【カリスマ】中神総右衛門 #75 を観ていろいろ考えたメモ
3月5日19時。「カリスマ声優全員集合スペシャル 〜2ndシーズンについて話しちゃうよ編〜」にて彼は現れた。
中神総右衛門。
(あ、『カリスマ』がなにかわからないというかたはとりあえずめちゃめちゃカリスマを観てきてください。わからないと思います)
発表イベントのMCである大河さんが「新キャラが出ます!」とおっしゃったとき、半分くらいの凡人(『カリスマ』ファンのこと)は「ああ〜やっぱりそうなるのか〜」と不安になったことだと思う。
『カリスマ』は7人の癖強男性キャラクターによるコンテンツ。1stシーズン全74話を駆け抜けてきた面構えの違う凡人たちは彼ら7人の「完成された」構成、関係性の虜になっていた。それなのに2ndシーズンから安易に新たな「カリスマ」をぶっ込まれては、百合の間に男を挟まれた人よろしく強い不快感、コレジャナイ感を抱くだろう。
さらに凡人たちに追い打ちをかけていたのは「たぶん必ず新キャラは出る」という確信だ。まずこの作品の運営元がEVIL LINE RECORDSであること。ここはかの『ヒプノシスマイク』も運営しており、『ヒプマイ』は新章で新ディビジョンを2つも投入してきた履歴がある。次に1stシーズン最終話で知らないキャラクターが複数人出てきたこと。最後に舞台となるシェアハウス「カリスマハウス」には空き部屋が3つあること。
これらのことより凡人たちは「ほぼ確実に空き部屋に入る新カリスマが来るが、現時点では到底受け入れられそうにない」状況に立たされ戦々恐々としていた。
(そんなことは微塵も感じていなかった凡人もいると思う。あくまで周囲と自分自身の主観)
「新キャラが出ます!」
凡人たちにとってはついに来た審判のとき。
『カリスマ』のことだからどんなキャラクターが来ても2ndシーズン終了までにはがっつり愛せることだろう。公式の手腕を信頼してはいるが、果たしてどうか。どうか……
「中神総右衛門!」
いや誰だよ
令和の時代に総右衛門。そんな古風な名前は現代バースでは『もやしもん』くらいでしか見たことがない。ディビジョンよろしく3人一気に発表されるものだと踏んでいたのにまさかの一人。思っていたより年が上。
そもそもこいつ「カリスマ」じゃない。
一般人枠だ。
凡人の予想は裏切られ、不意打ちの「興味」が我々の心に立ち現れた。
博士?
そうきたか。だがカリスマたちと「国の未来」に一体なんの関係があるというんだ。確かに1stシーズン最終話でそんな話があった気がするが。
「それでは続いて、『カリスマ』2ndシーズン第1話の先行上映です! 総右衛門も出るよ!」
出るのかよ。
そう思ったのも束の間、我々凡人たちは彼がどのようなキャラクターなのかを垣間見ることになった。
※このnoteは3月5日の生配信で公開された情報と2ndシーズン第1話(生配信で先行公開、正式配信4月6日)を元に書いています。内容ネタバレを含むのでご注意ください。
※あくまでも情報源はキャラクター説明と2ndシーズン第1話のみですので、この時点での感想や考察です。的外れの可能性が大いにあります。ご了承ください。
2ndシーズン第1話での総右衛門
2ndシーズン第1話(通算第75話)『帰りたい』
カリスマハウスにやってきた博士
2ndシーズン第1話は、総右衛門が部下(?)を引き連れてカリスマハウスにカチ込むところから始まる。実際はアバンもあるが大体そんな感じで始まる。
曰く、こう。(意訳要約)
「このちっちゃい島国は資源問題に直面している」
「カリスマたちがカリスマブレイクするときに発するエネルギーは石炭・石油・原子力に匹敵する」
「というわけでお前たちを次世代のエネルギー源として連行するからよろしく」
なんて?
カリスマたちが次世代のエネルギー源?
いやいや、いくらカリスマといえど彼らは一般人だぞ。巷では逸般人だの言われているがとにかくただの人間であることは否定できない。
「石炭・石油・原子力・カリスマ」ってなんだよ。そんなSDGsがあってたまるか。
お前、いいやつ?
総右衛門、なんてやつだ! 彼らが74話かけて築き上げた関係をここでチャラにしてしまおうってことか。
と思ったら意外にも総右衛門はこう言った。
思っていたより物腰が柔らかかった。
カリスマたちが虐げられることに耐えられないタイプの凡人なので「手荒な真似はするな」でほっとした。まあ生け捕りのためかもしれないけれど。
そして注目すべきは「少し君たちの過去を調べさせてもらった」。
『カリスマ』という作品は癖の強い成人男性7人がシェアハウス生活をするだけの作品である。たったそれだけなので彼らがなぜシェアハウスしているのかや彼らの過去については一切語られてこなかった。
それをあなたは知っていると。
ズルーい! 教えて教えて!
