やさしさの再確認
おひさしぶりです。
仕事を辞めてフリーターになってから4ヶ月目。
今は調子も戻りつつあるのでタイミーで働きながら、
そして親のありがたい支援を受けながら暮らしている。
働くとは?
前職のわたしは今の私から見るに、
無駄に責任を背負いすぎて完璧主義なあまり
上手くいっても少しでもモヤっとしたところがあると
それは成功と思えず、
また周りからの評価も真に受けることができず
自己肯定感が低い故、過小評価してばかりだったと思う。
3年目の春に会社に行くのが怖くなった。
また同じミスをしたらどうしよう、
わたしのせいで業績が低迷したらどうしよう、
わたしがちゃんとやらないと、、
わたしが周りを引っ張らないと、、
自分で自分を追い込んだ結果だったので
これまでの人生や自分を丸ごと見つめ直す機会としては早めにきてくれて助かった。
うつ病の一歩手前だと言われた時は喉が窄まった。
10月からまた新しい職場で働くことは決まっている。
だからそれまでの間は1つの場所と長期雇用の契約はせず、
その日の気分で様々な仕事を体験して色んな世代の色んな性格の人たちと話がしたかった。
そしてそれを通じて自分の存在価値を高められたらと。
今のわたしに必要なことはありのままの自分を愛することだと思うから。
6月辺りから働きはじめ、
ビラ配りやレストランの配膳・接客、調理、引越しの手伝い、中には8時間ずっと生クリームをチューブに入れては絞るを繰り返すなんて作業もあった。
パターン化された日常から隔絶された生活はとても新鮮で毎日旅行へ出掛けるような感覚で家を出る。
「居てくれてとても助かったよ」
「また働きにきてね」
「今日はありがとうね」
心温まる言葉をたくさんもらってわたしの中のハートを模した自己肯定感はすくすくと大きく豊かに育っている。
そして今日は数日前に初めましてをしたところへ再び働きに行く日だった。
初日はぼろぼろで力になるどころか足手纏いになってしまい、手足は動きながらも頭では「もうここで働くのはやめよう」「本当にこんなのが来てしまってごめんなさい」などと無意識にもBADモードに突入しており、タイミー生活で初めて挫折を味わったと言っても過言ではない。
退勤したらその次の出勤はキャンセルしよう。
きっと相手様もそれを望んでるはず。
でもいただいたレビューには「またよろしくお願いします」の文字、なんだか断ることができず今日を迎えてしまった。
なんで断らなかったんだろうの気持ちよりも、
この前より成長したい・逃げたと思われたくない気持ちが強く、強敵相手に槍一本で挑む脆弱な兵士の例えが似合う面持ちで施設の扉をくぐった。
初日で顔見知りになった人に
「キャンセルしなかったんすね!」と言われ、
働いてみてスピード感が思っていたのと違うと
キャンセル者続出だったようで物珍しそうな顔で挨拶をし合った。
やはり初日と違って少し余裕が生まれたのか、視野を広く持ちながら動くことができたのと運良くそこまで忙しい時間が長くなかったこともありメンタル的には"楽"だった。
退勤時間となり、特に気持ちの波が荒れることもなく作業場を後にしようと言葉を述べようとしたときだった。
差し出された小分けにされた容器2つとクリーム大福
「こっそり持ち帰るんだよ」
と子供のような顔を浮かべ手渡してくれた賄いだった。
「2日間大変お疲れ様でした!」
「機会があればまた働きにきてね〜」
艶やかな小麦肌が特徴の大柄な顔見知りコックさんと
今日が初めましてだった優しいコックさん
もう会うことはないかもしれない、いつも思う。
だからこそそのひとときを大切にしたいし、相手も大切にしてくれる。
優しさと思いやりの交換会だとわたしは思う。
容器から覗くのは、
トマトソースのたまごサンドとポルチーニ風味のクリームパスタ
明日の朝ごはんにしようと冷蔵庫に移すべく容器に触れたとき、まだ微かに温かさが残っており、時計は21時を回っていたがこの優しさは冷めないうちに食べたかった。
よって今日は小兵勝利記念日と命名し、
満遍なく粉チーズと黒胡椒をまぶし、ペロリと平らげた。
優しさは温かいうちに。
今日の思い出は今日のうちに。
またひとつ出会いと別れをした。
さて次はどんな場所へ行こうか。