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(生)林檎博'24 景気の回復 レポート

静岡、埼玉(21)、福岡千秋楽に馳せ参じましたのでそのセトリと感想文です。

1. 鶏と蛇と豚

お坊さんが原曲通りのお経を唱えてピラミッドを生成。公演のメインビジュアルにもある三角形(ピラミッド)、あれは宇宙船なのかな?きっとなにかモチーフがあるのだと思いますが…。
ピラミッドから覗いたお寺は永平寺か深大寺か(仏だけ徒歩より)
曲終わり、天井裏からゴンドラで赤いマントにカーリーなブロンドヘアの林檎ちゃんが登場。OP映像と同じお姿でしたね。
「地球の皆様こんにちは!」と仰るからには、たぶん宇宙から来たんだろうな。

2. 宇宙の記憶

坂本真綾さんへ提供した曲のセルフカバー。
宇宙人林檎と曲名をかけているのはもちろんですが「太古から今も続く人間の営み」を描いた歌詞なので、その営みを失ったものとして描いた今回のED曲と対比になっているのかなと思いました。後で。

3. 永遠の不在証明

コナン映画緋色の弾丸の主題歌。資生堂の口紅が画面を埋め尽くしているのを見て「緋色の弾丸って口紅ってこと!?」というアハ体験。なるほど!!と声が出ました。映画未履修につき実際のところは存じ上げないですが…

4. 静かなる逆襲

マントを脱いでピンクのドレスへ。
酸いも甘いも知ったつもりで都会で愛とか恋とか楽しむみたいな曲です。StarbucksとTSUTAYA。渋谷スクランブル交差点を思い出します。宇宙人、東京に降り立つというところ?
後ノリっていうんでしょうか、伴奏に対してお歌タメまくりでジャジーな歌唱でした。回を追うごとにタメが大きくなったような。天晴れよ東京~

5. 秘密

高校時代、お昼の校内放送でこのイントロのドラムが流れた瞬間「東京事変!」と叫んで周りを引かせたことがあります。15年ぐらい前ってこと?ちょっと古めの曲なのでセトリに入ってて嬉しいやつでした。
大人の恋とか秘密の関係とかそういう感じの、女性が相手を寝床に招き入れる歌です。セトリの流れで言うと、静かなる逆襲で出会った相手と関係を深めたシーンっぽい。

6. 浴室

ドレスを脱いでかなり薄着の寝間着スタイルへ。
これは椎名林檎2枚目のアルバムの曲で本当に古い曲なのですが今でも全然一軍で聞いてる曲なので飛び上がって喜びました。私が初めて行った公演が2008年の林檎博で、そのときにもやっていた林檎を包丁で叩き切る姿が見れて大興奮。当時は舞台にキッチンがあって、林檎切ったあとは髪も切ってましたね。めちゃ好きな演出でした。
昔「この曲はセックスを模していてエロい」という与太話があったんですが、林檎ご本人が「本当に洗って切って食べるぐらい愛してほしいという歌でセックスを模したわけじゃない」みたいな反論をしていたのを覚えています。恋人に対して包丁片手に愛を求める姿はメンヘラ的だけど、まあ女子ってそういうところあるし。
途中、床のお布団(後述)に頭から潜り込んでもぞもぞしていてドキドキしました。sensitive

7. 命の帳

床の布団に倒れ込み、枕を抱いて蹲ったまま歌う演出。静岡と埼玉はモニター越しだったのでシリアスな気持ちで拝見したのですが、福岡では前曲冒頭でスタッフさんがお布団敷きに来ているのが見えてしまい、微笑ましくてニコニコしちゃいました。
素肌に触れるなら私があなたにとって宇宙一じゃなきゃやだ!という曲。

8. TOKYO

寝間着に上着を重ねて起き上がっての歌唱。
私なんぞはこのまま全部を失って誰にも愛されないまま1人で死んでゆくんだという絶望を飲み込んでTOKYO。メンタルが終わっているけど元気になりたくもないときのBGMとして最良の曲ですよね。
セトリ的には静かなる逆襲から続いた恋愛が終了したようなシナリオ。

9. さらば純情

泡と水草の映像の中で。上手くいかない関係に絶望して入水的な?
どなたかがXで呟いていてなるほどと思いましたが、「泡」が印象的な公演でしたね。好景気=バブル=泡… え?弾けちゃうってことですか?困る。
この曲は「真っ当に生きていたら報われるって信じてたのにな」という歌詞。静岡と埼玉では映像を見て感じ入っていましたが、千秋楽では大きな貝殻が現れるのをしかと目撃しました。貝殻開けるの手動で草🌱