あんなに特異な性質を持つカリスマたちの過去が順風満帆なわけないじゃない! そんなものを覗き見ておいて彼らをあくどく利用しようとするならよほどのマッドサイエンティストじゃないか。きっと優しい人なのだろうな。
ほな、あくどい人ちゃうか~
いたぞ! 凡人だ!
しかし我々は失念していた。総右衛門はあの『カリスマ』のキャラクターであるということを。ポプテピピックやダイナミックコード、ドンブラザーズとほぼ同一成分を配合した魔界さながらのコンテンツに生きる者であることを(さすがに過言か)。
第1話終盤、カリスマたちのデータを読む部下の研究員に総右衛門はこう話しかけたのである。
??????????
お主、さては凡人だな?
メタネタについては『カリスマ』の常套手段なのでいまさら大きく驚くこともない。初詣回で「この一年はたくさんお金使ってもらう予定だから貯金しとけ」と画面の向こうの凡人たちに語りかけるし、「生活資金を出資している支援者がいる」ことは公式設定だし、今回の生配信でも「この番組は視聴者の方からの熱~いご支援の提供でお送りしています!」と提供画面を出してくるし。
でもさすがに本編に「凡人ご本人」が登場することはなかった。
というかそもそも『カリスマ』のメタネタ自体が「存続資金が必要なんです支援してけろ」という目的で行われているものだとばっかり思っていたので「ちゃんとそっちの次元のストーリーとしてつながっているのかい!」とそこにびっくりした。面白いなあ……
コンテンツの存続が厳しめなのは事実なのでこれまで通りグッズも買うし感想も書くし人にも広めます。
個人の感想、考えたこと
次元を隔てない「推し」の概念
ここからは第1話を見て思ったこと。
中神総右衛門は凡人(『カリスマ』ファンの意)である。しかし我々凡人とは一線を画している。というより、物理的に次元の壁を隔てている。これは想像以上に大きな違いである。
通常、顔のいい男性たちがメインに据えられた作品というものはファンに占める夢女子の割合が高くなる傾向がある。それはそうした作品がいわゆる「乙女ゲー(系)」と見なされる傾向があるからであり、制作サイドもそれを承知で作っている。「女性向け」と銘打たれることすらある。
しかし『カリスマ』の界隈では夢女子についぞ出会ったことがない。
探せばいるとは思う。というかいるんだけど、絶対数が明らかに少ない。
なぜかといえば、凡人たちはリアルで彼らに会いたいとは全く思っていないから。むしろ距離を置きたいと思っている。
カリスマたちの生活を覗くのは楽しいが、実際に関わるのは遠慮したい。悪い人たちではないのだけれど。「あっ、こいつとは友達になっちゃだめだな」と本能で感じて縁を切るタイプのキャラクター、というよりもはや人間だからだ。
次元が違ってよかった。
しかし総右衛門は彼らと同じ次元に住んでいるにもかかわらず彼らを「推し」ている。それだけでなく、積極的にカリスマたちと関わろうとしている。
カリスマたちの過去を知れば、彼らを支援したくなるのはごもっともである。しかし作品のファンでさえ足踏みしているんだぞ。勇気のある人だな。
キムワイプで鼻かんでそう
そしてもう一つ無視できないのは「一般人に対して推しという概念を持っている」こと。
カリスマたちはいくら変人といえども一般の人間であることには変わりない。アイドルグループでもなければヒーロー集団でもない。シェアハウスメイトでしかない彼らを「推し」と呼ぶ、ともすればドン引きの行動に走る総右衛門の目にはカリスマたちはどう映っているのだろう。
待てよ。総右衛門は彼らを「シェアハウスメイト」とは認識していなかった。「この国の資源問題を解決しうる新たなエネルギー源」、そんなことを言っていた。
つまりこれは「どの人間が推し?」などという「推し」概念ではない。
「どのエネルギー源が推し?」
あら~マッドになっちゃった!
でも学生として自分にも身に覚えがあるので一概に総右衛門をマッドと言えない。歴史上の人物を並べて誰がいちばんイケメン/美女かを話し合ったり、元素や鉱物を見ながら推しを決めたりするのは確かに日常茶飯だ。
……いやいや、にしてもこれはアウトじゃないか。さすがに「このクラスの中だったら誰が推し?」までいくと気まずさが出てくるし、小中高の教室ならともかくオフィスでそんなことを言ったら眉をひそめられるだろう。
利益を追いつつ人間性を推す
しかも総右衛門は前者と後者両方の性質を併せ持つ……♡ からいけない。
つまり彼は「①カリスマたちを人間と認識していながら ②カリスマたちをエネルギー源として推している」のだ。
エネルギー源を推す、という感覚を味わうため、ここで一つお好きな「肉」について考えてみてほしい。牛肉、豚肉、鶏肉、その他もろもろの中から一つに絞り、理由も含めてあなたの意見を述べてほしい。いくヨ!
