より良いパートナーシップのための2つの秘訣
身近にいる大切な人と、よりよいパートナーシップを築きたい。
そう思わない人はいないだろう。
そのための最短距離は何だろうか。
それは、すでに素敵なパートナーシップを達成している人から学ぶことである。
わたし探求メディア「Molecule(マレキュール)」にて、取材記事を書かせていただいている。
働く子育て世代の生き方・働き方のヒントとなるような、「わたし」主語のワクワクを大切にした記事をお届けするのがコンセプトである。
今回は、フリーランスPRパーソンである澤田知之さん(以下、サワディーさん)にお話を伺った。
サワディーさんのお話を聞いてまず私が思ったのは
このお話、結婚前に聞きたかったな
ということだった。
「聞いてたら結婚しなかった」
などということでは、もちろんない。
この20年間の悩みやモヤモヤをかなりショートカットできたのでは?という気がするのだ。
理由は、この2つが得られるからだ。
1. 変化を楽しむ視点
サワディーさんは変化を厭わない方だ。
14回にものぼる転職経験に始まり、有名作詞作曲家である岡嶋かな多さんと結婚して子どもを授かってからは、PR会社の執行役員からフリーランスという転身を遂げている。
現在は、「妻の活躍を特等席で応援したい」と、家事や育児にも主体的に取り組んでいるのだ。
そこには、世間一般の夫にありがちな「言ってくれれば手伝うよ?」という雰囲気はない。
奥様が海外に行くときには、小さな2人のお子さんの育児を一手に引き受けているほどである。
これらはサワディーさんの「変化する力」があってのことだ。
すごいなと思うのは、サワディーさんが進んで変化しているように見えることだ。むしろ変化自体を楽しんですらいるように見える。
私たちは人生のあらゆる局面で変化を経験する。
自ら望んで変化することもあるが、こと子育てや家事の分担に関しては、「変化せざるを得なかった」という文脈で語られることが多いのではないだろうか。
少なくとも、私はそうだった。
プライベートではほぼ全ての時間を自分に使えていたのに、子どもが生まれた途端に状況は一変した。
授乳やおむつ替え・夜泣きで眠れない夜。
日中も自分の食事すらままならず、「伸びてない熱々のラーメンを食べる」ことが果たせぬ夢だった。
それらの変化を楽しむだなんて、当時の私にはまるでなかった視点だ。
何しろ「どうやって乗り切るか」、しかなかったのだから。
子どもがこの世に生を受け成長していく。
それはつまり、子ども自身も、一番近くでその変化を見守る親自身も、変化し続けるということなのだろう。
だったら、変化自体をとことん楽しんでやろうじゃないの!
そう思えた者勝ちなのかもしれない。
育児の大変さも、「しゃあない」と腹をくくって楽しむ。そんな潔さがサワディーさんにはある。
実際、育児の話をしてくださっているサワディーさんは、「やらされている感」が皆無。
「こんなことがあってー」と言いながらとても楽しそうで、すでに子どもたちが大きくなってしまった私は、なんともうらやましく感じたのだった。
2. 対話への姿勢
子どもをもつことで生まれる変化。
それを楽しむのは、一人では難しいことだ。
パートナーがいる場合、相手との対話を繰り返すことで自分なりの価値観が浮き彫りになり、お互いにとっての最適解が見えてくるのではないかと思う。
サワディーさんも奥様との対話を非常に重視しておられた。
「対話」って聞こえは良いけれど、ものすごく面倒なことでもある。
必ずしも希望通りのコミュニケーションが得られるわけではないし、自分の思いや要求が伝わるとは限らない。
相手の言っていることを自分がどれくらい受け止められるかも分からない。
それならば、いっそ「言わなくても分かるよね、私たち」と以心伝心を前提に過ごしてしまったほうがラクなのだ。
私も、夫との対話を避け気味だった時期があった。
それはちょうど子育てが大変な時期だったと思う。
何しろ2人で向かい合う時間を取ることすら難しいし、少しでも暇があったら寝るか自分1人で過ごしたかった。
口を開けば相手への恨み言が出てきてしまいそうだったし、もしそこでイラッとくる一言でも言われたなら大喧嘩が勃発しかねないほど、私はストレスを溜め込んでいた。
多分、当時の私は対話を「説得」「要求」「問題解決」のような視点でのみ捉えていたのだろう。
でも、相手への興味や楽しさから始まる対話もある。
サワディーさんはこう教えてくれた。
サワディーさん夫妻にとっての「対話」は、義務ではなく、「せずにはいられないこと」なのかもしれない。
一生を共にすると決めた相手と日常的にたくさん話す。
それが楽しい、欠かせないと思える人生は、ものすごく幸せだ。
我が家も今では子どもたちがだいぶ大きくなり、夫婦で過ごすことが増えた。
少なくとも10年前よりはずっと話しているし、それを欠かせないと思える関係性になっている、と思う。
そして、子どもたちが小さい頃からこうできていたら、もっと良かったなあと思う。
「当たり前だけれど難しいこと」の価値
生きていく上で出会う変化を受け入れ、楽しむ。
自分の一番近くにいる大切な人と対話し、お互いをより深く知ろうとする。
いずれも、字面で見ると「当たり前のこと」だ。
しかし本当の意味でこれをできている人がどれくらいいるだろうか。
少なくとも、結婚する前の私は全然、ぜーんぜん分かっていなかった。
20年かけて試行錯誤し、紆余曲折経て学んできたような気がする。
それを、何歳も年下のサワディーさんはすでに軽やかに実現されている。
サワディーさんの詳しいお話はこちらから。
これから結婚する人、子どもをもちたいと思っている人だけでなく、自らのパートナーシップに課題を感じている人にもぜひ読んでほしい。