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うちの犬2
良かったら「うちの犬1」も読んでみて下さいね🐕
犬との生活が始まった
困った困った困った…
今後どうするか?考えていこうということで、一旦下の息子はうちの子を置いて
自分のアパートへ帰っていった。
3、4時間でも自分を自由にしてくれた命の恩人であり、唯一頼れる存在であろう息子と離れることになり、さらに不安な様子をかもし出すうちの子。
私は犬は嫌いではない!好きだ!大好きだ!
でも、手放しで喜んで飼える状況ではないので困ってしまっているのだ。
下の息子が帰った後も「うちでは飼えないよー」「どこか他で飼ってくれるところ探さないと」という話しで持ちきり。
「分かった。とりあえず、探してみよう」
うちの子のお世話は私がいる時は全面的にみる、ということで落ち着いた。
その夜、ゲージもないのでうちの子を私のベッドで一緒に寝させた。
ソワソワしている。
初めてゲージじゃなくて、それも人間と初めて一緒に寝るから緊張するよね?
そう思っていた…
違った。
昼に息子がドッグフードを食べたいだけ食べさせたせいで
うちの子はお腹をこわしていたのだ。
1日目、うちの子は何度もウンチで起き、私もその度に起きて寝不足。
でも、久しぶりのワンコはやっぱり可愛い。
(飼っていた犬が亡くなって3年ぶりのワンコ)
何度も起こされたのに嫌じゃなかった。
私が仕事へ行っている昼間は母に何とか見てもらって、私も早めに切り上げて帰るようにした。
夜も寝たり起きたりと落ち着かない日が3日ほど続いた。
私の生活はうちの子に全集中。
今までと違った生活で緊張もあったのだろう。
アドレナリン出まくりで疲れも出ず、大変だけど苦にならなかった。
うちの子は散歩に行きたがらなかった。
前の犬も散歩嫌いだったので、この子は散歩嫌いな犬なんだなぁと思って
そこまで気にはしていなかった。
そして歩き方も少し変。
ある時ベランダに出した時、片足を引きずるようにしていたので、足を見てみると…何と肉球が削れているではないか⁈
「ゴメ〜ン。何で気がつかなかったんだろう」
子犬の面倒を見ることが久しぶりだったから?
いや、違う。
些細なことに気にかけてあげるということが出来ていなかった。
病院へ連れて行った。
「歩き過ぎだね」病院の先生はそう言った。
???
「散歩にも行きたがらず、そんなに歩いてないんですけど」
あっ、息子がうちの子を飼ったその日「河原を思いっきり走った」って
言ってたよなぁ〜と思い出した。
ずっとペットショップのゲージに7ヶ月も入れっぱなしで外に出ることもなかったうちの子は、初めて外に出られて、それはそれは嬉しかったのだろう。
肉球が削れることなど考えずに『命の恩人』と楽しく走り回ったのだろう。
その『命の恩人』はうちの子を預けて以来、1週間以上もうちに来なかった。
その間、せっせとうちの子の世話をしたのは私。
しかし、うちの子は
【お腹を壊してつらい思い】をし【肉球が削れて痛い思い】をしたのは、
あたかも私のせいだと言わんばかりに、私に気を許さない。
私が仕事に行っている昼間にお世話してくれる母にはもっとひどくて
「おやつをよこせ」と噛まれていた。
そしてうちに預けから一度も顔を見せなかった『命の恩人』が久しぶりに来た時
うちの子はぴょんぴょん飛び跳ねてしっぽを振って大喜び。
何で?(笑)
2週間ほど経ち母は限界を迎えていた。
おやつを欲しがり、あげないと噛んできた。完全に舐められていた。
その間、里親探しをしていたが見つからない。
(実は探すフリをしていた)
正直、私はうちの子と生活するうちに情が湧き始めてしまい、既に手放す気はなくなっていた。
しかし限界を感じていた母は、近所の昔飼っていたワンコ繋がりで、犬が欲しい人を見つけて来てその人に渡すと言ってきた。
私は引き取りたいと言う人のことをあれこれ難癖をつけ、うちの子をあげるのを阻止した。
「あんたは、情が湧いて手放したくないのだろうけど昼間に面倒をみているのは私なんだよ」
確かに…。
そういう母の話しもごもっとも。
私は一大決心をして職場にうちの子を連れて行くことに決めた。
何とかなるだろう。
何とかしなければ。
無事にうちの子に昇格
職場に連れていくこともなんとかクリアできた。
私が職場に連れて行くことで母の負担が減った。
しだいに、文句は言わなくなった。
そして晴れてうちの子は正真正銘うちの子になった。
『命の恩人』は何もしないのに、うちの子に無条件に慕われている。
私は全面的にお世話をしているのにもかかわらず
『命の恩人』には劣る。くそーっ。
そりゃ、あの狭いゲージの地獄から出してくれて
今まで制限されてきたご飯を袋ごと顔を突っ込ませ好きなだけ食べさせてくれて
(おかげでお腹壊してその処理したの私)
今まで吸ったことのない外の空気を吸わせてくれて
河原を思いっきり走らせてくれて(おかげで肉球削れて病院連れて行ったの私)
そんな夢のようなことをしてくれた(たとえそれが3、4時間だけだとしても)
うちの子は息子を【神】だと思っていたに違いない。
今では下の息子は外で暮らしているけれど、たまに帰ってくると
うちの子は息子に逆らえない。
今でも【神】であり【永遠の命の恩人】なのである。
それでも…
最近『うちの子が一番頼りにしているのは私』であると自負している。
〈おわり〉
最後まで読んで下さりありがとうございました。
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