死にゆく人を見つめすぎて、生きてるわたしが見えなくなった。
人が死ぬ。
昨日も、今日も、明日も明後日も。
人が死ぬ、だれかの大切な人が死ぬ。
止まらない、止められない。
どれだけ頑張っても、人が死ぬ。
そういう毎日を、生きている。
ーーー
「死にたい」人に、たくさん出逢った。
「死んでしまった」人にも、たくさん出逢った。
ただ、羨ましかった。
「死にたい」と言えることが。
「死んでしまった」その勇気が。
わたしには、もう、ない。
「死にたい」という欲望も。
「死んでしまった」事実を作る気力も。
ないのである。
ーーー
全てが無駄に思えてくる。
働いても。
お金を貯めても。
結婚しても。
子供を産んでも。
どうせ、死ぬんだ。
あなたもわたしも、みんな死ぬんだ。
なんのために、だれのために。
わたしは、あなたは、生きている?
だれか教えて。
ーーー
死はすぐそこにある。
どれだけ振り解いても、わたしにまとわりついて離れない。
悪い気はしない。
ただ、面倒くさいだけ。
いつまで頑張ればいい?
いつまで耐え忍べばいい?
人が死ぬ、この毎日を。
そんなこと言ったって、逃げ切れやしないのに。
死に生かされる、毎日からは。
ーーー
Photographer : Anton Eiko
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