10. おとなの掟

貝の中から貝殻ビキニに冠付きの人魚姫が出てきて、脇腹捻って半身起きた状態で歌唱。寝ながら歌ってる時も思ったけれど、歌いづらく無いのかな?
この曲はドラマ「カルテット」主題歌で、不倫とか浮気とか禁断の愛的なちょっと不穏な曲。誠実に生きてきたつもりの女の子が裏切られて病んで沈み切って、白黒付けるのは難しいって知ってまた一つ大人になる、みたいな流れでしょうか。

幕間. 若旦那 (次男)

林檎博恒例の、黒猫堂の若旦那・若女将ナレーションシリーズ。子供が健やかに育って云々みたいな事象に弱い。
はじめての林檎博ではたどたどしかった長男くんが、前回「不惑の余裕」でもう18歳。今回「景気の回復」では更に下の次男くんが…ウウ…大きくなって…(会ったことも無いのに親戚のおばちゃんみたくなってしまう)
今回のナレーションはレベッカの「MOON」という曲が「ありきたりな女」の元ネタであることを教えてくれます。長女ちゃん妊娠中の頃の曲とのことです。今回のセトリは椎名林檎ご本人のストーリーなのかな?
あとなんか、ナレーション中林檎ちゃんが貝殻の上でもぞもぞしていた。何をされていたのかどうしても見えず。何か読んでるような泣いてるようなそんな動きでしたが。

11. MOON(REBECCA cover)

今回の公演はここからの流れが特に好きでした。
MOONは娘から見た母の歌で、いつも静かに後ろから見ている月を母親になぞらえて、あなたは何でも知っていると歌います。娘は愛を求めて家を飛び出すけど、母は「壊してしまうのは一瞬でできるから大切に生きて」と泣く、という話。

12. ありきたりな女

MOONの二次創作曲として作られたらしいこちらは母親から見た娘の歌。子供の頃は周りに守られていたから気の向くままなんでも繊細に感じ取ることができたけど、母になって守るものができたらそういう感性は失われてただの女になってしまった、という歌詞で、静岡で見た時は号泣でした。
母親が自分を犠牲にしてまで育んだ娘の感受性や身体を、娘は(MOONの歌詞のように)簡単に投げ捨ててしまうけれど、どうか大事にしてほしいという母の願い…泣ける…

13:生者の行進

AIさんとのコラボ曲。これも親子の歌だけどもっとパワフル。MOONとありきたりな女が「月」ならこちらは太陽のような。愛しい我が子よ健やかに育て!!みたいな。
24日の埼玉ではAIさんご本人も登場されたようです。見たかったーーー
ここでの女史は尋常じゃない食い込みの豹柄レオタード?をお召しになっておりました。

14.ジプシー (あっぱ cover)

レオタードの上からジャケットとパンツスタイルにお着替えして、スーツケース持ってみんなでダンス!
生きよ!人間!!みたいな曲です。カバーなのですが、原曲もサブスクでは聴けないので予習が難しい曲です。CD買えるんだろうか…?カバー版は歌詞がだいぶ違うようなのでカバーも何かに収録してほしい!!この公演ではじめて拝聴しましたがめちゃめちゃ好きな曲でした。
踊り狂う林檎ちゃんとSISのお二人は勿論ですが、カバー元の138さんもキラキラしててよかったですね。

15. 人間として

ダンス後だからか息が上がっておられました。大切な人同士、世界中みんなで手を繋ごうみたいな世界平和を願うような曲です。事変曲「緑酒」と同じような、次世代のためにも誠実で真っ当な世界を作らなきゃというスタンスを感じます。MVがエドガー・ドガのバレエの絵みたいで好きです。人間としての業〜〜と拳を上げて地下に吸い込まれていきました。

16. 望遠鏡の外の景色

オーケストラ紹介。ここは毎度よかったですねーーー演奏家のみなさんがかっこいいこと…。
スクリーンには事前撮影されたかっけー映像に添えて演奏中のLIVEカメラが表示されるんですけど、ダンサーSISのお二人は演奏されないので、毎度ご当地アピールをされていて可愛らしかったですね。福岡では「千秋楽」と書かれた半紙を掲げながらティッシュで涙を拭いておられました。kawaii
754さんの歪みすぎて何やってるのかよくわからない爆イケギターに痺れていたら106さんが歪みすぎベースを重ねてきて笑ってしまったり、毎度超絶技巧を披露しては大拍手が発生するハープの方がクリスマスソング(だと思ったのですが旦那は正月ソングだと言っていました。どっちだったんだろう)を奏でてくださったり、何度聞いても聞き逃せないシーンでした。ネコさんが手旗で指揮しているのも素敵でしたね。138さんはカッコ良すぎて歓声がアイドルみたいだった。

