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北総鉄道と新京成電鉄はお互いに乗り入れていた ~「新鎌ヶ谷駅」の開業が運命を左右した?~
2021/08/07更新:一部参考資料の追加と修正を行いました。
2021年3月30日。この日は北総線のⅡ期線(京成高砂~新鎌ヶ谷間)が開通してから30周年が経った。これにより北総線の車両が初めて東京都内へ進出し、そこから京急線で神奈川県内までも入るようになった。
今現在北総線の車両は羽田空港行きが大半なので、神奈川県への乗り入れは無くなり、その代わりに京成・都営の車両が京急線の神奈川県内区間に入っている。
今回お届けするのは北総線のⅡ期線の事では無く、開業当時からあった新京成線との乗り入れについて深掘りしていく事にする。
1:お互いの路線に関して
○北総線
1979年に第Ⅰ期線として北初富~小室間が開業。同時に新京成線への乗り入れを開始。当時は全車両6両編成だった。
1982年からは空港アクセス鉄道の計画が進められ、これが後の2010年に開業する「成田スカイアクセス線」へ繋がる計画となる。当時小室~西白井間(後に千葉ニュータウン中央にも掲示)の各駅に「成田新高速線早期実現」の看板が立てられていた。
ちなみに成田新高速鉄道の看板は白井市と印西市それぞれで設置していました。写真は千葉ニュータウン中央駅近くにあった印西市のもので,以前は「北総第2期線早期実現」だったかと思います。 pic.twitter.com/0FsNBmXzXR
— 赤電 (@akaden3150) July 16, 2020
1984年に住宅・都市整備公団(現:都市再生機構)の千葉ニュータウン線が開業し、ここから利用客が益々増えていくこととなる。
時は流れ1991年3月30日、新鎌ヶ谷駅開業と共に第Ⅱ期線の京成高砂~新鎌ヶ谷間が開業。京成線・都営浅草線・京急線への乗り入れを開始した。翌年1992年7月8日に新京成線の新鎌ヶ谷駅開業に伴い、新京成線への乗り入れが終了。
その後北総線は急行運転の開始、印西牧の原駅・印旛日本医大駅の開業、特急運転の開始を経て、2010年7月17日に計画開始から約28年の歳月をかけて漸く空港アクセス鉄道である「成田スカイアクセス線」の開業に至っている。
この間に開通当初から活躍していた車両である7000形が2007年で引退、10年後の2017年には9000形が引退した。
現在は優等種別としてアクセス特急(京成電鉄の運行)、特急(平日のみ)、急行(平日下りのみ)、普通の4種別で運行する。また、スカイライナーが全線成田スカイアクセス線経由へと変更されたため、線内は全て通過となるものの朝~夜まで運行。車両は5形式が活躍中。
○新京成線
元々日本軍の「鉄道第二連隊」の演習線の跡地を活かす形で、1947年に新津田沼~薬園台間を単線で開業。この時の新津田沼駅は現行の位置よりも若干前原駅寄り(現:津田沼パルコ付近)にあった。
この時の線路幅は現行の1435mmより狭い1067mm(JRと同じ)だった。
その後、滝不動・鎌ヶ谷大仏・鎌ケ谷初富(現:初富)まで延ばし、1953年には京成線への連絡へ向けて線路幅の切替が行われた。(1067mm→1372mm)
1953年には京成津田沼まで延伸開業し京成線との連絡を開始、1955年には松戸まで全線開通し、国鉄線(現:JR常磐線)との連絡を開始している。
時は流れて1979年、北総線との乗り入れを開始。新京成線と北総線の車両がお互いに乗り入れする事が多くなった。
1992年7月8日に新鎌ヶ谷駅開業に伴い、北総線への乗り入れが終了。その後しばらくどの路線へも乗り入れはしていなかったが、2006年12月10日に京成千葉線への乗り入れを開始し、再び直通運転が行われるように。
現在は千葉線乗り入れをはじめ全車両6両編成となり、新形式でもある80000形をはじめ5形式が活躍中。北総線と異なり優等運用は現在まで運転されていない。
2:北総線と新京成線への乗り入れ
北総線は運行開始当初から乗り入れが行われており、対する新京成線からもいくつかの形式が乗り入れしていた。
北総からは7000形、新京成からは200形と700形の2形式で乗り入れていたようだ。
その後は800形・8000形・8800形がそれぞれ乗り入れるようになり、北総線内はすっかり北総と新京成の車両が入り乱れていた。この間に住都公団の9000形も加わり、最盛期には5形式が北総線で見られたことになる。
北総線と新京成線への乗り入れは、現在の新鎌ヶ谷駅の少し先にあった連絡線を利用していた。高架線から下りてきた北総線の車両が、新京成線上で平面交差するものだった。今現在はこの跡こそ無くなってしまったが、1992年以降から数年間はまだ跡地が残っていた事がある。
新京成線が北総線へ相互乗り入れしている時、新京成線の下り列車は京成津田沼行きに加え千葉ニュータウン中央行き(開通当時は小室行き)の設定があったため、乗る電車を間違えるととんでもない事になるトラップも密かにあった。
1991年3月30日に北総第Ⅱ期線が開業してからは、廃止となるほんの一時ではあるものの、当時最新鋭だった7300形の新京成線乗り入れや新鎌ヶ谷~千葉ニュータウン中央間で新京成の車両が京成・都営・京急の車両などと入り交じる事があった。
【参考資料】
【平成4年②】
— 新京成電鉄【公式】 (@shinkeisei_info) March 28, 2019
平成4年7月まで、松戸~千葉ニュータウン中央間で新京成線と北総・公団線は相互直通運転を行っていました。写真は、北総線から来る新京成の電車とくぬぎ山で撮影した北総線の電車です。#平成振り返り pic.twitter.com/ir1nDZRvNm
3:運命を左右したのは「新鎌ヶ谷駅」の開業?
