念装戦記ストライカーズ・ハイ
鋼鐵と鋼鐵が激突し、閃光が散った。光が失せるまでに、もう一撃!500㎏級最強の念動鎧装使いは瞬く間に重厚長大ナックルを十度振り抜く!挑戦者は浮遊する四本腕と二本の尾で見事に受け流した!
「潰せ!セイントボックス!」「流鏡 夢の王座へ」横断幕が余波で裂ける。地上から戦士を見上げる観客は気にしない。
火花、火花!王の拳は純粋なパワーとスピードがウリだ。一方、特殊鎧装の挑戦者は精密なサイココントロールで未だ致命被弾なし!王者のラッシュを捌き、崩し、ついに――
「ごちそうさん」
「まいどどーも!」
中継の歓声を背に店を出る。バイト少女のテレキネシスが『麺屋伊勢庵』と大書された引き戸を開けてくれた。音もなく丁寧。
昂ぶりが治まらない。公園でトレーニングだ。そう思ったのだが、先客。
「兄さん、一丁どうだい」
「グローブ戦でよければ」
腰ケースから解放された相棒の手甲鎧装が浮き上がり、淡く鈍色に光る。
念動鎧装――想着!
【第n話「ある夜の御代貫志」終わり→第1話「結成!窓ヶ原高校念装部!」】
いいなと思ったら応援しよう!
Twitterとかマシュマロ(https://marshmallow-qa.com/A01takanash1)とかで感想頂けるだけでも嬉しいです。
サポートいただけるともっと・とってもうれしいです。