【逆噴射高梨蒼】逆噴射小説大賞を振り返り、おれはおれを知る
おれだ。高梨蒼だ。
おまえは逆噴射小説大賞という熱い熱いMEXICOをサヴァイヴし、息て11月を迎えた。銃撃戦で危機にさらされ、きけんなパルプ成分弾丸で頬を切り、額に穴をあけたおまえは、死んで生き返ったのだ。マサルやリーゼは「自分は一度死んだのだから怯えるのはおかしいことだ」と笑ってのけたが、おまえも…少なくともパルプの荒野では…すでに何度も死んだ。あとは笑って前に進め。
おれはパルピックさのかけらもないビズの泥濘に死にそうだ。が、中途半端なライナーノーツだけを残して逃げ出すのはこしぬけのすることだ。なによりおれはもう二作品を置いて幕を引くことはできない。死にかけでも意地くらいはある。
1~7本目まではこちら
8本目:恐怖!!吸血パンダが夜空に舞う!!!
おれが応援している声優は普段サインにパンダを描く。カワイイ。そして彼女は吸血鬼アニメのイベントの際に「吸血鬼のパンダ」を描いた。カワイイ。そしておれは彼女を推してるのを抜きにしてインスピレイシヨンを受けたので『吸血パンダ』を書いたわけだ。
モンスターパニック系を書いてみたい、がゴア描写は苦手。そういう自分の欲と適性の間を取った結果がこれだ。気分的には楽で楽しかったが、インパクトの面ではパニックというよりしっとりしたホラーの導入めいていたと顧みる。中途半端はよくない。書くなら突っ走らなければいけない――ギャングの銃弾よりも早く、そして速くだ。
世の中ではキメラ・クリーチャーといえば”鮫”がメインに据えられ、もはや定番だがこれからはパンダが来る。中国というMEXICOはイギリスやイタリアのような静養魔術、アフリカやロシア、MEXICOのような土着呪詛とも違う東洋魔術がおまえを惑わせる。サメ混沌性は海の雄大さと神秘に担保されており――それは深海に顕著だ――同質のMISTERYは中国の奥にもある。そういったことに気付かされた。
余談だが、ヘッダー画像はフリー素材を適当に色調いじりした。芝生が燃え盛る血のごとき赤になり、おれは存外満足した。おまえも画像編集ソフトの一つくらいは入れておけ。
9本目:全知は全能とイコールではない。日常と超常のブレンド。
とりあえずこれを聞きながら読め。
アカシックレコード。全宇宙の出来事が記録されているというアレがもし実在したらどうなるか。おまえはどう思う?おれは、あくまで特権階級だけに封印されると思った。しかし一方で人の口に戸は立てられぬ――バンデラスの間に伝わることわざにもあるように、一般市民にも存在認知はされるはずだ。だからこの匙加減だ。
アカシックレコードを巡る初期構想では、「個人のアカシックレコード」、つまり少年がおのれのルーツを辿る銀河鉄道の夜を夢想していた。これは上に張った「アカシックレコード」を基にしている。
しかしこれはパルピズムというより純文学で、さらに言えば舞台演劇向きなので今回は書かなかった。日和ったといえばそれまでだが、繊細に扱いたい題材なのだ。これはこしぬけではなく、抜くべきGUN、あるいは研ぐべきKNIFEを選んだということだ。題材選びは大事であり、同じくらいテーマ選びと戦場選びは大切なのだ。
「アカシックレコードの日常化」という意味でのスタートは『アカシックレコード課の日常』だった。アカシックレコード開示申請を受ける窓口部署の話をイメージしていた。街中での痴話喧嘩を聞いて「はぁ、彼女も可哀そうにな。申請に来ても私的すぎて通してあげられないけれど」みたいな話をしようとしていた。だが大人の街中痴話げんかよりさらにアカシックレコードを『軽く』しようとした結果『アカる』という流行語が生まれ――言うまでもなくググるをベースにしている――女子高生に年齢層が下がり、女子高生の話題に親身になるのは喫茶店のMasterだ、と連鎖していった。あと合言葉は真の男の符合なので、勿論使った。アイディアの連鎖ほど気持ちのいい物はなく、これを味わってはこしぬけではいられない。
