#7 特有の早口にて。
人間を五角形のパラメータで表すと、大体「満遍ないキレイな五角形タイプ」と「1項目だけすごい尖ってるタイプ」のふたつに分けられると思っている。個人的には、「1項目だけすごい尖っているタイプ」の人間が好きだ。そういう友達が沢山いたら良いなと思うし、自分もそうでありたいと思う。
尖っているタイプの代表例が「オタク」である。
皆さんは「オタク」についてどう思うだろうか。「あまり縁のない世界だ」と思う人もいれば、「拙者オタクでござる」という人もいるだろう。一人称「拙者」には流石にまだ会ったことないけど。
今まで色んな「オタク」に会ってきた。そもそもオタクとは何なのか、マニアや専門家と何が違うのか等、疑問は様々あるがとりあえず「何か特定の分野に気持ち悪いくらい長けてるヤツ」を僕は「オタク」としている。
冒頭でも述べたが、僕はこの「オタク」が好きだ。何が好きって、オタクは大体やばいヤツだ。普通の人にはできないであろうことを平然とやってのける。そこに痺れる憧れる。一緒にいて飽きない。次は何をやらかしてくれるんだろうかと、ワクワクするのだ。
「オタク」であるその分野は問わない。むしろ、自分とはかけ離れた世界に精通している人の話ほど面白い。おそらくその人と出会わなければ一生知ることができなかったかもしれない情報や感情を共有してもらえる。それはいつか役に立つものになるかもしれない。直接役に立たなかったとしても、「知っている」ということはそれだけで自分の糧になる。
勿論、自分と近しい専門分野のオタクは大歓迎だ。以前「人と話をするのは苦手」と書いたが、同じ専門分野のオタクとなら朝まで語り明かせる自信がある。ちなみに、自分の専門分野は「スポーツ(特に野球)」と「ガンダム」だ。同志がいたらぜひ連絡して欲しい、一緒に飲みましょう。
とはいえ、世間一般には受け入れられないことがよくあるのもまた「オタク」の特徴だ。
やはり「オタク」は基本的に一般人とは少しかけ離れている。野球選手を打率ではなくOPSやWARで評価し、ビームライフルの音だけでガンダムのどの作品のどの機体かを聞き分けられる人間は、まあ普通に気持ち悪い。ただそれだけなら良いのだが、基本的に「オタク」が世間に受け入れられない時、それは彼らが「趣味」の範囲を勘違いしている時だ。自分たちの知識のレベルが標準装備だと思い込んでしまい、それゆえに周囲に対して適切な行動を取れなくなってしまう。「趣味」の範囲など千差万別だ。大谷翔平しか知らない人だって「野球好きです!」と本人が言えばその人の趣味だし、ガンダム好きの中にも「00ガンダムが好きです!初代ガンダムは見たことありません!」という人がいたって良いのだ。そういう柔軟性が足りてないオタクが少なくないと感じる。
ただし、オタクだけの問題かというとそうでもないと思う。「普通そんなことまで知らないでしょ気持ち悪い」とか「そんなの好きになって何になるの」とか、そういう世間一般の考えも柔軟性に欠けている。そういう意見もまた「趣味」の範囲を狭めているし、そんな世界はつまらない。誰かが「いなくなっても誰も困らない」と言っていた(ような気がする)アイドルオタクやアニメオタクだって、彼らの経済活動はアイドルやアニメーターの明日の夜ご飯に貢献している。そもそも、世間のいう「普通」は「普通」じゃない人たちの「異常」があるから成り立っているともいえる。「異常」が存在するから「普通」という概念があり、つまり「普通」が存在するのは「異常」が存在するからだ。よってオタクのような存在が、世界には必要なのだ。
結局何が言いたいかというと、お互いに多様性を認め合う寛大な心が大切だと思うんです。「この人は本当に〇〇が好きなんだな、すごいな」とか、「あまり知らないようだけどそれでも〇〇好きって言ってくれてるんだ、嬉しいな」とか。
もっとオタクが生きやすい世界になりますように。
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