#時空の森羅万象物語 第Ⅶ章第65節
今章は正直あまり良い心地のするお話ではないのですが、この物語においてやはり大事な部分でありますので、もう少しお付き合い願えればと思います。
この辺りのキツイお話は、次節辺りで一旦収まるかと思いますので…。
ここで少し、補足的なものを書いておきます。
今までのお話の中でご理解いただけたかとは思いますが、この時空物語は陰陽五行思想を基に描いている部分が多々あります。
ただし他にも色々な要素が入っている為に一概には言えず、例えば各力のそれぞれの色などは五行思想にそのまま倣ってはいません。
五行思想では水→玄(くろ)、火→朱、木→青、土→黄、金→白ですが、時空物語では水→青、火→赤、物語→緑、土→灰、金→茶で表現しています。
これはこの物語における陰陽五行思想の設定が出来る前に、著者が夢で見たキャラクター達を基に物語を書き始め、ほとんどキャラクターの設定が出来た後に追加したような形になった為、愛着があり変更出来なかったからです(笑)
(宿命物語と並行して、色々設定をいじりまくっていたからというのもあります。)
それにまぁ、虹の色が国などによって7色だったり8色だったり2色だったりするわけなので、自然界に人間が決めたような属性の色とやらが存在するわけでは無いのでしょう。
火は赤やオレンジのイメージが強いですが青や緑の炎も存在するわけですし、水のイメージが青ではなく緑だったり、毒のイメージが紫ではなく緑だったりするわけなので。
もう一つ補足として、五行の【相生】関係と【相剋】関係についても書いておきます。
相生は「相手を生じさせる力」の事で、「水は木を育て」「木は火を発生させ」「火は土(灰)を残し」「土から金が掘り出され」「金は溶けて水となる(金属を冷やすと水を生じる)」という一連の流れを示します。
一方の相剋は「相手を抑制する力」の事で、「水は火を消し」「火は金を熔かし」「金は木を切り」「木は土を押し留め養分を吸い」「土は水を堰き止め澱ませる」という打ち消し合いを示しています。
どちらも自然の活動の一端を担っている概念であり、まさに自然のバランスを取り、世界の循環と調和を表しているものと言えるのかもしれません。
第62節で鏡祐が感じていた「嫌な気配」や「嫌な予感」というのは、今回のお話で馬叉斗さんが千里さんに使わせた力の事でしょう。
この力については、後でまた解説していくつもりです。
そして前々から少しだけ言及していた「遥か北の大地」が何処のことなのか、大体分かるかと思いますが、こちらも上の力の話と合わせて外伝にて書いていきます。
最後に、今章の「嫉妬」というタイトルも、今節にてようやく本当の意味が分かるかと思います。
つまり醒馬は幼い頃から自分の母親である里枝さんに滅多に会わせてもらえず、父親である馬叉斗さんが里枝さんを独り占めしているのだと無意識ながらに思い続け嫉妬していたからです。
(昴流の方にはあまりそういう意識はなさそうでしたが、いつもすぐ身近に自分の事を守ろうとしてくれていた醒馬がいたからでしょう。)
更に言うと、馬叉斗さんの方も自分自身が嫉妬深い人間である事を隠す素振りも見せずに認めている節がありますね。
この辺りの話も(ただでさえ長めの章なのに、この辺りの話まで本編で書くと長くなり過ぎる為)、例によって外伝にて詳細を書いていきたいと思います。
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございました m(_ _)m