北総線が大幅に変わった出来事と言えば「1991年3月30日」。北総第Ⅱ期線開業日の事である。
この日は同時に北総線の新駅である「新鎌ヶ谷駅」が開業したのだ。
当時の新鎌ヶ谷駅周辺は一面畑が広がる場所であった。今の様子からは想像できないだろう。
後の1992年7月8日には新京成線に「新鎌ヶ谷駅」が開業。北総線とは構内乗り換えかつ連絡運輸へ切り替えるようになったため、北総線と新京成線の乗り入れ運転が終了したのである。
【平成4年①】
— 新京成電鉄【公式】 (@shinkeisei_info) March 28, 2019
広報誌「CiaO」が創刊。発行から27年で143号まで発行されました。
また、7月には新鎌ヶ谷駅が開業。緑がたくさんの写真は、今のイオンがある付近から平成7年に撮影した新鎌ヶ谷駅です。のどかな風景でした。#平成振り返り pic.twitter.com/NCdTRQmJ3E
北総線は新京成線との乗り入れ運転終了後、京成・都営・京急への乗り入れ運用に従事することとなり、2010年には京成成田スカイアクセス線として成田空港まで開通した。新京成線はしばらく何処とも乗り入れていなかったが、2006年に京成千葉線への乗り入れ運転が行われている。
一方の新鎌ヶ谷駅は1999年の東武野田線への駅新設から急激に市街化が促進され、かつて一面が畑ばかりだった新鎌ヶ谷駅周辺も商業施設の開業など、大きく様変わりしたのである。
今や新鎌ヶ谷駅は都心方面・成田空港方面・千葉中央方面・松戸方面・船橋方面・柏方面のジャンクション駅としての役割を果たしており、畑の真ん中にポツンとあった駅が一転、主要駅にまでレベルアップした。
これを考えると、新鎌ヶ谷駅の開業が北総線と新京成線の運命を大きく左右したのは言うまでも無い事がはっきりとしている。
その影響で周辺の市街化促進や主要駅発展に繋がったのではないだろうか。
もし、「新鎌ヶ谷駅」が開業していなかったら今頃どうなっていたか?
私の推測では、北総線と新京成線は今でも乗り入れが行われており、成田空港方面も出来ておらず、7500形も入っていなかった可能性があるかも知れません。
やはり新鎌ヶ谷駅の開業は大きな意味を持っていたというのは言うまでも無かったことでしょう。お互いに分断されてしまったものの、北総線と新京成線の繋がりは確固たる物であることは間違いない。
そのお陰なのか、新京成線の新車両導入に北総鉄道の印旛車両基地を使う事が多くなった。
これはN800形N818編成において千葉ニュータウン鉄道9000形の間に挟んで回送したと言うのがきっかけであり、それ以降は自走で京成高砂・京成津田沼を経由するルートでくぬぎ山車両基地まで回送されている。
(N828編成以降は新京成線と京成千葉線が乗り入れを開始していたため、北総線内で誘導無線装置が利用出来た事が大きな理由だろう。まさに乗り入れていたから出来た技とも言える。なお、80000形はN800形の間に挟んで回送された。)
4:最後に
現在、北総線と新京成線は物理的に分断されてはいるものの、北初富~初富間は2017年10月21日に下り線・2019年12月1日に上り線がそれぞれ高架化され、新鎌ヶ谷駅ではお互いに顔を合わせることが多くなった。
この高さで考えると、北総線と新京成線への連絡線を置ける様にも見えるが、今の線路配置やダイヤの関係で考えると難しいだろう。
北総Ⅱ期線開業から30周年。北総線と新京成線は線路こそ分かれてしまったものの、「連絡運輸」の形で今でも繋がっているのは間違い無い。
もし、新鎌ヶ谷駅が出来ていなかったら大きな発展は遂げなかったと思う。
両路線の今後の発展を祈念し、この記事を終わりとしたい。
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