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彼女

昔、いじめられっ子だった
その女性は
褒められる事も
「好き」といわれても
その言葉を心から
信じられなくなっていました

だから
大好きな人が現れても
自分から言えず
そっと…

大好きな人から
「嫌い」と言われたくなくて

「好き」といわれなくてもいい
ただそばで話ができるなら
そう思っていました。

彼女は
こっそり
詩を書いていました

子供の頃
彼女は勉強も運動もできませんでした
だけど
彼女は想像をして遊ぶのが得意でした

だけど
大人になり
日々の忙しさのなかで
想像より現実が迫り
すっかり忘れてしまいました

そして
月日がすぎ
彼女はまた
「詩」と運命的な出会いをしたのです

彼女は
その再会を喜び
また
遊び始めました

子供の頃のような
純粋な詩
詩を書く人達のような詩

そんな詩を書けなくなってる事に
ショックを受け
浮かばなくなっていきました

そんな時に
「癒されます」

嬉しい言葉を聞きました

「大好き」

そんな言葉も

初めは半信半疑でした

ある時
彼女はふと思いました

彼女は「彼女のため」に詩を書いてる
彼女は自分を表現するのが苦手だから
詩に託しているのだと
その日、その日に感じた事
ふと、耳にしたフレーズ
誰かのためじゃなくて

その小さな想いが
誰かの心に届き
共鳴できたなら嬉しいのだと

彼女は
肩の力をすっと抜いて

そっと
手帳に書きました

やっぱり
詩を作る事
読んでくれる人の癒しになりたい
だけど
押し付けの「癒し」はいや
私の想いに共鳴してくれたら
嬉しい

彼女はにっこり笑って
手帳を閉じたのでした

彼女の世界観を理解できない人もいるでしょう
それはそれで仕方ない事

だけど
彼女の世界観を否定する権利は誰にもないはずです

彼女は
これからも
こっそりと詩を詠うでしょう

誰かと
共鳴できますように

そう
願いながら

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