Worlds2021 Play IN B/Pメタ考察
この記事は自分の中の整理と備忘録。素人の雑感です。
JG ~ガンクメタ、ゴアドリンカーの支配
メタの中心となりやすいJGからの考察。
他のレーンにBANを割く必要があるからか、JGチャンピオンへのBANは少ないように思う。またPlayINで縦割りされていた記憶がない。相当ガンクメタに寄っている。
ピックされているチャンピオン的にもそれは見られ、主にリーシン、シン・ジャオ、次いでキヤナ、タロンだろうか。APだとリリア、タリヤなどが目立つ。
レーン戦でのアクションの確実性の高さが優先されている。
ゴアドリンカーのパワーが高いからかADチャンピオンが中心で、アクティブを活かし集団戦でフロントラインを作ることを求めているチームが多い。
これらを満たす最も価値の高いチャンピオンはシン・ジャオだろう。後述するがオブジェクトへのBotのDPSが低くなりがちなのでダメージソースがAAであることもポイントが高い。
始めに書いたように他レーンでBANを割く必要があるため、グループステージでもJGの顔ぶれはあまり変化しないように思う。また仮にBANを割いても同じ役割を果たせて十分に強いJ4、オラフがまだ残っているため価値は低いだろう。
個人的に注目はJ4。Botのメタであるルシアン、MFとシナジーを持てるためピックが増えてくるのではと思う。
MID ~特殊なピックの影
JGがAD中心ということもありAPがピックされることが多い…が、事前に話題になっていたMIDトリンダメアというメイジ殺しの強力なピックの影もあり単純でもない。
B/Pの中心となっているチャンピオンはトリンダメア、イレリア、ルブラン、サイラス。次いでライズ、ゾーイ、シンドラ、ヨネ。
メンツに代わり映えはないが特殊な影も見えるためB/Pの順番などには意外と緊張感がある。
イレリアはTopとのフレックス性もあり、BANから漏れた場合は大暴れといった感じなので、マストBANとなっている印象。
MID主導権の取りやすさとガンク合わせの強さからルブランのtierが最も高くなってはいるが、スケールと後のピックへの影響力の高さからサイラスのtierも同程度に見て良いように思う。
この2体はトリンダメアのタワーダイブに対しても強いため、カウンターとして運用できるのだろう。どちらかをピックできるチームはトリンダメアに対するBANが薄い。
逆にどちらも取れないチームはトリンダメアをBANするべきだと思う。
MIDはピックが後半に回されることもありB/Pにおいては調整役という印象。ここを普通にするためにB/Pが組まれているため、良くも悪くもいつも通りのチャンピオンから選択という形が多くなるだろう。
BOT ~B/Pの争点
Bot主導権の取り合いにおいてミス・フォーチュンが圧倒的で安定感のあるパワーを持っている。Supが何であろうとお構いなしに主導権が取れてしまう。
DPSビルドも驚異ビルドもこなせ、AoEコンボも強力。取らない理由が見つからない。
特に赤サイドにピックさせてしまうと、ピック順の関係で青サイドは全レーンで不利なマッチアップを押し付けられることになってしまい、それだけでゲームが終わってしまう可能性が上がる。
青サイドがMFの処遇をどうするかが今大会のB/Pにおいてまず最初の注目ポイントになっている。
安定感という面で優れているのがMFなら、爆発力攻撃力で優れているのがルシアン。
サポートとのパッシブのシナジーでキルポテンシャルが非常に高い……はずだがあまり上手く行っていない印象がある。
これはルシアンの問題というよりも合わせるSupの問題のように感じる。特によく合わせられているナミはいわゆる「罠ピック」か。今メタでSupに求められているエンゲージがこなせない、またエンチャンター系の課題であるワーディングの問題も大きい。
ノックアウトステージでサポートの枠にブラウムが試されていたが、こちらは実績もあり安定感が見えた。他レーンのチャンプとのシナジーの発見や合わせるチャンピオンの研究なども進み、ルシアンが真価を発揮するのはここからのように思う。
マストBANとなりメタの前提が大きく変わる可能性もあるだろう。
他にピックされる頻度が高いのはエズリアル、アフェリオス。
今メタでアフェリオス以外はオブジェクト速度があまり早くないため、バロンに対するアプローチは慎重になっているチームが多いか。
バロンに対するアプローチが慎重というのはゲーム時間が伸びやすいという意味でもある。レーンは耐えに徹したレイトキャリーが出てきてもおかしくはない。
SUP ~罠ピック多し?
