【ロック名盤100】#56 Elton John - Goodbye Yellow Brick Road
今回紹介するのは、エルトン・ジョンが1973年10月にリリースした2枚組アルバム「Goodbye Yellow Brick Road」(邦題は「黄昏のレンガ路」)だ。ポップ・ロック界のスーパースター、エルトン・ジョンの最高傑作として知られており、商業的にも大成功であった。
メロディアスなピアノとボーカルが本作の魅力———というより彼の魅力のひとつだが、ソフトというには違和感を覚えるほどしっかりかっこいいロックをやっているし、ギターもそれなりの頻度で出てくる。ポップで聴きやすくて売れ線みたいな曲が多いアーティストだとか勘違いして避けるのは非常にもったいない。キラキラと輝くような音色のピアノで味付けされた上質でストレートなロックが聴けるからこそのエルトンの人気、評価の高さだと思う。もちろん美しいバラードも素晴らしいのは言うまでもないのだが。
1 Funeral for a Friend/Love Lies Bleeding
2 Candle in the Wind
3 Bennie and the Jets
4 Goodbye Yellow Brick Road
5 This Song Has No Title
6 Grey Seal
7 Jamaica Jerk-Off
8 I’ve Seen That Movie Too
9 Sweet Painted Lady
10 The Ballad of Danny Bailey (1909-34)
11 Dirty Little Girl
12 All the Girls Love Alice
13 Your Sister Can’t Twist (But She Can Rock ‘n Roll)
14 Saturday Night’s Alright for Fighting
15 Roy Rogers
16 Social Disease
17 Harmony
1曲目のやたらと長いイントロ(インスト部分)が少しプログレっぽい。ややじれったいのだけれども、そこが終われば珠玉の名曲達がたくさん詰まっている。表題曲「グッドバイ・イエロー・ブリック・ロード」は言うまでもない名曲だし、ロックンロール全開でなんならハードロック一歩前くらいの勢いを感じさせる「サタデイ・ナイツ・オールライト・フォー・ファイティング」も最高。個人的にエルトンの作曲の才能を一番感じたのは「ベニー・アンド・ザ・ジェッツ」だろうか。間奏のピアノのフレーズのエグみには思わず身震えしてしまうほどだ。それと特におお!と思ったのが「ジス・ソング・ハズ・ノー・タイトル」のサビのハーモニー。あそこが実はこのアルバムで一番盛り上がれる箇所です、なんて人も実はいるんじゃないかな?
めちゃくちゃ楽しめるキャッチーなロックでノレると思えば、美メロで泣かせに来る。全体的にとても楽しめる内容なので、時間さえあれば2枚組のボリュームは苦にならないと思う。エルトンとバンドの演奏もハイレベルだし、ミックスも非常に優れている。これは是非聴いて欲しい名盤だと思った。次回はもうひとりのピアノ・ロックの雄、ビリー・ジョエルを取り上げるつもりだ。
↓「グッドバイ・イエロー・ブリック・ロード」