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【ロック名盤100】#44 David Bowie - The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars

 今回紹介するのは、デヴィッド・ボウイが1972年6月にリリースした「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」だ。長ったらしいタイトルなうえに邦題もそこまで定着せず、一般的な呼称は「ジギー・スターダスト」で落ち着いている。本作はグラムロック期のデヴィッド・ボウイの最高傑作とみなされている。
 デヴィッド・ボウイの複数あるペルソナの中でも特に有名なジギー・スターダストにフォーカスしたコンセプトアルバムである。前作「ハンキー・ドリー」などでも如何なく発揮されていたポップセンスは本作で1つの完成形に到達し、高品質のポップ・ロックに仕上がっているように感じる。だがヴェルヴェット・アンダーグラウンドやイギー・ポップに影響を受けた部分も散見されるし、アート・ロック、プロト・パンクなどの文脈でも本作を語ることができる。さすがは世紀の曲者、デヴィッド・ボウイ。

1 Five Years
2 Soul Love
3 Moonage Daydream
4 Starman
5 It Ain’t Easy
6 Lady Stardust
7 Star
8 Hang On to Yourself
9 Ziggy Stardust
10 Suffragette City
11 Rock ‘n’ Roll Suicide

 デヴィッド・ボウイがアーティストとして決定的な位置にのし上がったのは「トップ・オブ・ザ・ポップス」で披露した「スターマン」であるとされている。耳に残りやすいポップソングでありながらもどこか物悲しさも内包していて、底知れない妖力に飲み込まれる。彼のキャリア全体でも特に知られている代表曲だ。グッとくるような名リフが曲を通して繰り返される「ジギー・スターダスト」、感動を誘うオープナー「ファイヴ・イヤーズ」なども外せない。とはいえ、僕は「ハング・オン・トゥ・ユアセルフ」や「サフラジェット・シティ」などの比較的ストレートなロックンロールが1番好きかも。
 それぞれの曲は多彩といえば多彩だが、一貫してアルバム全体で感じられるのが「ボウイ節」。彼だけの個性が溢れるほどに感じ取れるから、「この曲誰のだっけ」みたいな現象がデヴィッド・ボウイでは起こらない。ポップもロックンロールもグラムロックもパンク的成分もごった煮して生まれた「デヴィッド・ボウイしか成し得ない」傑作が「ジギー・スターダスト」だというわけだ。

↓「スターマン」

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