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アメリカ・ドライブ 02 街の走り方・注意点

アメリカでのドライブはとても楽しいです。活動範囲が広がる、時間を有効に使えるなどメリットがたくさんあります。今回は、車に乗ってアメリカの街を走る際の情報や注意点などをお伝えします。いくつかの特徴を理解し注意すると、アメリカでの旅行や生活の可能性が大幅に広がるでしょう。

アメリカは広大で、日本で車を運転するのとは異なる運転ルールや暗黙の常識があります。そして交通ルールも若干違います。日本の自動車免許を持ち、国際免許を携帯していればアメリカで車を運転することは可能ですが、事故を起こさないで快適なドライブをする為にいくつか知っておくべきことを記します。


車を借りて街に出ます!

右側通行

アメリカは右側通行です。日本の左側通行とは逆になります。当然運転席は車の左側になります。この位置逆転が日本人にとって一番ハードルが高いと思います。ただ、このことだけ気にしていれば他は日本より運転しやすいことが多いです。
車が多いところでは、他の車の流れについて行くのでそれほど問題はありません。ただ車が走っていない場合、交差点で逆車線に侵入する可能性があるので気をつけてください。運転を暫くすると慣れてしまいますが、気を抜くと、車のいない交差点で間違った車線に入りそうになります。この点だけは常に緊張感を持って運転すべきです。

そして日本帰国後は、左側通行に意識を戻す必要があります。帰国したからといってほっとして車を運転すると、アメリカのルールと間違え、逆走してしまう可能性がありますので気をつけましょう。

車線が多いですが、焦らず運転しましょう

車線が多い!

アメリカでは片側5車線6車線という幅の広い道があります。日本人から見ると車線移動が大変だと思うでしょう。ただ、道の分岐や合流、出口、入口などは比較的距離があるので安心してください。標識が出たらゆっくりと車線変更すればいいのです。車線変更する際は、日本のような意地悪はほぼないです。誰もが車線変更を理解していますのでウインカーさえ出せば大丈夫です。
ニューヨークやロサンゼルスなど大都市のダウンタウンでは、ちょっと状況が異なります。合流と分岐が複雑です。こういった場合は、焦ることはありません。通り過ぎたら次の出口でUターンすれば良いのです。
車線に関しては焦らず、ゆっくりと運転すれば大抵は問題ありません。

道がボコボコ

日本の道路舗装はとても素晴らしいです。どこに行っても基本的に道路はきちんと舗装され、センターラインは綺麗にひかれています。アメリカは町の財政により様々です。予算が少なかったり治安が悪い場所では、道が舗装されておらず穴だらけだったりします。ひどい場合は、この穴でタイヤがパンクしたりします。この問題はアメリカ中どこにでも存在するのが残念なことろです。これを回避するのはなかなか難しいのですが、道が荒れている時はスピードを出さず、穴を避けるように運転するしかありません。

信号待ちの時

赤信号で止まっていると、何やら人が近寄ってくることがあります。ほとんどは花やおもちゃを売りにきます。時には窓を掃除する人もいます。こういう人たちとは関わらないのが一番です。場所によりますが、無視すると窓に唾を吐きかけたり、窓を叩いたり開けようとすることもありますが、絶対に窓を開けないで無視をするのが良いでしょう。
こういう不快な経験をしたくない場合は、治安の悪い街には行かないようにすべきです。アメリカのほどんどの町ではこのようなことは起こりません。

ヤマアラシ

動物との遭遇

アメリカの90%は田舎です。ニューヨークやシカゴの摩天楼はほんの一部で、そのほかは山や丘陵地帯です。のどかな景色が続きます。当然、野生動物がたくさん住んでいて、車で走っているとワイルド・ターキーの家族、鹿、場合によっては野生の牛に遭遇したりします。こういう平和な景色はウエルカムなのですが、時には厄介な動物にも遭遇します。
スカンクは、比較的よく出会う困った動物です。20cmくらいの黒い動物で背中に白いストライプが入っています。見た目は可愛いのですが動きが鈍いです。このスカンク、道路を歩いていることがあります。もし見つけたら車を止めてスカンクが立ち去るのを待ちましょう。残念ながらスカンクを轢いてしまったら大変です。車にはとても臭い匂いがついてしまい、洗車してもこの匂いは消えることがありません。しばらく辛いことになります。
ヤマアラシも厄介です。この動物も動きが機敏ではありません。ゆっくりと道を横断しています。昼間ならたくさんの針を背負っているので見つけやすいのですが、夜間はなかなか気づきません。ヤマアラシミを轢いてしまうとハリがタイヤに突き刺さり最悪パンクしてしまいます。夜間の山道はスピードを出さず、照明が見える範囲で停車できるよう心がけましょう。
鹿と猪も注意が必要です。特に夜間に起こるのですが、急に道路に飛び出してきます。1匹だったらいいのですが、家族で飛び出すと車に当たるのは子鹿だったりウリ坊だったりします。轢いてしまうととても罪悪感を感じますので、動物を見たらすぐに止まれるようにドライブしましょう。夜間だからといってスピードを出しすぎないように運転すべきです。

