精神障害とは何だろう?
こんにちは。akechiです。
今回から精神障害(=精神疾患)の分野について書いていきます。障害福祉ということで、内容を福祉に絡めていきます。
1.精神障害とは
皆さんも精神障害という言葉を聞いたことがあるでしょう。
しかし、何が精神障害にあたるのか、その具体的なイメージは人それぞれだと思います。
そこで、まずは、精神障害とは何かについてみていきましょう。
厚生労働省によると、精神障害とは、「何らかの脳の器質的変化あるいは機能的障害が起こり、さまざまな精神症状、身体症状、行動の変化が見られる状態」をいいます。
参考資料:2 精神障害の基礎知識とその正しい理解:気配りしてますか -上司・同僚の方へ-|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)
つまり、精神障害は「脳の病気」であり、決して単なる「気持ち」の問題ではありません。
これは大事なことなのでもう一度書きます。精神障害は「脳機能」に関する障害であり、その症状として精神症状や身体症状が出ているのです。
2.精神障害に関する法律とは
では、そんな精神障害について国はどんな福祉政策を採っているのでしょうか。精神障害に関する法律の制定過程を見ていきましょう。
(1)明治初期~大正時代
明治初期以前も精神病は存在していました。その治療法は加持祈祷によるもので、精神保健の法的規制などはありませんでした。
明治8年に日本で初めて精神病院が設置され、精神医学の基礎が作られました。
そして、明治33年、「精神病者看護法」が施行されました。親族が監護義務者として精神障害者の監護を行いました。
その後、大正8年には「精神病院法」が制定され、公的精神病院を設置することになりました。しかし、病院の建設は進みませんでした。
(2)昭和~平成初期
戦後、日本国憲法が成立したことを受け、精神障害者に適切な医療・保護の機会を提供することになりました。
そこで、昭和25年、「精神衛生法」が制定されました。
昭和39年、駐日アメリカ大使が統合失調症の少年に刺傷された事件が起きました。そこで、昭和40年、通院公費負担制度が創設され、在宅精神障害者の訪問指導や相談事業が強化されました。
昭和59年、精神科病院において人権侵害事件が起こりました。
そこで、昭和62年、精神衛生法を改正し、任意入院制度の創設や精神医療審査会の創設等を組み入れました。また、法律の名称も「精神保健法」になりました。
*精神障害者の人権に配慮した適正な医療及び保護の確保と精神障害者の社会復帰の促進を図る観点からの改正です。
(3)平成初期~現在
平成5年に「障害者基本法」が成立したことを踏まえ、精神保健法は、平成7年に「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」に改正されました。
その後、精神保健福祉法は何度も改正を重ねています。
・平成11年改正
精神障害者地域生活支援センター、ホームヘルプサービス、ショートステイなどの福祉サービスの法定化
・平成16年
国で「精神保健医療福祉の改革ビジョン」がまとめられ、入院医療中心から地域生活中心へとの基本方針が示される。
・平成17年改正
精神障害者に対する適切な地域医療等の確保を図るための改正
・平成26年改正
保護者に関する規定の削除、医療保険入院の見直し等
その後も精神保健福祉法は様々な改正を経て、現在も見直しが続けられています。
ということで、今回はここまでにします。
次回は、精神保健福祉法の内容について書きます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。