17. 茫然も自失

望遠鏡の外の景色の最後に続きスペイン語歌詞。「ちりぬるを」MVと同じ黒髪ボブ喪服姿。日本語じゃないのではっきり理解はできていないのですが、失うこととか後悔とかそういう歌詞の曲です。
物販でも出ていた陰陽和傘を携えておられました。

18. ちりぬるを

オソロの喪服でイッキュウご登場。亡くなった方を悼む曲です。ジェニーハイが好きなので静岡/埼玉では無邪気に登場を喜んでいたのですが、福岡公演の直前に家の鳥(ツユ)が亡くなりまして、千秋楽は歌詞の一つ一つに感じ入ってしまって涙がどうにもなりませんでした。
数日前にお葬式なんかもあったので公演に来ること自体悩んでいたのですが、この曲の林檎ちゃんに追悼してもらう気持ちでやってきた次第でした。聴けてよかった。

19. ドラ1独走

暗転、サイレンの音(霊柩車のクラクションと野球場のサイレンをかけてるのかな?)と一緒に再登場。
福岡では新しい学校のリーダーズ4人全員揃っての登場でした。え!?なんかいっぱいいる!?全員きた!?!?ギャーーー!!!というotkの悲鳴がすごかった。私もびっくりして涙がひっこんだ。
才能溢れる若者(例:SUZUKA)と負けていられないベテラン(例:🍎)をモチーフにした曲。林檎ちゃんがインタビューで「新しい学校のリーダーズは長男と同じぐらいの年齢なのに活躍していて凄い」みたいなことを言っていたので、セトリ的には 親子の愛 → 子世代へのバトンタッチ という流れなのかなと聴いておりました。若い子が頑張ってるとそれだけで泣けてくる気持ちがわかりつつあります。歳を重ねたらよりそう思うんだろうな…。

20. タッチ(岩崎良美 cover)

センター、変わりまして、DAOKO。背番号34は誕生日だとか。
タッチは盛り上がりがすごかった。林檎を知らぬ付き添いの民でもさすがにみんな知ってる。
2番で登場、背番号51番(スーパースターことイチロー)の林檎姐さん。キャピキャピDAOKOとの対比なのか、演歌かってぐらい太い声。笑っていいんだよな?かっこよかったです。
福岡での席はスタンドだったのでよく見えたのですが、甲子園ブラスバンド風337拍子のアリーナの手旗が美しすぎて。ライブでしかやってない楽曲・アレンジで予習できないのに!さすがのotk共。かっ飛ばせー RI・N・GO🍎

21. 青春の瞬き

甲子園(?)も終わり、若者の美しい青春時代を惜しんで「時よ止まれ」と歌う曲。新しい学校のリーダーズとDAOKOが「若者」枠なのかな。画面には大迫力の雨と雷。衣装替えへ。

22. 自由へ道連れ

イッキュウ再登場。この曲はステージ上から旗振りをご教示いただけるので安心して旗を上げられます。
(テンション上がるとめちゃ旗上げちゃうんだけど、どのぐらいの高さなら後ろの方のお邪魔にならないのかなといつも思っています。でも胸の前で振るだけじゃステージから見えないし、どの曲も楽しんでいることを伝えたいよ)
2番はギンギラ衣装の林檎ちゃんへバトンタッチ。
いつ聴いても拡声器かっこいいよな〜〜〜ずっと変わらずやってほしい

23. 余裕の凱旋

DAOKO再登場。わっしょい!
DAOKO曰く「クリエイターへの応援歌」ということで、私も一端のクリエイターとして一言一句を噛み締めています。背負った案件どれも壊れ物。好きでしてんじゃん。wifiのパスワードはy_y_world。ここの2人は無限にkawaiiでしたね、片方が800歳の妖怪だとて。

24. ほぼ水の泡

チャランポランタンもも登場。ミュージカルやってる?ってぐらい歌詞まんまの表情&掛け合いでめちゃ楽しかった〜〜〜🍺売り子に扮したSISの2人から受け取ったビールで乾杯して一気飲みして缶を投げ捨てるシーン、何回見ても爽快で笑ってしまいます。余裕の凱旋で納品を終えたクリエイターたちの打ち上げって感じですよね。天井からお札(偽)が大量に降ってきてバブリーな演目でした。

