V/SH




私は君にクリスマスギフトを送りました。シュトーレンと紅茶、それとハーブ。家族だと思って送りました。君の国の言葉でお手紙も書きました。どうでしたか。美味しかったですか。素晴らしい!の一言じゃ何も分からないです。それで結局分かりませんでした。君が何なのか、君にとって私が何なのか。分からないまま宙ぶらりんにされたこと、忘れませんからね。君はいつもしていることでしょうから忘れるでしょうが、私は大陸の奥の方で、その時のことを反芻します。

忘れたほうがいいですか。距離に応じて。でも申し訳ないけど、それぐらいしかないんですよそこでの記憶が。だから煮詰まっていくんです。執着するされるんです。このサイクルを回しているのは君と私なんです。私の言葉で言ってあげましょうか?そしたらむしろ伝わりますでしょうか。私、敬語が好きなんです。上手く使えませんけど、距離が伝わるから、悲しくなりません。

嘘をつきました。記憶は色々あります。でも破かれるようなのは一つです。それは言葉で書きましたよね。ああいうの、誰にでもいつでもどこへでもやってるんですか。だとしたら君はディザスターだね、ごめんこれも書いたね。

私は絵を描くので分かるんですよ。君も絵を見てるでしょう。空気に。人々の間に。あれ、誰にも見えてる訳じゃないんですよ。そのために嘘をつかなくてはだめなんですよ。綺麗な顔して絵の感想、見えない人に語っちゃだめなんですよ。大好きだよって、聞き間違えちゃう人、たくさんいるから。そのたくさんにしないでよ。そんなたくさんにされた空っぽの記憶だけが、君の国の記憶になるの。それって、悲しいでしょ?






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