Squarepusher20221027
渋谷にて。延期になったスタジオコーストの振替公演。延期のまま中止になるかと思いきや、ちゃんと来てくれた。HudMoのDJもバキバキ。ラストはBicstanで大団円。
公演が迫った辺り、Squarepusherのライヴ映像を勧めてくるYouTube。以前観た記憶と共に思い出されることが。トムはめちゃくちゃ煽ってくるタイプ。「お前らの声聞かせてみろ」な姿勢は、こういった音楽性のアーティストとしては異色か。燃え上がるバンギャ魂。
実際の振る舞いも相違無く。「KONBAN WA~」、「Arigato~」など日本語も披露。曲のキメでは俯く姿勢で握り拳、または人差し指を突き出してきたり(かなり頻繁に)、開放感のあるシンセに合わせて手のひらを下から上にゆっくり上げてみたり。これはフリですか。モニター用のヘッドフォンもかけたと思ったらすぐに外す。お馴染み6弦ベースは発色の良い赤のボディがフレッシュでヤンチャ。本番前には自らセッティング。生々しいな。
未発表曲中心のセットリスト。序盤に顕著だったが、四つ打ちの曲を意欲的にプレイ。これはつまり"レイヴ"ということ?そもそもトムは直撃世代。『未知の音楽で共に踊り明かす。全てを忘れて。』という原風景を、今の自分なりにセットに組み込んでいるように思えた。疫病の流行も後押ししたか。
それにしても、ベースをMIDIコン化し、出す音はFender Rhodesなエレピだったり、生ドラム(自分で演奏?)の音だったり、とても具体的な音色選び。それらを用いて一人インプロセッション。改めて感じるジャズのルーツや、楽器や演奏、演奏者に至るまでの愛情さえ垣間見たような。演奏自体は格好良いのか悪いのか、もはやよく分からない次元へ。「今の自分ならこういうギリなことも平気でできちゃうよ」と、余裕をかまされたような感も。ベースとMIDIドラムの音を同時に出しながら"Anstromm-Feck 4"のフレーズをさりげなく。
近作に顕著な、緻密でありながら、そこまで低温でないドリルンなビートが増えていき、シンセやら残響やらの電子音に包まれ本編終了。アンコールにCome On My Selecter。イントロをちょい出しして煽ってくる。途中、テンポをめちゃくちゃに落としてビョンビョンになった音の上でベースを弾く。
鑑賞中や終演後、Aphex Twinのことを考えていた。トムとリチャード、それぞれの歩み、それぞれのやり方。いつかAphex Twinのライヴも。今年はμ-ziqも観たし、あとはルークとリチャードか。Shobaleader Oneも今更観たくなってきた。
2daysの初日だったが、2日目はどうだったのだろうか。