「街クジラと海クジラと」 #シロクマ文芸部
「街クジラはオキアミ食べれないんだよ」
と、さとしが言うと、、、
朝のはよから業務スーパー駐車場を占領してたでっかい体に小さい目の街クジラは、デっカい口開けてのけぞり驚いた。
「んんえーーーっ! なんんでーーー?」
あ〜んぐりし、これまたで〜っかいヒレをパタパタさせる。
「騒ぐな! 周りの人間が危険だ!」
さとしが手を広げ止める。
そして、小さい文句を言う街クジラに面と向かったさとしは優しく諭すように言った。
「君、ほんとに何も知らずに"街"がいいって言ったの? 死んだ時に、次の人生どうする? って聞かれたんだろう? 街は楽しいよ、って誰かに言われたんだね。。。オキアミって生き物はね、海にしかいないから海クジラにしか食べれない。いくら君が、好物だった、と言っても街クジラは海に潜れないんだよ。君が食べれるのは、ま、アリかな。。。アリもたくさんいるけどね。君のその大〜きな口を、細ーくしてアリ食べてるうちに君は捕まえられ、スーパーに並べられる。クジラのみんな一度はだまされてここへ来るよ。落ち込むな。いいかい、今度、次の人生どうする? って聞かれた時は、必ず「海クジラ」って言うんだよ」
それから1時間後、、、
産まれたばかりの「空クジラ」がやって来た。
「あーっ! なんでだよ」
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