治安の悪い場所

アメリカには残念ながら治安の悪い場所が存在します。道がボコボコのところ、壁に落書きがあるところ、ゴミが散乱しているところ、建物や住居の1階に檻がついている地区は、治安が悪い場所と言えます。路肩に停まっている車が古かったり事故の跡があったりする場所も危険です。このような場所に入ってしまったら、速やかにUターンしましょう。変な人に絡まれたり事件に巻き込まれる可能性が高まります。

飲酒運転について

アメリカでは州によって法律が違います。州によっては少し飲酒しても車の運転が許可されたりしますが、基本的にお酒を飲んだら車を運転すべきではありません。アメリカでも飲酒運転の取り締まりは年々厳しくなっています。日本と同様、飲んだら乗らない、という気持ちを持ってください。お酒を飲む可能性があるときはUberなどを利用しましょう。

No Turen On RED の標識

日本人が間違えやすい交通ルール

・No Turn on RED (赤信号での右折禁止)
右側通行のアメリカでは、ほとんどの交差点で赤信号でも完全に停車して安全を確認すれば右折することができます。ただ、赤信号で右折してはいけない交差点もあります。上の写真のように、信号の横に『NO TURN ON RED』(赤信号では右折禁止)という標識がある場合です。自分の前のドライバーが赤信号で右折しないからとすぐにイライラしたり、クラクションを鳴らしたりする前に、前方の信号の横に『NO TURN ON RED』の標識がないかどうか確認しましょう。
ニューヨーク・シティなど歩行者や自転車が多い場所では、ほとんどの交差点がNo Turen On REDです。場所によっては時間で変わることもありますので、このサインには気をつけてください。

・道路にひかれているラインについて
Solid white lines
(白色の実線)
道路の端にある白色の実線は、双方向道路の両端、一方通行道路の右端、自転車レーンを他の交通と分けるために書かれています。
車線の間に白色の実線がある場合は、特別な状況がない限り、他の車線に入らないようにします。
Dashed white lines(白色の破線):車線の間の白色の破線は、安全であれば車線変更ができるという意味です。
Solid yellow lines(黄色の実線):双方向道路の中央にある黄色の実線は、センターラインです。二重の黄色い実線であれば追い越し禁止を意味します。自分の側が破線であれば、安全を確認した上で、対向車線に出て追い越すことが可能です。

車線の例 真ん中の車線は左折用に使います。

・Turning Lane (左折専用線)
広い道路では、左折専用車線(turning lane)という車線が道の真ん中にあります。黄色の実線と破線の囲まれた中央分離帯のような車線に入り、対向車線の車がなければ左折できます。ただし、この車線は対向車線から左折する車も入ってくるので、うまく対応する必要があります。この真ん中にあるレーンは、日本人には戸惑いがちです。ただ、左に曲がる(主に道路沿いの店舗やガソリンスタンドに入る際)際には、とても合理的で便利です。

「譲れ」という標識

・Yield (譲れ)
日本では見かけない交通標識の一つです。アメリカではよく見かけます。このサインがあるときは、他の車を優先にして自分は邪魔にならないよう相手に譲るようにしましょう。強引に自車を進めてはいけません。

車線が減ります

・Merge  (合流する)
このサインが出てきたら、この先で複数車線が減り合流することを意味します。「MERGE LEFT」と書いてあったら「左に合流しろ」という意味になります。

・踏切での対応
アメリカでは踏切で一時停止する必要はありません。踏切が見えてきてもそのまま徐行して走り抜けてください。


アメリカのスクールバス

・スクールバス
スクールバスが停車してランプが灯っているときは、対向車線を走っていても一時停止です。スクールバスが停車中は、全ての車がストップする必要があります。これはバスから降りてきた子供が事故に遭わないようにする交通ルールです。必ず守りましょう。

乗車人数により使えるレーン

・Carpool
1台の車に複数人が乗り合っている状態のみ走ることが許される車線です。アメリカは1人一台で車を利用する人が多く、これが渋滞の原因となっています。複数人で乗り合っている場合は、優先レーンが用意されているというわけです。
上記のサインがある場合は、1台に2名以上が乗っていればこのレーンを通ることができるという意味です。このレーンを1名乗車で走ると警察に捕まります。

まとめ

ここまで記してきたように、アメリカでは日本と異なる事情やルールが存在します。ただ、これらを理解しておけば、日本より安全で快適なドライブが可能となります。

アメリカドライブをお勧めする理由は道路設計にあります。アメリカの道路設計はどんなドライバーでも車を運転できるよう、余裕をもって作られています。日本のように道幅が狭かったり、路肩がなかったりするような道はほとんどありません。そして駐車場も広く停めやすいです。道路案内は次回詳しく説明しますが、とてもわかりやすいです。様々な民族、言語を持つ人々が、迷わず車を運転できるように作られたアメリカの交通システムがあるので、日本より運転しやすいことは間違いないです。

あとは、上記の注意点を忘れず、そして治安の悪い地域にはいかなければ問題ないと思います。ただ、どんなに良くできたシステムでも交通事故のリスクは0%にはなりません。常に注意を払って運転するのは、世界どこでも同じです。





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