#時空の森羅万象物語 第Ⅴ章第40節
薫楼が初めて葵に出会ったキッカケを作った泥棒は、多分即座に薫楼が通報してお縄になった事でしょう(薫楼の父親は警察官ですし)。
リアル現実の屋久島には、飼い犬はいても野犬は多分いない…(情報未確認)?
今節にて、今章での大きなキーワードである「御岳参り(岳参り)」のお話が出てきましたね。
御岳参りは旧暦の5月(現在の5月下旬〜6月下旬頃)と9月(現在の10月下旬〜11月下旬頃)、春と秋に行なわれる行事です。
集落によって岳参りに赴く山が異なるそうで、その集落に近い位置の山を前岳、より中心部に近い宮之浦岳などを奥岳もしくは御岳と呼ぶとの事。
戦時中や高度経済成長期には人手不足/若者不足の為、御岳参りが中断される事もあったそうですが、現在は復活しているようです。
(御岳参りのおおまかな内容は、本文中で薫楼が浅葱に話してくれています(結構な割合で創作を含んでいますが)。)
屋久島の守護神は【一品宝珠大権現(天津日高彦火火出見命、いわゆる山の神であり水の神とも呼ばれる山幸彦の事)】とされ、御岳参りの代表者が見送りに来た者と別れ山に向かう為の場所である牛床詣所(うしどこもいしょ)にも祀られています。
明治の頃まで牛床詣所から先は女人禁制とされ、御岳参りに向かう者の家族が彼らを見送る最終地点でもありました。
御岳参りの最終目的地である【益救神社 奥宮】にも一品宝珠大権現が祀られているのですが、その他にも島の各地に一品宝珠大権現の祠が存在しているそうです。
宮之浦という集落にも益救神社がありますが、そちらは里宮という事になりますね。
海は海人の領域、前岳は人里、中岳は人と神の交わる場所、奥岳は神の住む場所といった認識があるようです。
(この辺りのお話の詳細は、物語中や解説文にて、その都度書いていく予定です。
余談ですが、著者が屋久島で龍神杉(と風神杉と雷神杉)に会う為に歩いた道は【益救参道】と呼ばれていて、こちらもかつて御岳参りの際に使用された道であったとの事。)
以前もどこかで書いたかもしれませんが、奥岳の年間降水量は8000〜10000ミリ、冬場は積雪が3〜6mにもなるそうです。
比較的雨量の少ない地域でも年間4000ミリは降るそうで、そのおかげで島には沢も川も滝も多く、多くの植物にとって素晴らしい生育条件が揃っています。
そんな御岳参りの山のお土産は、屋久島の固有種であるヤクシマシャクナゲの他、ビャクダンやシキビ(シキミ)やサカキなど。
下山後にヤクシマシャクナゲとサカキは神棚に、ビャクダンやシキビは仏壇に供えられます。
屋久島の人は甘酢らっきょうではなく、塩らっきょうをお酒のつまみにする事を好んでいるようです。
サバ節なども本当に美味しいので、屋久島に行く際にはお土産として考えられると良いかもしれません。
著者もトレッキングガイドさんオススメのお土産としてサバ節や【芋焼酎 水ノ森】など教えていただいたので、特にサバ節はかさ張りづらく重くもないので持ち帰りが楽でたくさん買って帰りました(笑)
他人の前以外(つまり寮の住人や自身の家族以外)では、薫楼の姿変化に特に規則性はないようです。
いわゆる、本人の気まぐれ(気分次第)といったところでしょうか。
それにしても、あの長い爪でどうやってゲーム機のスイッチを扱っているのでしょうね。
…たまに、そんなどうでも良い事を考えてしまったりします(笑)
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます m(_ _)m
中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。