すきま。
私は隙間が好きだ。
隙間は、「物が連続して存在する」条件でなければ実現しない。
そうでなければ隙間とは呼べないからである。
人間にも隙間があると思う。
誰かと誰かの間の隙間。
その隙間のことを、時に「距離感」や「空気感」と呼んだりする。
私は隙間が好きだ。
古びた民家の隙間、ガードレールの隙間、自販機と地面の隙間
「何かがあるんじゃないか」と思わせてくれるから好きだ。
人と人の間にある隙間
喫茶店のボックス席に収まる人たちの隙間
電車で乗り合わせた人との隙間
スクランブル交差点の人混みの隙間
「何かドラマがあるんじゃないか」と思わせてくれるから好きだ。