さて、この「アカシック・カフェ」だが想像以上に反響をいただいた。
ピックアッポしてもらったりもした。
沢山の人に褒められるのは実際嬉しく、「無限に駆ける題材」と逆噴射パルプスリンガーにお墨付きも頂いたこともあり、アカシック・カフェは連載化の可能性が最も高い世界のひとつだ。並列候補は鳥宮恵里だ。もし連載したらその時はよろしく頼む。おまえのシェアと感想がおれを救う。
なお、作品を通して考えた「過去」や「未来」について、あるいはそれ以外についての構想や考察は連載の中で語ることになるので、ここでは触れない。もし作品外で語る時があれば、それはおれがマネタイズや出版、アニメ化に成功した時のインタビューだと思う。
「アカシックレコード」に限らず名曲揃いなので、聴き、コンクリートメクスコをサヴァイヴせよ。
総括
閲覧数
1.念装戦記ストライカーズ・ハイ
2.デッド・オア・ライブ!! ~アイドル狂騒協奏曲~
3.ジニィ・イン・サイバーランド
4.俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~
5.鳥宮恵里は俺の”何”?
6.アカシック・カフェ ―全知と珈琲の番人―
7.ヴァンパンダ ―吸血大熊猫奇譚―
8.Silver Snow & Black Blade
9.街角フロートマーダー
単純に「後の方が観てもらえる」というわけではないらしい。
念装戦記とデッド・オア・ライブ!!はツイート言及が多く、ジニィはまだそこまで銃撃が多すぎず、それでいてバンデラスが集まり始めたちょうどいいタイミングだったからだろうか?前提として中身が大切だが、銃撃戦の外の情報戦も大切ということだろう。
無限土俵は逆噴射相撲マガジン収録なのが大きい。
アカシック・カフェとヴァンパンダは1~7本目のライナーノーツのあとに書いたため、読者動線が作れなかったのが痛い。
フロートマーダーは掴みが弱いことは前のノーツで触れた通り。SSBBもその類と言うことだろうか……。
スキ
1.デッド・オア・ライブ!! ~アイドル狂騒協奏曲~
1.俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~
1.鳥宮恵里は俺の”何”?
4.アカシック・カフェ ―全知と珈琲の番人―
5.念装戦記ストライカーズ・ハイ
6.ヴァンパンダ ―吸血大熊猫奇譚―
7.ジニィ・イン・サイバーランド
7.Silver Snow & Black Blade
9.街角フロートマーダー
閲覧数を「掴み」とするならスキは「中身」だ。全体の傾向として見ると、暴力色や恐怖色が上がれば上がるほど中身としての完成度が鈍っていること。これはパルプスリンガーたちの目が肥えているということもあるが、おれの筆に暴力は相性が悪いということでもある。ゴアは苦手だ。あまり苦手意識をもってもいけないが、それを直視することは大切だ。
一方で上位は「アイドル」「SF相撲」「SFラブコメ」「SF日常」だ。「SFやファンタジーの壮大な世界を日常に落とし込む」という手法はおれ自身も好きで、評価も頂いているので、これが活きる道なのかもしれない。アイリス・ゼロを読め。
アイドルはただただ楽しかった。楽しんで書くのが一番だ。笑って銃弾をバラまけ。
たとえ「暴力は苦手だ」「だがスキ1位は暴力の章でフッカップされる」という矛盾を生むとしてもだ
スキ密度
1.アカシック・カフェ ―全知と珈琲の番人―
2.鳥宮恵里は俺の”何”?
