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ムンバイの貧困層・低所得者暮らしを垣間見る

インドでの社会階層は様々な分け方があり、リサーチする機関によって定義がことなるが、ざっくりと年収200万ルピー以上を富裕層、50-200万ルピーを中間層、15万-50万を低所得者層、15万以下を貧困層とする。
ちなみに現在、日本円に換算する場合は1.8倍にする(200万→360万)。

今回は、そのおそらく低所得者および貧困層が暮らしているであろう世界一の洗濯工場ドービーガートと、BMWが中から出てくるスラムのダラビについて記録する。

ドービーガード(Dhobi Ghat)

湿った空気がただようムンバイ。
タンクトップのおじさんや使い古したサリーなど飾らない服装をした人々が暮らすエリアで、とても綺麗とは言えない街並みの中に世界一と言われる洗濯工場がある。

Googleマップに従い、その場所に向かうと少し奥に階段があった。歩道橋につながっており、登るとドービーガードの全貌が見えた。

高層ビルとのコントラストが印象深い

白いシーツやジーンズなど所狭しに干されていてどことなく美しささえある。
日本クオリティからすると、おそらくキレイではないのだが、白いシーツがゆらゆらと風を浴びる姿には清々しさがあった。

ちらっと見たブログで中に入れるというので、覗いてみることにした。ブログによれば150ルピーほど要求されたとのことだが、得意の突破力でズイズイ進み、ガイドになろうとした人を巻いて1人で見学した。(ガイドはつけたかったのだが、ついてきた人は、なんか、嫌な感じだったのだ)

中に入ると「ハーイ!こっち来なよー!」と手を振ってくれるフレンドリーさ。

呼んでくれたおじ

ここでは脱水をしているらしく、大きな樽のような機械をグオングオン動かしていた。

洗濯場。だいたいは叩き洗いの模様
気持ちよさそうに休むおじ
洗濯後なのか洗濯前なのか布が運ばれていく
たくさんの布たち。写真の荷台かトラックで行き来しているようだ

勝手知ったるという振る舞いでドンドコ進んで行ったのだが、中にいる人は私におかまいなし、もしくは手を振って笑顔を見せて歓迎してくれていた。どうやって運ばれた布を管理しているのか未知だが、ムンバイに住む人から聞いた話では各家庭の洋服やシーツがここにきているという。どうやってまた送り返すのか、間違いはないのか、気になるところだ。

ダラビ(Dharavi धारावी)

世界で3番目の人口密度のスラムというダラビは、スラムなのにBMWがあるという噂を聞いて気になっていた。

1000ルピのツアー

午後5時からツアーを頼んでいたので、ダラビに住むと言う彼が案内してくれた。ここはガイドが居なければ出るのが困難だ。なにしろシンプルに広いし、道は路地に路地を重ねて形成されているのだ。

知らず知らずに悪臭に慣れてきているのか、インド人の友人は5枚マスクいるで!(臭いから)と言っていたが、全然乗り切れる範囲の衛星さ。
とはいえ、床は雨でぬかるんでいるので汚さに気をつけながら歩いて行った。インド初心者には結構強烈だと思う。

ダラビには仕事場と住宅やマーケット、学校に教会や寺などの宗教施設がありここだけで1つの町と言っても過言ではない。

リサイクル業が盛んで、鉄やプラスチックなど様々なものを解体および分別をしていた。その他にもカバンや洋服をつくる工房もあり多種多様な仕事が存在する。

鉄を再利用
裁縫工房
ワーカー用レストラン。食べ放題で40ルピとか

中に住む人で特に子どもは昔の日本を彷彿させる純粋さがあり、ただただ挨拶したくて近寄っては恥ずかしげな目配せをしてハーイと言ったりハイタッチを求めたりしてきた。とてもかわいい。

木製の皮を乾かす機械
軒先コンビニもあり
ここは住宅エリア。両サイドに家々が並ぶ
Dharaviブランド(Dがロゴ)の皮バック屋さん
ここでしか買えないといわれ欲しくなる
マーケットエリア。野菜果物が多い

ダラビで暮らす人々は毎日14時間働いて300-400ルピーほどの稼ぎなのだという。
30日休まず働いたとして12000ルピーほど。

しかし、そんな貧困層とも呼べるエリアからVogueのモデルや売れっ子ミュージシャン、実業家まで誕生している。今回のガイドはダラビ出身だが、学校では英語で学びMBAを目指して勉強中とのこと。なんて高い志しなの。

環境が違えば、チャンスを見つけることも難しいはずだ。彼らのどんな環境でも乗り越える姿勢に感服した。

想像以上に広く、奥深いダラビ。
とても興味深く貴重な経験になった。

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