『希望のカケラ 社労士のヒナコ』レビュー
「#文春文庫ファーストレビュー」に当選させていただきました。
短いですが、表題作をレビューさせていただきます。
作者は水生大海(みずきひろみ)さん。
この方の作品を読ませていただくのは初めてです。
ストーリーはもちろんですが、どんな作風・文体の方か、楽しみに読ませていただきました。
(とても読みやすく、主人公ヒナコの性格が伝わってくるような文章で、感情移入しやすかったです)
肝心の作品の内容について触れさせていただきます。
まず、主人公の職業になっている社労士に関して。
私にとっては馴染みのある職業では正直ありません。
第一の感想は、取得が難しい資格なのに主人公は努力してすごいな……というしょうもないものです。
いろんな関連用語が作中は飛び出しますが、特に違和感を感じることなく読むことができました。
むしろ、リアリティが増して雰囲気が出ていたと思います。
社労士の気苦労なども随所に感じられるようになっており、思わずヒナコに「お疲れ様です……」と言いたくなりました。
作者さんは、どうやって取材・調査されたのか、なぜ社労士を題材にしようと思われたのか、気になります。
社労士以外にも多様な職業の人たちが登場し、(コロナ禍でのヘアサロン、ケーキ屋兼カフェなどなど)こういう人たちが実際にたくさんいるんだろうなと想像しながら読むことができます。
もう一つの題材である、ミステリー。
私は普段あまりミステリー作品を読むことがなく、その点に関してはどれだけ楽しめるのか未知数でした。
ネタバレは避けますが、ヒリヒリさせられるやり取りがあり、そのどれもが社労士ならではの着眼点で、気づきを得ていく流れには舌を巻きます。
あまり詳しくは書けませんでしたが、以上で私のレビューとさせていただきます。
リアリティのある職業・業界関連のお話と、それらに関連したミステリー要素を主人公が社労士の視点でときほぐしていく奮闘ぶりを見たいという方にお勧めします!
『希望のカケラ 社労士のヒナコ』、ぜひ読んでみてください。
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