ペット

ないがしろにしがちな日常に、愚痴一つこぼさず、そっと寄り添ってくれる。
いつもいつも、いつまででも、信じて待っていてくれる。
幸せ?って訊いても、答えてくれない。
そして、命懸けで、いなくなる。
温かかったのに、冷たくなる。
柔らかかったのに、硬くなる。
でも顔を押し当てたら、いつもと同じにおいがするから、
名前を呼んだら、瞳に光が戻るかもしれない。
大事にしてきたはずなのに、どういうわけか「ごめんね」と思う。
「ありがとう」が、いまごろになって堰を切ったからだろう。

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