3.ヴァンパンダ ―吸血大熊猫奇譚―
4.俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~
5.Silver Snow & Black Blade
6.デッド・オア・ライブ!! ~アイドル狂騒協奏曲~
7.街角フロートマーダー
8.念装戦記ストライカーズ・ハイ
9.ジニィ・イン・サイバーランド
スキを閲覧数で割ったカクテルだ。濃いカクテルは詰まるところ「飲ませれば勝ち」「読ませれば勝ち」のパワを持っていることになる。
アカシック・カフェは10月30日、逆噴射小説大賞も大詰めで書き上げた一本であり、これほどのパルプ濃度を放てたのはまさに一月のプラクティスの為せる業だ。集大成たるこれが最高密度になっていることは素直に嬉しい。手ごたえを感じている。初めて投稿した日のように。初めて同人誌を物理手渡しで売った瞬間のように。
鳥宮恵里は早いタイミングで出し、それなりに長い時間かけてご愛顧いただいた。これはこれで手ごたえがある。
ヴァンパンダは正直意外だ。今集計してビビっている。サボテンの影からトレホが出てきた気分だ。隠れたつわものというわけだ。やはり次の時代はパンダパニックだ。
三本を見返すと、つまり「設定の妙味」ということだろうか。A+B、A×BをBestMatchさせることで出る破壊力がスキ密度に繋がる。如何にユニークで、いかにわかりやすく、いかに強いか。実験を始めよう。
総合火力
1.デッド・オア・ライブ!! ~アイドル狂騒協奏曲~
2.念装戦記ストライカーズ・ハイ
3.俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~
4.鳥宮恵里は俺の”何”?
5.ジニィ・イン・サイバーランド
6.アカシック・カフェ ―全知と珈琲の番人―
7.ヴァンパンダ ―吸血大熊猫奇譚―
8.Silver Snow & Black Blade
9.街角フロートマーダー
スキ×閲覧数だ。スキ密度で堂々8位だったストライカーズ・ハイが2位に来ているので、「読まれなきゃ始まらない」ことがわかる。銃弾は届かねばただの鉛の塊だ。
未来へ
今回の逆噴射小説大賞で、おれは色々なことを知ったし、思い出した。この経験はきっとCORONAより黄金で…そしてドリトスよりスパイシーだ。必ず俺の血肉になるだろう。おまえも、まだしていないのなら #逆噴射小説大賞でわかったこと を纏めておくといい。Twitter上で他のバンデラスの知見もSearchできるが、おまえ自身の学びはOnly Oneだ。
・書こうと思えば書ける。甘えるな。
・やはりおれにゴアは向いてない。一度も思いつかなかった。
・ラブコメはたのしい
・ファンタジーやSFを生活圏に落とし込むのはたのしい
・投げないと当たらない。誰に当たるかわからない。
・10年分の頭の中のネタ帳は消えてない
・「壮大なSFやマジカルを日常の尺度に落とし込む」行為が好き
・それ以上に「日常の延長線上に、きっと夢幻のファンタジーはあるんだ」という理念(願望)が根っこにある
パルプとCORONAに飢えた狂人たちは早くも新たな戦場へ向かった。今度は紅茶だ。午後の紅茶側もビビっているだろうが、知ったことではない。MEXICOで小説コンを開く方が悪い。
おれはと言えばアイドルをマスターする戦場での原稿があるので、残念ながらアカシック・カフェ、あるいはそれ以外の発表は出来そうにない。だがもし機会に恵まれたら、その時はよろしく頼む。
おれはおまえに読んでほしい。おれは弱いこしぬけなので、自分が上手く意思疎通できないとふあんになる。ファックオフなビズの場はいつもままならず、ストレスや問題、症状が日々増える。そんな話はしたくないのだが、それはともかく。
だが、物語を、note記事を、あるいはTwitterの散文であろうと発信が出来て、誰かと精神から繋がれれば、生きている実感が、充足が持てるというものだ。
だから読んでほしいし、できれば反応が欲しい。
すこし要らないことを言ってしまったな。では、次の戦場で遭おう。