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【ロック名盤100】#5 Buddy Holly & The Crickets - The “Chirping” Crickets

 今回紹介するのは、1978年2月にリリースされたバディ・ホリー&ザ・クリケッツの1stアルバム「The “Chirping” Crickets」だ。バディ・ホリーの存命中にリリースされた唯一のアルバムである。ザ・クリケッツが打ち出したギター2本、ベース、ドラムの編成は現代の基本的なロックバンド編成の基盤になっている。ロック史上で数ある重要なアーティストのなかでも特に彼らのもたらした影響は大きい。
 ちなみに、ビートルズというバンド名はクリケッツを意識して思いついたといわれている。さらにはジョン・レノンによると「ロックスターが眼鏡をかけることに対しての抵抗をバディ・ホリーが振り払ってくれた」だとか。バディ・ホリーは当時のロックンロール界におけるさまざまな面でエポックメイキングな存在だったのかもしれない。

1 Oh, Boy!
2 Not Fade Away
3 You’ve Got Love
4 Maybe Baby
5 It’s Too Late
6 Tell Me How
7 That’ll Be the Day
8 I’m Looking for Someone to Love
9 An Empty Cup (And a Broken Date)
10 Send Me Some Lovin’
11 Last Night
12 Rock Me My Baby

 「ザットル・ビー・ザ・デイ」はバディ・ホリーの代表曲として紹介されることが多く、おそらく彼のディスコグラフィのなかでは最も人気な曲であろう。このヒットは多くのティーンエイジャーの心を鷲掴みにしたはず。バディ・ホリーの自作曲でいえば「ノット・フェイド・アウェイ」も見逃せない。白人のポップともブレンドさせたロックンロール/ロカビリー。エルヴィスとの文脈でも語れそうな音楽性だけど、こちらは作曲も同時にやっているという点でまた違う先進性があるともいえる。カバーの「オー・ボーイ」なんかも溌剌としたエネルギーがあっていい。
 こうして聴いてみると、バディ・ホリーという男はシンガーソングライターとして非常に成熟していたんだなぁとつくづく思う。それだけに、あの「音楽が死んだ日」とも言われたあの事故が残念で仕方がない。あの事故がなくバディ・ホリーが生きていたらその後どんな作品を生み出していったのだろうか、と想像してしまう。
 やはり早すぎる死ではあったが、その短い期間の中でたくさんの素晴らしい曲を作った。この美しき作品の輝きをわたしたちは忘れてはいけないと思う。

↓「ザットル・ビー・ザ・デイ」

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