【姫文余話】第31話『糊』
「きまじめ姫と文房具王子」の第1話『糊』についての余談です。
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31話は『糊』のお話でした。
最初から最後まで、何度か『糊』がキーワードとなってでてくる、『糊づくし』な内容となっております。
物語も、主人公かの子と親友梢の拗れてた仲が修復されるという点で、再び『くっつく』話になってます。
文具の現行商品も出てきますが、不易糊工業株式会社さん(以下フエキさんと略させていただきます)から昔発売されていたという、幻のどうぶつ糊が登場するのでnoteではその話を。
実は有名などうぶつ糊、現行であるイヌの他に廃番のゾウとウサギがあったのをご存知の方は多いと思いますが(きまじめ姫にも1話でゾウが出てきます)
実は、その他に、カエルがあったんですね。
カエルの糊は『ケロっ子』という商品名で売られてたみたいです。
カエルのカラーである緑のほか、赤と黄色が存在します。(ラスタ…!)
フエキさんから貸していただいた当時の販促で使われていたPOPの画像(※掲載許可をいただきました。無断転載はご遠慮ください。)を見る限り、“どうぶつ糊にケロっ子が仲間入り!”という感じの表現がされているので、先の3つが発売された後で出た商品であることがわかります。
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実は、私がこのカエルの糊の存在を知ったのは結構前になります。
今の漫画をまだ企画してるような段階の時に、どうぶつ糊の事で前々から気になっている事がふと頭に浮かび、その件でフエキさんに問い合わせたことがあるのですが、その時に知りました。
確か、「自分が幼稚園の頃に使っていたのはイヌだったのですが、その当時、本体がピンクでキャップではなく、青いハットをかぶったものもあったと記憶していています。そういった商品は当時ありましたか?」みたいな問い合わせしたと記憶してるのですが、フエキさんから頂いた返事は…
「ハットをかぶったどうぶつ糊は製造しておりませんでした。」
とのことでした。
(ハットであったことがとても頭に強く記憶されていたのですが、どうも私の思い違いだったようです。おそらくカラーリングが一致する、うさぎの糊を記憶違いしてたのかもしれません)
その時いただいたメールの末文に「あと、どうぶつ糊の姉妹品として、カエルの糊も製造しておりました。」と書いてあり、それでカエルの糊が存在していたことを知ったのです。
といいますか、個人からの突然の気味の悪い問い合わせメールに、よくフエキさんも快く丁寧に答えてくださったなあ…と今にして思います。本当に素晴らしい企業様です。
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さて、先述したように、私自身フエキさんのどうぶつ糊を実際に幼稚園で使ってました。
工作が大好きだったので、使い倒してました。あれが【ザ・幼稚園の糊】っていう認識だったので、東京(~以北)の方があまりなじみないと聞いて、びっくりしました。
私の漫画の担当さんは北海道出身なのですが、「見たこともなかった」っておっしゃってました。(北海道はかつて寒冷地でも凍らない糊を作っていたヤマト糊のシェアが高い)
私の幼稚園は制服がベレー帽だったので、フエキ君(当時はそのような名前はついてなかったように思います)の赤いキャップのつばの部分を切り落としてベレー帽のようにして使うのが園内で流行っていたのを覚えています。つばがなくなると開けにくくなるんですけどね。
とにもかくにも私にとってお道具箱にコロンとはいってる糊は、あのどうぶつ糊なんです。使い終わっても、リカちゃんの彼氏としておままごとに使用してました。リカちゃんに対して一頭身の彼氏をあてがう自分のセンス…って感じですが、男の子の人形を買ってもらうくらいなら、きせかえの服を増やしたかったので致し方ありません。
文紙メッセで夏に撮影したフエキ君。
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因みにさらに余談になりますが、この時の原稿を書いている時にふと見てたメルカリでフエキ糊のサルが出品されてました。
原稿を書いてる最中になんてタイムリーなんだ~!と思ってびっくりしていたのですが、私が気付くのが遅くて、30分前に既にどなたかの手に渡った後でした。
本体部分がオレンジで、帽子は深緑。サルなんて話にも聞いたことなかったので、気になって気になってフエキさんに問い合わせてみました。(しかもその時、メルカリのスクショの画像を添付したという…(笑))
フエキさんからの回答によりますと、どうやらサルはノベルティ商品だったようです。メールの担当者様は長年フエキのりにお勤めの方だったようですが、その方も「初めて見るもの」だったようで、とても珍しいものだそう。ノベルティということは、もしかするとサルの他にもいるのかもしれない…なんて期待も広がりますね。
あと、この問い合わせをして返答が返ってくる間、「実は、サルの他にトリもいて、既存のイヌと3つあわせて「桃太郎セット」として販売していた」という解答をもらって感動するという夢を見ました。
そんな夢を見てしまうなんて、さすがに病気じみてるなと自分で思いました。
それでは今回の余話はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました😊
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マガジン【姫文余話】では、こういったかんじで「きまじめ姫と文房具王子」のこぼれ話的な話、取材や取り扱った文具についての話、制作時の話などなど、漫画の中には書きこめなかった話を綴っていこうと思っています。
また、1~3巻のすでに既出の話の余談についても、時間のある時にアップしていけたらと思うのでマガジンのフォロー等していただけたら嬉しいです。
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