ワイルドに行こう*日曜日はまだ遠い
昨日は月曜日で、明日はようやく水曜日だ。
時の流れは早く、
そしてどうしようもなく、
長い道のりに感じる時さえある。
困ったものだ。
音楽や匂いは記憶層を刺激する。
ふと流れたメロディーに「あの頃」というものを思い出す。
あの頃はアイドルグループに元気を貰った。
なぜアイドルグループが好きになるかというと、
ひとりひとりの違った個性が、
まだ定まらないこちらの個性の渇きを、
分担してくれるからじゃないかなぁ。
バラエティセットが何事もお得だし、
決められない時に罪悪感を薄めてくれる。
どうしてもこの味のチョコでなければいけないとか、
どうしてもこの濃さのカルピスでなければいけないとか、
そういう好き嫌いの主張への、その自信がないからだ。
そんな心の隙間を埋めてくれたのは、洋楽アイドルグループ。
演歌のような湿った酸性雨のような恋はあんまり歌わない。
単純にストレートであっけらかんとして、
子供時代の延長で分かりやすくて、明るくて、元気だから。
君に会いたいのにまだ週の半分、日曜までは遠いと歌う。
僕には彼女の愛が今必要なんだ、と真っ直ぐ見つめて歌ってくれる。
うっとりしないわけないじゃないですか~♡
そんな言葉を発する男の子が周りにいる訳ないと夢見る。
王道を行くベイシティローラーズの次は?という感じで、
バスターやフリントロックや外国のグループが、
テレビの歌番組にも出演する。
あの頃テレビでは歌番組が花盛りだった。
バスターのラジオ番組も聞いていた。
ベイシティローラーズとバスターの思い出は数々あれど、
フリントロックという名前をひねり出したら、曲も顔も思い出せない。
唯一思い出したのは、メンバーの妹の名前がDawnという
美しい名前だということだ。
美しいのだろうか?
日本語なら「暁(あかつき)」ちゃんだ。
頭は良さそうだけれど、Dの入る響きはどうなんだろう?
その疑問を思い出した。
新曲のインタビュー記事か何かではなかったかと思う。
私はしょうもないことだけは良く覚えている。
当時は翻訳も疑問に思っていた。
なぜ「Dawn」が「青春の夜明け」になるのか?
なぜ直訳ではいけないのか?
この題名意訳問題は時々センスを疑うことがあった。
余談だが花の名前すらそうだ。
なぜあんな可愛い可憐な花が「イヌノフグリ」なのか。理解できない。
きっとガチガチに真面目な男性が、適当につけたに違いない。
初めて買ったバスターのアルバムには【Sunday】よりも
お気に入りの曲があった。
ドラムスの子がボーカルだった気がする。
【Born to be wild】はイージーライダーの主題歌のカバーだ。
【ワイルドに行こう】と邦題がついているが
どこかその邦題は粗野なだけでスパイスが足りないと、
いつも、思う。
時代背景のヒッピー文化は伝わらないかも。
燃料タンクに星条旗が描かれたハーレーダビッドソン。
コカイン密売で儲けたお金をタンクに隠し、旅に出る二人のヒッピー。
反体制でロックンロールだけど、今の若者がこの映画を見たら
どんな感想なんだろう。
みんなやんちゃも好きだったね。
あの頃。