Supで目立つのはアムム、ナミといった直前でバフされた今まであまり見られなかったチャンピオンだが、見られなかっただけの理由が分かるような結果しか残せていない。
ナミは先述した通り。アムムもエンゲージスキルが揃っているように見えるもののレーン戦のガンク合わせにおいてミニオンがいるとQが当てづらいこと、ディスエンゲージができないためワーディングに問題が見られることから、こちらも罠ピックになっているように思う。
結果を残せているのは常連といったメンツのレオナ、ラカン、スレッシュ。次いだ位置にいるのはアリスター、ブラウムといったチャンピオン。
最もtierが高いのはレオナだろう。相性の問題もあり頭ひとつ上にいる。
序盤は強力なアムムにも対応でき、ラカンに対するカウンターとしても知られている。スレッシュはアフェリオスをピックする時の強化パーツとして。単体での評価はそこまで高くない。
ラカンはMF、ルシアン両方と強いシナジーがあるが優先してピックするまでのパワーはないか。残ったところを2ndBANフェーズでBANという対応をしているチームが多い印象。
エンチャンター系として出てきていいのかな、と思うのはルル。JGもTOPも飛び込んでいくチャンピオンが多いため相手へのポリモーフ、味方へのRは強烈に刺さる気がする。
TOP ~ファイターメタ、スプリットメタ
TOPレーンではマストBANのイレリアを除くとレーン戦で圧倒的なパワーを持ったチャンピオンはいないように思われる。よくも悪くも全てスキルマッチアップか。ある程度変なピックが出てくるとするならここ。
B/Pで主に見られるチャンピオンもイレリア、カミール、ジェイス、ケネン、ナー、ウーコン、グウェン、ジャックス、フィオラ、セトなど幅広い。
特筆すべきはジェイスだろうか。先出し安定と言われているが、全く結果を残せていない。
これはレーンで勝ったとしても中盤以降のBotレーンで主導権争いが出来なくなるためだろう。スプリットプッシュが出来ないとオブジェクトファイトへの寄りが遅れ、肝心のポークをする時間もなくなる。
メタのADCのDPSがあまり高くないので、バロンプレッシャーが弱くBot側の主導権はそのままゲームの主導権と言っていいだろう。PlayINではほぼ全てのゲームで最初に破壊されるインヒビタータワーはBot側だった。
中盤以降のBot主導権が重要というのはいわゆるスプリットメタであることを意味する。スプリットプッシャーとして優秀なカミールはBANをするべきだろう。レーンでの能力も高く、環境で不利な相手もいない。
仮にレーンが負けてもカミールの逃げ性能だとキャッチに苦労する。Topで勝ったのにBot主導権を取り切れなくなってしまうといった事態が起こり得る。
ケネンもMidの自由度を上げられ、レーンを安定させられる優秀な選択。特殊なピックを警戒するならBAN候補だろう。
スプリットプッシュといえばサイオンなども思い浮かぶが、メタのチャンピオンがAA主体のものが多くレーンで耐えきることが難しいように思う。
またスワップ戦術でBotを耐えるレーンにしてしまうのはゲーム開始時から主導権を捨てることに近い。今回のメタでは有効に働かないだろう。
まとめ ~BPの戦略性は広い
各レーンのOPは以下。
TOP イレリア、カミール
JG シン・ジャオ、リーシン
MID イレリア、ルブラン、トリンダメア、サイラス
ADC MF、ルシアン
SUP レオナ
特にイレリアはフレックス性もあってマストBANだろう。このチャンピオンをどうやって相手にBANさせるかが各チームのB/Pの腕の見せどころ。
そういう意味では空いた場合、優先的にピックできる青サイドが有利ではあるが、赤サイドにMFを取られると青サイドは主導権を失いがち。
強力とはいえ先出しで前提となるBAN枠が必要なのはいまいちか。
1stピックでルブランとシン・ジャオ両方を取られる事態も避けたい。ルブラン、イレリアどちらか、もしくは両方が青サイドの税金となるか。
JGをBANするならシン・ジャオだが、代用できるチャンピオンは多数。ここにBAN枠を割くのはちょっともったいないように思う。
MFは強力だが、オブジェクト速度的にバロンプレッシャーが弱まり、スプリットプッシュ中心のゲームになりやすい。Botキャリーを目指すチームなら取らずにDPSの高いチャンピオンをというBPもある。
とはいえ相手に取られるとBotキャリーは目指しにくい。MFのBANはBotキャリーの意思表示と見ていいだろう。
MFばかりに目をやるとルシアンに足元をすくわれかねない。リスクは高いがシナジーなど未知数の部分もあり、こちらをBANで対応する方がBPの安定感は増すかもしれない。
Supは単体ではアムム、シナジーではナミが強力と言われておりBANも多く割かれているが、上手くいっていないチームが多い。
リスクも高くグループステージではこれらのチャンピオンは存在感を失っていくと思われる。
BANを割くならレオナだが余裕がないのと、Sup以外に割いた方がBPへの影響は大きいように思う。
マクロが発展したためか、バロンを無視してBotレーンを押すような動きこそ見られないものの、スプリットプッシュメタとなっている。中盤以降にサイドレーンを押せるチャンピオンが一体は必要で、Topレーナーがそれを担うことが多い。
その動きを強力に遂行できるカミールはBANに入りやすい。
Midレーナーでその動きをできるライズもBANが増えてきている。サイラス、トリンダメアもその動きができ、BPに与える影響が大きい。BANを割いてもいいだろう。
各レーンでB/Pの中心となるチャンピオンがいて、その支配は強いが全体としてはバランスが取れていてピックの幅も広く、間接的直接的含めて各チームの戦略性を出しやすい。
見ていて楽しい良メタになっていると思う。
グループステージも楽しみ。