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【鑑賞記録】ヨルシカライブビデオ
なんだかんだまた久しぶりの投稿で、
どんなふうに書いていたっけ。という気持ち。
最近、ほんとここ2週間くらいかけて、
ちょっとずつヨルシカのライブビデオを見ています。
月と猫のダンス、と、月光。
ヨルシカを初めて知ったのは、大学四年生の時。
軽音サークルでボーカルをやっていた友人が、
カラオケで歌いたいから聞いてきて、
と、リストを作ってきた時でした。
私は歌が下手なのでカラオケ自体あまり好きではなく、
(音程はそれなりに分かるのにその音が口から出せないので、
ひたすら自分の音が外れていることを自覚しながら歌うという地獄)
ほぼ縁のない (は語弊) 人生を送ってきたのですが、
その子は歌が上手いので一緒に歌ってもらえば
私の下手さが誤魔化せるのと、
他人の上手い下手を全く気にしない子だったというのも相まって、
その子とならカラオケに行くようになっていました。
普通にその子の歌が上手いので
聞くのを楽しみにしていたとかもある。
で、
私が全く知らない曲を歌うのは申し訳ないから行く前に聞いてきて
と、リストを作ってきたわけです。
その会話を近くで聞いていた先輩には
気の使い方間違ってない?
とつっこまれていましたが。
そんなこんなで私はヨルシカの音楽と出会いました。
確か、
・純透明少年
・五月は花緑青の窓辺から
・藍二乗
・心に穴が開いた
あたりのラインナップだった気がする (多分もっとあったけど)。
それからなんとなく聞くようになったヨルシカですが、
ここ数年アニメやドラマの主題歌などで普通に耳にするようになり、
ふと、アマプラにライブビデオが上がっていたので見てみることに。
今まで記号的に音として聞いていた歌が
顔は見えないとはいえ映像で見ると
一気に "声" になって
ざわざわしました。
文字としてのせられた歌詞に
今まで音だった言葉が
一気に意味として襲ってきて
そこにある景色が、物語が、寄せてきて
歌詞の抽象と具体に揺さぶられました。
意味わからんけど泣いてた。
ヨルシカって、なんというか、単なる音楽だけにとどまらない、
コンセプトっていうのか、
「世界」そのものが丁寧に作り上げられていて
当時、エルマの日記帳仕様のアルバムなどを調べてその友人と、
これは、この世界はハマったらとんでもない沼だね
という会話をしていました。
今回、調べたら画集が出ていて
あぁやっぱり音楽というより
芸術だ、作品なんだな、と思いました。
もちろん音楽自体が芸術であり誰の何の曲だって作品なんだけど
境界があいまいになるんですよね、ジャンルの。
上手く言えないけど、知らない人も、HPみたら、なんとなくわかるんじゃないかと思います。
そんな世界が広がっている中で、
つまり私はその程度の、
ただ普段曲を聞いて
ふと気になったら調べて
くらいの人間なので、
ちょっと好きを名乗ることは出来ないのですが
ヨルシカを聞くと、
あぁ日本語美しいな、私は日本語が好きだな
ということが確認できるので
素敵だな、と思うのです。
揺蕩う、褪せる、爆ぜる、夕凪、欺瞞、…etc.
あんまり口語じゃ使わない言葉たちなんだけど
音楽として、リズムと音程にのることで
suisさんの声にのることで
謎に違和感なく入ってくるという。
ある世界に没入しているかと思ったら
途中でふとメタ認知的な歌詞が入っている
この詩はあと80字
同じような歌詞だし三番は飛ばしていいよ
こういうのも含めて、
言葉の世界を広げてくれるというか
意味の余白みたいなものがあって
やっぱり日本語って美しいなあ
という感想に、どうしてもたどりついちゃう。私は。
ファンとかではないので
普通に、情報として足りてないとか
間違ってるとかあるかもしれないです。
それでもただ、私が素敵だなと思ったものを
気持ちを、ここに残しておこうと思いました。
アルジャーノンは、ダニエル・キイスさんの例の小説を思わずにはいられなくて、初めて聞いたとき号泣しました。
はぁ、素敵だった。見てよかった。