R2予備試験論文が残念だった方へ
今回は,『R2予備試験論文が残念だった方へ』ということで,来年に向けて勉強される際のヒントを何か少しでも提供できればということについて紹介していこうと思います。
もちろん,「まだ気持ちの整理がついていない」といった方は,無理に読む必要はありません。私自身も,司法試験ではありますが,3回不合格経験を経ています。各回とも発表直後は落ち込んで何もできない日々が続きました。そういう状態で無理して勉強に向き合う必要はないと思います。「来年も目指そう」と思ったタイミングで見ていただければよいかと思います。それでは中身に入っていきましょう。
まずは,これまでの『ご自身の答案作成に対する姿勢』をもう一度見返してみましょう。論文式試験でうまくいっていない以上,『自身の答案作成に対する姿勢に問題がある可能性がある』からです。再現答案を作成している方は,再現答案をベースに見返すようにしてみましょう。つまり,『他の勉強方法や教材にいきなり手を出す前に現状の問題点を炙り出すことが大事』だと思います。具体的には,以下のような項目(順不同)を意識することができているか,『たまたま答案上拾えているのではなく,明確に意識して論じているという形をとれているか』という目線で見返してみましょう。
・設問で『問われていることに真正面から明確に答えている』か
・『条文・制度を指摘し,条文・制度に則って論述を展開』しているか
・『今,条文・制度上どの文言・要件を検討しているか明確』になっているか
・『当該事案との関係で条文・制度の適用を検討しようとして,問題点を発見する論述』となっているか
・『問題点について,正確な理由付けと,正確な規範基準を,明確に指摘』できているか
・『規範に沿って当てはめをする』ことができているか
・『当てはめるにあたって,問題文に記載された具体的事実を指摘』しているか
・『当てはめるにあたって,指摘した具体的事実の評価意味づけを指摘』しているか
・『要件充足性等の結論を明示』しているか
・『法的三段論法』が崩れていないか
・いわゆる『論点主義答案(知識頼りの答案)』になっていないか
・『当該問題との関係で,何を手厚く論じ,何を簡潔に論じるか』考えていたか
・『十分な分量の論述を展開』できていたか
・『事実関係を徹底的に分析検討』できていたか
・『1つ1つ論理を丁寧に展開し,なぜ?と突っ込まれない論述』を展開できたか
・『主語述語を明記』するなど,『日本語として意味のとおる文章』を作成できたか
・『時間配分』に問題なかったか
・『応用で悩みすぎて時間を使いすぎてしまった』といった点はないか
等々……
上記項目のうち,「まずい」と思ったものがそれぞれの敗因・弱点となってくるでしょうから,まずはそこについて『具体的な対策を立てて,徹底して潰していく』ようにしましょう。
次に,勉強の中心は何と言っても『過去問』ですから,『論文過去問の分析を徹底』して行っていきましょう。その際の意識として以下のような項目(順不同)を並べておきます。
・各科目ごとに全年度検討し『問題文記載の流れに定型性』はないか
・『ヒントと読める問題文の記載』はないか
・『こここそが手厚く論じるべき部分』という読み方ができないか
・『設問の問い方』の特徴はないか
・『問題文に書き込む形で答案構成』するのか
・『より効率的に問題文を読むための工夫』はないか
・『より効率的な答案構成をする工夫』はないか
等々……
上記項目のうち,「うまくいっていない」と思ったものがそれぞれの敗因・分析となってくるでしょうから,まずはそこについて『具体的な対策を立てて,徹底して潰していく』ようにしましょう。そして,ここでの『徹底して潰す』とは,対策を立てたのであれば,それを自分の手元にある論文問題集等で『実践しまくる』ということになってくるかと思います。常に,『本番の場を意識して,日頃から本番で実践するであろう手法を実践し続けて,本番で武器として十分に使いこなせる』ようにしておくようにしましょう。
『弱点・敗因は,受験生ごとにバラバラ』です。つまり,ここから先は,『みんなやってるから』は『絶対的に正しい』とは『いえません』。『受験生ごとに発見された弱点・敗因を徹底して潰していく,そこに甘えは許されない』という意識で『徹底』してがんばっていきましょう。
私自身も,指導で携わっている受験生全員がよい結果ではなかった以上,『自身のとった指導方法にまずい部分があった』のではないか,『まずい部分についてどのように対策』していくか,そして『来年目標の受験生の指導に積極的に取り込んでいく』という精神で反省していこうと思います。引き続きがんばっていきましょう。
では,今回はこのあたりで,この記事が受験生のみなさんの勉強に少しでもお役に立てればと思います!