「今日は天気がいいですね」について
私は「今日も天気がいいですね」が苦手だ。
「なんだか蒸し暑いですね」も
「雨が少し強くなってきましたね」も
「これは何の虫の鳴き声でしょうか。秋ですね」も
苦手だ。
私はOLで、職場では、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、この会話をする。
1年中。
この会話を投げかけられると、私はそれとない、
50点で、無色で、記憶には40秒ほどしか残らないような返事をする。
その返事をしている自分がいつも気持ち悪くて仕方がない。
一方で、いわゆる「会話上手になるための~」とか「ビジネスマンの会話術~」的な本には、天気の話は誰にでもできる最初のトピックとしてよく出てきている。
そんなことはどうでもいいのだけれど。
「昨日は雨でしたが、今日は晴れてよかったですね」
「快晴で、もう暑いくらいですね」
「洗濯日和ですね」
「散歩に行きたくなりますね」
何が正解なのだろうか。何と言い返せば納得してもらえるのだろうか。
そんなつもりで声をかけてるわけじゃあないんだよ。
と今にも声が聞こえてきそうだ。
気持ち悪い。
しかし、私の周りには
誰一人天気の話を気持ち悪そうにしている人は、いない。
なんで自分はそうなのだろうか。
みんなは気持ちよさそうに、当たり障りなく天気の話をしているのに。
そんなことを何度も考えた。結論はこうだ。
線香のにおいが好き。
ボーダー柄は絶対に着たくない。
おでんのこんにゃくは好きだけど、糸こんにゃくは嫌い。
そんなものなのかなと。
解決するとか、そんなものではなくて、些細だけど確かにある感覚で、
誰かにとってはどうでもよくて、だからって気を使われたいわけでもなくて。
それもまた自分なので。この年になると、その感覚をわざわざ否定したくないなあと思います。
そんな嫌いがある人へ。
私もです。