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いっちょまえだったかもしれん男の場合
< 表お題 >
「剃るべきか、剃らざるべきか。それが問題だ。」という言葉を用いて、
800字以内(句読点も含む)のショートショート(詩でもエッセイでもOK🙆)を書いてみませんか?
「剃るべきか、剃らざるべきか。それが問題だ」という言葉は、冒頭でも結びでも、作中のどこで使用してもかまいません。
青ブラ文学部
こんな[お題]があったので、我が家であったこと書こうかな。ま、だいぶ前ですけどね。
さてと、早い定年となってしまったが、いっちょまえに生きた男だからね、たかが髪型のことくらいでガチャガチャ言うような小さい男になりたくない。と、散髪屋に行くのをやめた。
んで、一人風呂場でガチャガチャやりながら切ってたのだが、後ろだけがどうも上手く切れない。
どうしよう、妻に手伝ってもらおうか。
いやいや、私は単なる定年過ぎの甘えた面倒くさい夫ではない。
でも、、、。
葛藤を抱え、フツフツとした気持ちはあるけども、しょうがないから後ろだけを妻に頼んだ。
するとね、バリカンの使い方を知らない妻は、「これ、どう使うの? 知らんわ。。こう?!」
あっ!
私に答える間を与えず、妻は一気に刈り上げた。
ふわっ、海苔1枚分の毛が…、はらり…!
下から一気です。もう、さすがですよ。
知らんのにやると思います?
もう驚いて、のけ反りそうでしたけども、私はのけ反れませんでした。裸でしたし。
あはは、と笑ってやりました。いっちょまえに生きた男ですから。
「ええよ、ええよ。ま、なんとかなるよ」と妻に大きなとこ見せて風呂場のドアを閉めました。
ったく、なんでやねん!
私は何度も振り向き鏡に映し、う〜ん、、どうしょ。これはあまりに恥ずかしい。この剃られた海苔1枚分のハゲはどうにかせんとあかん。
バレんようにするため、後ろ全部を、、
剃るべきか、剃らざるべきか。それが問題だ。
うーん、う〜ん…うんと3分悩みました。
そして結局はね、隠しました…。
はい、ガチャガチャと、なんとか隣から持ってきて必死に隠したんです。全部剃るなんていう度胸がなくって…、なんかね。
やっぱり。ふぅ〜。
ほんで、終わって風呂場の扉を開けたら妻が待ってたんです。
「見せて!」って、
隠したところ「見せて!」って。
私は思わずのけ反ってやりましたよ。
裸ですよ。
900文字
山根さん、ありがとうございます。
参加してしまいました。
妻の誕生日、8月20日ですから。
関係ないですけど、たまたまです。
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