとても寒そうな中で作業してくださっていました。でも、「このペラリとしたシートが一枚あるだけで、まだ風はましなんですよ」なんて越智さん(大工さん)はおっしゃいます。
とは言え、寒い中での作業が申し訳ないですが、毎日着々と進めてくださっています。
そして、同時に床の下地を貼る段取りも進めてくださっています。
新しく取り付ける窓の位置も確認をしました。玄関の上り口にひとつ、南側にひとつ、キッチン横にひとつ、天窓ふたつ。
2022年2月7日
本当は今日あたりから入ってもらう予定だった屋根工事ですが、某Cの影響で屋根屋さんのお子さんの保育園が止まったために急遽来られなくなったと言うことです。
私たちの暮らす山奥の保育園でも止まっていたくらいに、今現在はどこもかしこもそんな状況ですので、仕方ありませんよね。
とは言えじきに”飲み薬”が普及したならば、もう少しこのウイルスとの付き合い方も変わってくるのかなぁなんて思い始めています。
罹患しても重症化する前に治せるなら、インフルエンザレベルで捉える方向へと認識を変えてもいいはずですもの。
少なくとも、PCR検査結果待ちで待機する時間は必要なくなりますよね。
2022年2月8日
西陣織の世界は分業が進んでいて、それぞれの工程において工程の数だけ職人さんがいらっしゃいます。
分業が進んでいる&職人仕事なので、西陣織の存続そのものがかなり危ぶまれてきています。
いわゆる絶滅危惧種です。
職人仕事というものは、やはり”経験”がものを言う世界でありながら、工賃仕事が多いので真っ当な生活を送るにはちょっとしんどい業界です。
そんなこともあって職人さんの高齢化が進んでおり、80代〜70代の織り手の方が多く、60代が若手に入るような世界です。
なので、注文はあっても織る機場がなくものが動かない状況が進んできています。
そんな話を次郎さん(大工さん)としていたら、「大工の世界もおんなじやで」とのことでした。
近年特に若手の大工さんがどんどん少なくいなってるらしいです。
平均的に高学歴化が進んでいて、手で覚える仕事な割りに大工の世界に入る年齢が高くなっているのと、”叱られてなんぼ”の世界だったのが、みんな叱られ慣れていないから人が離れていくという側面もあるみたいです。
この先、3Dプリンターでお家ができるような世界では大工さんは必要ないのでしょうか?
少なくとも、私たちの工房のように朽ち果てた廃墟を素敵に再生させるには3Dプリンターでは到底無理なことのように思えます。
長年の知恵と工夫と高い技術とセンスと人脈と人徳とで成り立っているのが大工さんだと、次郎さんたちを見ていて思うのです。
職人たちがこの先生き残るには、職人仕事の価値を認めて下さる人々からの支えが絶対不可欠のような気がしています。
そのためには、職人仕事にしかない良さをちゃんと伝える言葉を持たないといけませんし、その術を身につけたいものだと、切実に思います。
職人仕事の良さをお伝えするには写真などでは伝わりにくいので、やはりたくさんの人に見てもらえる機会やプロダクトや発信を諸々企画してゆくべきなのでしょうね。
とにかく、工房が完成したら今よりもっと”伝える”シフトにちからを入れるつもりでおります。
2022年2月9日
棚の位置とそこに何を収納するのか、もしくは展示するのかなどについてや、もう少し具体的に踏み込んだ間取りについての打ち合わせなど。
”和工房明月”の商品を展示する棚は、入り口から入ってすぐのところに。
織物を作るための資料や材料などはロフトや奥の方に作りつけで。
お茶や軽食などを作れるキッチンと、一番奥にはトイレ。
私と姉とがPC作業をするためのスペースと、織り上がってきた生地を検品したり補正したりする作業テーブルは部屋の中央あたりに。
このテーブルは、以前入手していた杉を天板にしてカスタムで作っていただく予定です。
織物をいい感じに展示できれば、伝えられるものが増えるだろうなぁと今から楽しみです。
2022年2月11日
外壁工事と並行して、床の方も工事を進めて下さっています。
床は杉のフローリング。
壁は本当ならば土壁(珪藻土とか)が良かったのですが、展示諸々で壁を使うので、扱いやすい壁紙を貼っていただくことにしました。
壁紙の工事は春が繁忙期とのことらしくなかなか段取りがつかなさそうで、4月以降の作業になるかもとのことでした。ということは、竣工は4月中旬頃になるのかしら?
いい雰囲気に仕上がってきています。とっても嬉しいです!
この新しく生まれ変わったスペースで「できること」がどんどんイメージに湧き上がってきます。
今よりももっと広がりを持って、伝えたいこと、繋がりたい人達がより明確に見えてきています。
具体的にこの先のビジョンやありたい姿なんかも見えてきたので、それらのことはまた別の機会に記したいと思います。
フランスからスペインに抜けて進む、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼旅へいつか出たいと思っています。いただいたサポートは旅の足しにさせていただきます。何か響くものがありましたらサポートお願いします♪