#時空の輪廻転生物語 第Ⅹ章第96節
今節には、若干血の表現がありますので、苦手な方はご注意ください。
過去の京極家や楓塚家のお話は色々と複雑なのですが、多分本文中では書かないと思われる話を少しだけ補足的に書いておきます。
馬叉斗さんは以前、千里さんの北岡家が北之海道にいた頃からずっと京極家に仕えてくれていると話していました。
しかし実は一度だけセパレートしていた時期があり、それは馬咲さんに関する件がキッカケでした。
本来自由に結婚出来ない身である京極家次男の馬咲さんが、当時京極家に仕えていた北岡家の女性と関係を持ち子供が出来ました。
その事に当時の京極家当主(統馬さんではなく彼らの父親)と京極家に関わる人々が異を唱え、北岡家のその女性(というか北岡家自体)は京極家を追い出される事となり、馬咲さんはその事で自暴自棄になり、例の龍神事件に巻き込まれてあのような事となってしまいました。
それから時を経て、その北岡家の女性に繋がる千里さんの親は、島の片隅で細々と暮らしていました。
しかし千里さんの父親が仕事中の事故で亡くなり、まだ幼い千里さんと千里さんの母親を残していなくなってしまいます。
千里さんの母親は身体が強くなかったので、そのまま路頭に迷い崖から飛び降りる寸前だったところを、海と港での仕事の帰りに偶然近くを通った馬叉斗さんの父親に発見されます。
馬叉斗さんの父親は二人を見るなり北岡家の人間だと直感的に理解し、躊躇いなく京極家に招待すると厚くもてなしました。
それ以来、千里さんと千里さんの母親は京極家の離れに住む事になり、千里さんはこのまま一生京極家に仕えるつもりでいるようです。
千里さんが正編で陰陽師関係の力をさほど苦労せずに使う事が出来たのも馬咲さんからの流れであり、実は見た目も少し寄せています。
正編外伝で馬叉斗さん自身が里枝さんと関わる事に関して、千里さんに「お前にとっても良くない話」と言っていたのも、例の龍神事件の際に馬咲さん(京極家)と風雅さん(花筐家)が言い争っていた辺りに関係します。
今回のお話では、上記のものもそうですが、今まで正編から続編にかけて放っておいた設定(というか伏線?)を、いくつか回収しています。
特に正編の第Ⅸ章で鏡祐が自分達の過去の話を一番初めに浅葱にしたのは、結局のところ鏡祐にとっての浅葱は「自分の実の妹の曾孫(もしくは玄孫かも)」にあたるから、より一層気にかけていたという理由があるから、という事が分かります。
同じように、正編の第9節で織姫さんがピンポイントで浅葱に鏡祐の話をしていたのも、この辺りの理由がありました。
なので浅葱が正編の第90節で鏡祐に「爺ちゃん」と言っていたのは、あながち冗談でもないのかも σ(^_^;)
あと「からくり人形」に関してですが、からくり人形には「山車からくり人形」と「座敷からくり人形」というものがあり、鏡祐がたまにいじっている「茶運び人形」などは座敷からくり人形に分類されます(山車からくり人形は祭事などに使用)。
この座敷からくり人形は京都が発祥とされているようで、この物語の京極家は京都から北海道、北海道から虹野島にやって来たという設定なので、どうやってかは分かりませんが、どこかのタイミングで京都から持ってきたのかもしれませんね。
とりあえず、鏡祐の部屋(や寮内)にやたらとからくり人形(確かからくり時計もあった)が置いてあったのは、その辺りに理由があるようです。
そして、今回は最後に少しだけお詫びと訂正をさせていただきます。
以前続編の第78節にてH.P.ラブクラフトの解説を本文にて書いたのですが、ここで使用した「薔薇国」というワードは本来「苧環(おだまき)国」とする予定でした。
何故なら「薔薇国」というワードは既にイギリスを指すものとして使用しており、確かに薔薇も同じ国花ではあるのですがアメリカを指すものとして「苧環国(正確にはセイヨウオダマキですが)」を使用しないとごっちゃになるからです。
該当箇所はこの記事を上げてから修正しますが、ややこしい事になってしまい誠に申し訳ありませんでした m(_ _)m
(今回出てきた某国宇宙機関ROSAも、セイヨウオダマキの英語名からとってAQSAに変更しておきます。
あと、今節には軍や部隊が云々という話が出てきますが、リアル現実のものとは一切関係ありません。)
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます (^^)