“あつみん流”論文の勉強方法~重問をマスターするとは編~

 今回は,『“あつみん流”論文の勉強方法~重問をマスターするとは編~』について紹介いたします!それでははりきってどうぞ!!
 重要問題習得講座(重問)ユーザーの受験生の方は多いかと思いますが,その復習はうまくいっているでしょうか?「重問の復習どうやればいいですか?」という質問も多く受けますので,それに対しては『重問をマスターするまで!』と答えているところですが,その具体的イメージがなかなか伝わりづらいと感じることもしばしばです。そこでその具体的イメージについてお話していきたいと思います。
 まず,予備試験・司法試験における論文式試験と重問との関係についてざっくり紹介しておきましょう。それは,『予備試験・司法試験における論文式試験では基礎基本知識を問う問題と応用を問う問題の両者が問われるところ,どれが基礎基本知識を問う問題なのか,つまり応用を問う問題との区別ができるようになるために,重問がある』というイメージです。『重問は,予備試験・司法試験で問われる論文としての基礎基本知識を一気に総確認できるツール』ということもできるでしょう。ということは,重問を徹底して潰しておくのは,予備試験・司法試験で基礎基本知識を問う問題を発見するために必要不可欠な作業といえるでしょう。
 また,もう1点注意しておきたい意識があるというのが“あつみん流”です。それは,『重問に掲載されている基礎基本知識は,基本的な答案の書き方に沿って,わざとらしく論述を展開できるように最初から最初から最後までフレームワークを徹底しておさえてる』というものです。端的に言えば,何について何条との関係で検討するのか,当該条文には要件は何が書かれているか,当該論点はどの文言・要件との関係での問題か,どのような事実関係を前提とする論点か,規範定立はどのような理由付けのもとどのような規範基準となっているか,当てはめ方はどのような方向性で展開するのか,例えばどのような事実を指摘するのかなど,最初から最後まで全体的な流れ・所作を確実に1つ1つ潰しておく必要があると考えています。なぜなら,予備試験・司法試験は相対評価の試験であるため,単純に基礎基本であると気づいて論じるだけでは他の受験生に書き負けてしまう可能性があるため,書き負けないようにするためには丁寧な論理の展開ができるように日頃の勉強から丁寧な論理の展開の具体的なイメージを持っておく必要があると考えるためです。
 この2つの大きな視点をもとに,あとは重問を『方針が完璧になるまで徹底して繰り返すのみ』です。以前,『重問マーキング編』で紹介した問題の小問1を例に私であればどこまでおさえておくのか箇条書きで紹介すると以下の形となります。

 まず,請求内容は甲土地明渡,法的根拠は所有権に基づく返還請求権
 次に,上記請求・根拠が認められるための要件は,所有,占有(,占有権原ないこと)で,必ず所有→占有(→占有権原ないこと)の流れで検討する
 どの要件も問題なさそう
 これに対して,反論内容として明け渡さない,法的根拠は留置権
 上記反論・根拠が認められるための要件は,他人の物,占有,占有が不法行為によって始まっていない,債権,その物に関して生じた,弁済期で,その流れで検討する
 他人の物,占有,占有が不法行為によって始まっていないは問題なさそう
 債権について,その内容は損害賠償請求,法的根拠は債務不履行に基づく損害賠償請求権
 上記内容・根拠が認められるための要件は,……(省略)
 どの要件も問題なさそうだから,債権要件も問題なさそう
 しかし,当該債権について,その物に関して生じたといえるかという問題提起,当該文言についての理由付け→規範,当てはめ(債務者は〇〇,引渡請求権者は〇〇),結論として要件充足しない
 よって,留置権成立しない,上記請求認められる

 以上となりますが,ポイントは,『請求内容,法的根拠,要件検討,要件検討際などに問題提起,規範定立,当てはめ,結論という答案の書き方の基本ルールを守った流れを具体的にイメージすること』,『要件が複数ある場合にどの要件から検討するのか本番で悩みまくらないように検討順序を決めてしまっておくこと』,『規範に沿って当てはめる際の具体的な流れまでイメージしきる』といったあたりになってきます。
 この作業を『重問の全問題で実践』し続けると,本番で『何を,どう書こうかについて悩むシーンをぐっと減らすことができ』,その分『事案分析に時間を費やすことが可能となり,さらに事案に沿った丁寧な答案作成が時間内に可能になる』という状態を目指すことができるようになると思います。
 重問の復習の仕方に悩んでいる方は実践してみることをおススメいたします!
 では,今回はこのあたりで,この記事が受験生のみなさんの勉強に少しでもお役に立てればと思います!

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