「地域包括ケアシステム」の基本的な考え方とは!
こんにちは。akechiです。
前回から、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムについて書いています。
前回の記事はこちらになります。
https://note.com/a76k88c41/n/ndd8423f15877
さて、今回は、地域包括ケアシステムの基本的な考え方について書いていきます。
一緒に学んでいきましょう!
1.今までの課題と地域包括ケアシステムの基本的な考え方
(1)今までの課題
平成29年2月、厚生労働省において、「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の報告書が出されました。そこには、新たな政策理念として、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」という言葉が出てきました。
平成29年時点での「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の内容としては、「精神障害者が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築を目指す」とされていました。
しかし、上記の内容では、地域共生社会やこれまで構築が進められている地域包括ケアシステムとの関係が不明確であるといった指摘や、精神障害に特化した別のものを構築するのではないかとの認識がされてしまうという問題点があります。
また、地域において社会的孤立や障害者等に対する社会的排除といった課題が指摘されています。
(2)基本的な考え方
令和3年の検討会では、上記の課題を踏まえて、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの基本的な考え方を整理しています。
精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、重層的な連携による支援体制を構築する。
「地域共生社会」は、制度・分野の枠や、「支える側」と「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会のつながり、ひとりひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的なコミュニティや地域社会を作るという考え方。「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は「地域共生社会」を実現するための「システム」「仕組み」である。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの考え方や実践は、地域共生社会の実現に資する各種の取り組みとの連携を図り、地域住民の複雑・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制の構築にも寄与するものであり、地域共生社会の実現に向かっていく上では欠かせないものである。
(3)今後の活動方針
地域共生社会の実現に向けては、生活困窮者自立支援制度をはじめとする各種政策や改正された社会福祉法により、属性を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する包括的な支援体制の構築が推進されることを踏まえ、これらの施策との連携を図ることが必要となります。
また、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、精神障害者や精神保健上の課題を抱えた者等や地域住民の「地域生活」を支えるものであり、住民の生活や地域づくりの視点をもって推進することが重要となります。
そのため、精神障害等を有する上記の者等の日常生活圏域を基本として、市町村などの基礎自治体を基盤として進める必要があります。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築にあたっては、同システムの構築に関する基本方針が、地域住民や地域の専門職及び関係者に共有されることが重要であり、市町村において推進する必要があります。
今回はここで終わりです。
長くなってしまいました・・・
次回は、「重層的な連携による支援体制の考え方と構築」について書いていきます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。