わたしの意見はこう。
「豚肉が好き。比較的安価に手に入るし調理もしやすい、個人的に油の感じが胃もたれしにくい」
みなさんの意見もまとまっただろうか。ここでわたしの挙げた理由をもとに「こうした状況で一般的に理由として挙げられるもの」を考えてみる。
① 値段→「比較的安価」
② 調理時のこと→「調理しやすい」
③ 味→「油が胃もたれしにくい」
大体の意見はこの三つから構成されているのではないか。
言い換えると、ほとんどの意見は「それを食用肉としたときの利益/損害」に裏付けられているのではないか。
しかし総右衛門的な意見はこう。
「豚肉が好き。豚は実は雑食で、ときには腐った肉も食べてしぶとく生き抜いてきた生物なんだよね。苦労してきたんだよ彼らも」
※これでいて「肉」の話をしています
つまり。
総右衛門はカリスマたちのことを「エネルギー源」として見なしているにも関わらず、彼らを推す理由はあくまでも彼らが「人間である」ことが前提であり、エネルギー的利害は考えていない。
ず、ずれてる。ずれてるよ中神総右衛門。
でもそもそも「肉」の話をするときに「値段」「調理」「味」を引き合いに出すことが「好きであることの理由」になりえるのか?
それは人間がそれを利用するにあたって「人間にとってどれだけ有利に働くか」の損得勘定であって、本当に「それそのもの」を好いている理由といえるのだろうか?
例えに例えを重ねてしまって申し訳ないのだが、最近似た意見を目にした。最高の鬱漫画と名高い『宝石の国』の話。思い悩む主人公を支えてきた仲間キャラクターが「これからは自由に生きる」と言い、主人公への態度をがらりと変えてしまうシーン。それについての感想コメントに「私はこのキャラが好きなんじゃなくて、主人公を愛してくれるこのキャラが好きだったんだね」とあった。
多少の差異はあるがこれも利益(=読み手が期待している仲間キャラのムーブ)を得ようとする「利用」ともいえる。
読み手が作品の登場人物に「ライトノベル的キャラクター類型」を求める傾向については以前noteにメモ書きながら残してあるのでそちらも。(↓)
モノをモノとして利用しようとするなら、モノ自体の性能を評価するのがセオリーだ。むしろそれ以外の観点を持ち込むのは的外れともいえる。しかしそれは道具的観点を持つ以上「モノ以外(人)であってもモノ的に扱わざるを得ない」という欠陥を孕むことも今回わかった。ありがとう総右衛門。
でもそのずれが一体なにを暗示しているのか凡人には全く読めない。助けて。作者そこまで考えてないと思う? それならいいんだけど……でもときおりフルスロットル哲学かましてくる作品ではあるからさ……怖いよ……
おわりに
これはいち凡人の殴り書きみたいなものなので内容についてはいろいろ間違いがあるかもしれない。温かい目で見守ってほしい。個人の意見だということを念頭に置いてもらいたい。
今書けるものは書き尽くしたつもりだが、今後思いついたら追記していこうと思う。
「カリスマ声優全員集合スペシャル」を視聴して、2ndシーズンも面白く(interestingの意)なりそうですね、といろいろなことを考えていた。例えば上記のようなこと。小難しいもろもろをこねくり回して。
公式「新曲『カリスマピクニック』の試聴キャンペーンやるよ!」
わたし「ようし(Spotifyで事前予約し試聴)」
わたし「ああ、2ndシーズンも面白く(funnyの意)なりそうだな」
↑君もこのリンクで予約して世紀のクレイジーミュージックを試聴しよう!
3月15日正子からフルバージョンで配信リリース!MVもあるよ!
このnoteに書いてある真面目腐った考察を助走つけてゴミ箱にダンクしたくなる待望の新曲に乞うご期待!
※わたしはこの作品が大好きです。
【3/15追記】 『カリスマピクニック』の配信とMV公開が始まりました。
ランララ ランラ ラーラー! カリスーマ!
もう君たちの心が躍りだすほうであればどこへなりとも行くがいいよ! チクショー!
※わたしはこの作品が大好きです。
『超人的シェアハウスストーリー カリスマ』2ndシーズンもよろしくお願いします!
おまけ
2ndシーズンを数話観た印象
笑いのカリスマ名倉「ほんまごめん、フルスロットル哲学」
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