個展の記録①-2021年「よるのわたりに」-
今回は2021年8月7日(土)~8月27日(金)に西千葉の企画画廊くじらのほねさんにて開催していただいた個展について書いていこうと思います。
当時の記録を見ると、こんなことを書いていました。
個展タイトルの「よるのわたりに」は、渡り鳥が季節の変わり目に長距離を移動する「鳥の渡り」に掛けたタイトルです。
さまざまな理由を抱えて長い距離を飛ぶ鳥たちと、長い夜の時間を過ごすわたしたち人間は似ている気がします。
たのしい夜も、かなしい夜も、なんにもない夜も、空が明るくなるまでの繋ぎの時間です。
ただじっと待っていることだって、夜を渡る術のひとつかもしれません。
そんな思いを込めて、つけました。
絵はなにも話しかけてはきません。ただ待っています。
長い夜の間、ただ一緒にいてくれます。
それだけといえばそれだけです。
空が明るくなるまでの、繋ぎの時間を一緒に過ごすための絵です。
学生時代からテーマにしていた「夜」の絵について、ようやく言葉にまとめられたなと思ったのがこの個展に向けての文章を綴っていたときでした。
タイトルの「よるのわたりに」は、下の絵を描きあげたときに自然と出てきた造語でした。
人物が鳥が飛ぶように踊って、夜の時間を渡っていく。そんな絵です。
人の絵を見るときに、わたしは「おしゃべりな絵」と、「静かな絵」があるなと思っています。
わたしの絵はたぶん、あんまりおしゃべりじゃない。けど、そばにいて一緒に生きてくれる絵を描きたいなあと思っています。
学生のころあまり馴染まなかった油絵を改めて描き始めたのも、この個展がきっかけでした。
向き合う機会をいただけて、よかったなと思います。
テーマも画材もまだまだこの先、自分がなにを選んでいくかはわかりませんが、生きている間はなにかしら絵を描いていると思いますので、また見ていただける機会が得られるようがんばりたいと思います。
ひろせの油彩最新作は2/11(日)からはじまる二人展「だいじなもの」で展示いたします。
こちらの二人展については前回の記事にも書きましたので、よければそちらも見てみてください。
次回は2023年に開催していただいた2回目の個展について書けたらなと思っています。
ご興味ありましたらまた覗いてみてください。