25. 私は猫の目

アンコール前のラス曲。「歌いたいから歌います。私は猫の目!」というももの掛け声から始まり、イッキュウとDAOKOも再登場。曲のアレンジが古の歌謡曲みたいでより一層バブリー。謎ダンスも覚えてしまいました。
ここの衣装だった放生会ジャケ風のスカジャン、悩みに悩んで買いました。だってこんな派手なのいつ着れる?5万円もするのに。タンスの肥やしにならないといいけど、でも着るのも勿体無いよね、届くの来年夏だけどさ…(楽しみにしています)

最後、イッキュウの「あれは!景気回復ビームだ~!!!」という叫びとともにお猫様からレーザーが飛んできましたので、お寺のお線香の煙を浴びるみたいに全身で浴びました。これで3回浴びたので来年の景気には期待できるはず。

アンコール1. 正しい街

ここでのっち来たらアツすぎるな…と思っていたら床から2人せり上がってきたのでのっちかと思って飛び上がりました。
流れてきたのは正しい街のイントロのドラム、ギターを構えた林檎姐さん、マイク前で仁王立ちのSUZUKA。尋常じゃない絶叫。

正しい街は千秋楽のみの演目だったんですけどこれは本当にエモい出来事で、正しい街というのは椎名林檎が福岡から上京した時の歌で、色んなものを捨てて都会に飛び出してきたけど捨てた街や人が言っていたことの方が正しかったなみたいな歌詞なんですよね。(MOONみたいだ。)でも引き返さずに続けて大人になってこの街(博多)に凱旋したのが今回。そこで当時の林檎ちゃんと同い年ぐらいのSUZUKAにこの曲を歌わせるという…世代交代っていうか子世代への期待みたいなさあ…衣装も🍎側で用意したのじゃなくて、新しい学校のリーダーズとしての勝負服(セーラー服)で…
曲終わりに走って袖に戻っていったSUZUKAが涙を拭っているように見えてなんか胸がいっぱいになっちゃった…エモ

アンコール2. 初KO勝ち

perfumeのっちとのコラボ曲。千秋楽以外のアンコールはここからでしたね。のっちは今回通して不参加だったのかな?
歌詞の「当方右振った左でしたグーフィスタンス」というの、手旗や衣装や生き様なんかで「保守派」みたいに見られがちだけど実際は次世代のために世界をより良く変えていこうと歌っている林檎ちゃんのスタンスを表明しているのかなと思っておりました。政治的すぎるか?でも右左ってそういうことだよな多分。私も同調しております。

アンコール3. ちちんぷいぷい

近年お馴染みの「RINGO!」コール曲。歌詞の解釈が難しかったんですが、テレビでご本人が解説してくださっていて大変に助かりました。自己紹介しながら曲の進行を解説している歌詞だそうです。冒頭の「確かになんでも持ってるこの世はおよそ私のもの」なんて、景気良くなきゃ歌えないね。私もお金稼いで立派になって胸張ってGUCCIなどを身に纏いたい。SHAZAM🍎

ED. 2○45

歌の余韻も消えぬ間にED映像へ。
再登場したお坊さんが時を進めると世界は滅びていて…という内容。廃墟になったお寺、野球場、貝殻、ほんのり光るピラミッド(宇宙船?)…
歌詞は「太古の昔、人間は肌を合わせるという無意味な行為に勤しんでいたらしい」みたいな、未来から今を俯瞰して語る内容。
OP映像でも出てきたマルジェラ的お人形フェイスの林檎ちゃんが映るものの、画面を引くとなんとその体はアンドロイドで、歌っている最中に頭が落ちてしまうという衝撃映像。え?おしまいってこと?とOTKが不安がっているところでまた時が戻り、お坊さんが景気回復ビームを打って終了。
あーよかった。景気回復するからこの未来は来ません!!

おしまい

前半ちょっと重めでしたが、後半はお祭り騒ぎでまさに「景気の回復」。だって一回落ちないと回復できないし。
古のOTKとしては往年の名曲ももっとたくさん聴きたかったけど、どの曲が一番好き?とか言われてもシーンごとに最適なBGMがあるから答えられないし、そういう意味ではシナリオに最適なセトリだったのではないかと思います。
次が楽しみ!ほんと!2○45年まで通うのでよろしくお願いします。

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