どっちから先に行く?港区でハシゴ美術館 泉屋博古館東京↔︎菊池寛実記念智美術館
参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」の7月のお題《美術館周辺のおすすめスポット》ということで、ギリギリ書かせていただいております。
泉屋博古館東京と菊池寛実記念智美術館。どちらも東京の港区にある美術館です。
美術館周辺のおすすめスポットとして美術館を挙げるという。周辺はきっとショップもカフェなどあらゆるおすすめスポットが多数あるはずですが。私は美術館に行く時に周辺に美術館やギャラリーがないかどうか確認したり、2館セットで行くことが多く、先日訪れた2つの美術館がとても良かったのでご紹介いたします。
泉屋博古館東京
五十音順で早い方ってことで、泉屋博古堂東京からご紹介!
泉屋博古館東京とは。
泉屋博古館の分館。本館は京都にあり。
訪れた展覧会は「特別展 木島櫻谷ー山水夢中」(2023.6.3ー7.23)です。
はぁ、とため息が出るぐらい良かったですー。予習ナシで行きましたが、美しい作品群に魅了されました。写生作品は富士、昇仙峡、耶馬溪など私も行ったことある観光地の絵がありまして。美しい自然を上手い絵に描けるってかっこいいなとつくづく思いました。
《富士図屏風》《暮雲》《南陽院本堂障壁画》などの大きなサイズの作品は見応えがありました。35歳でここまで描けるのは流石だなぁとか、山や植物の群青や緑青がキレイでした。
単眼鏡の無料貸出(デポジット)というサービスがあったので、じっくりじーっくり、一作品ずつ鑑賞していると時間があっという間に過ぎて。欲しいほしいと思いつつ、単眼鏡を持っていない者としてはとても有り難かったです。今思い出しても、もう一度じっくり櫻谷さんの作品をみたいです。次は京都まで行くしかない!(「櫻谷文庫」という櫻谷の住居が作品収蔵の場が京都にあり)
菊池寛実記念 智美術館
続いては菊池寛実記念 智美術館。
訪れた展覧会は【河本五郎ー反骨の陶芸】です。
河本さんは存じ上げておりまして、ワクワク。とその前に。
美術館WEBページのTOPに「非日常の空間で作品に出会う」と書いてあるように、非日常空間そのもの。
展示室の写真がないので残念ですが、薄い布で空間を仕切っていたり、アールの台での展示など、空間と作品との関係性が絶妙で、作品が際立っていました。そして河本五郎作品はろくろを使わずに手びねりということで、手だけでこのような形ができるんだ、とため息の連続でした。
気になったのは、多数あった「歌垣」の文様が描かれている作品。「歌垣」とは、古代男女が集まって歌い踊る愛の行事のことらしく。古代の風習について知ることができたのと、一人一人の踊っている動き、体の表情が面白かったです。河本さんは磁器ー陶器ー磁器と制作が変化していったそうですが、白磁器や白磁俑などの白い磁器作品がすごくステキでしたよ。
河本さんの言葉で「土を抽象する」というのがあって。美の可能性をギリギリまで抽出し象徴するということで、それは土の性質を抽出し象徴するということらしく。粗悪なものも含め様々な土の量感、素材感をダイレクトに造形化する制作になったそう。「抽象」って抽出し象徴するってそういう意味もあるのかー、と勉強になりました。
どっちから行く?
美術館周辺のおすすめスポットというより、単なる展覧会レビューになってしまいました。。。タイトルのどっちから行く?の話をしますと、どっちの美術館から行ってどっちを美術館周辺のおすすめスポットにしようかって話ですけれど。正直どちらも良い。どっちから行ってもオススメですよ。
だって、どちらのチラシのマップにもお互いの美術館がしっかり記載されているのだもの。徒歩5分もかからないほど近いです。スウェーデン大使館やスペイン大使館を愛でながらの東京都心の中をゆったり歩くだけでも非日常体験。周辺には大倉集古館もあります。他にもホテルやタワー、ホールにアメリカ大使館も。次回は大倉集古館に行って、周辺スポットを巡ってみようかな。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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