#22 読書記録:人物伝と一般の歴史解説書の違いー永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」②
永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」読了。
昭和陸軍、とくに戦前のことが書かれている本の中ではかなり重要な位置にいる人だという認識はあった。統制派の軍務局長のイメージ。
それがガラリと変わったわけではない。が、今回感じたのは、出来事を中心とした歴史の解説書と、人物伝の違いがあると言うこと。
歴史中で時々登場人物として顔を出すのと、1人の人物を中心に歴史上の出来事が描かれるのでは、見え方が違う。
出来事だけを追っていくと、いきなり出てくる人がいたり、この間まで同じグループにいた人が対立していたりして、???となることが多々ある。とくに日本軍関係の歴史は登場人物が多くて、今の記憶力では覚えられないし、追えない。そして、常に時系列ではなく、勝手に前後して書かれたりする。
人物伝は、1人の人物に常にピントが合っているから、人物の整理もしやすいし、そもそも時系列も追いやすいと言うことが、今回わかった。
人物伝は、筆者がその人物のどのような面を強調したいかで、ニュアンスが変わってくる。したがって、どの程度客観的に読むかは注意が必要ではあるものの、歴史の流れを知った後、よくわからないところを整理するには、こう言う本を読んでみのもいいのかなと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?