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【ロック名盤100】#6 The Beatles - Please Please Me

 今回紹介するのは、みなさん待ちに待ったであろうビートルズの1stアルバム「Please Please Me」だ。イギリスから彗星のように現れたザ・ビートルズは1963年3月に本作をリリースし、すぐさま本国のチャートを席巻。そこからは皆さん知っての通り、世界で最も人気のある4人として老若男女を魅了していくこととなる。彼らの後に続くのが、ローリング・ストーンズやザ・フーだ。ビートルズはイギリスのロックバンドがアメリカに流入していく現象「ブリティッシュ・インヴェイジョン」をも引き起こしてみせた。
 それにしても全員20歳前後の4人組が初めて出したアルバムとは思えないほど、全てに力がこもっている。1950年代のロックンロール/ロカビリーから参照しつつも自分達のサウンドに落とし込み、デビューアルバムとして申し分ない仕上がりになっている。さらに、作曲と演奏を全て自分たちでこなすという自作自演の姿勢も当時では斬新なことだったのだ。

1 I Saw Her Standing There
2 Misery
3 Anna (Go To Him)
4 Chains
5 Boys
6 Ask Me Why
7 Please Please Me
8 Love Me Do
9 P.S. I Love You
10 Baby It’s You
11 Do You Want To Know A Secret
12 A Taste Of Honey
13 There’s A Place
14 Twist And Shout

 “One, two, three, four!”のカウントから始まる「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」で早速勢いに乗った全快のロックンロールナンバーを聴ける。ブレイクのきっかけになった「プリーズ・プリーズ・ミー」は言うまでもなく初期ビートルズの代表曲だ。初々しい彼らのデビューシングル「ラヴ・ミー・ドゥ」も必聴だろう。「アスク・ミー・ホワイ」「P.S.アイ・ラヴ・ユー」などからはレノン=マッカートニーのソングライティングの才能を感じさせる。
 そして最後のトラック「ツイスト・アンド・シャウト」で僕たちはジョン・レノンのボーカルの本気を見ることになる。丸一日録音し続け喉が限界に達していた状態で、これである。鬼気迫るシャウトに圧倒され、思わず拍手したくなるような出来だ。
 1950年代末から度重なる不運に見舞われ、風化したかに思われたロックンロール。しかし数年経ち、時計の針は新たなヒーローによって再び動き出した。このアルバムは、そのアイコニックな瞬間を余すことなくパッケージした最高の内容だと思う。

↓「プリーズ・プリーズ・ミー」

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