一人事
意志と意識の狭間で
生と死が合流する
私の純然たる知性は清潔に
死を掲げながら断壁の突端を指差し
私の確固たる野生は厳かに
森へ帰りイチジクを喰むように告げる
ニューロンは自身の集合問題にショートして
私を上空に投げ出してしまった
目に映る星座は生存に関して語らない
まるで訪れを待ちながら中空を漂い
私を攫う流れに満足の吐息を漏らす
それで良くも悪くもない
振り返った時の景色は
どうしたってその時にしか分からない
今ここに確かなことは一人であること
私もまた一人であること
あらゆるものによる漣の中で
一人であること