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伝染する「丁寧な暮らし」

今年に入ってまだ10日ほどだけれど、なかなかに快適な暮らしに移行できているのではないかと感じている。

そう。わたしは今年〈丁寧な暮らし〉を掲げているのだ。

きっかけは年末の玄関掃除だった。
家族みんなで下駄箱を掃除し各々の場所を割り振り、要らないだろう靴は処分し、玄関を掃き、そして拭きあげる。

出しておいていい靴はひとり一足まで。

そうしたら不思議とみんな丁寧に玄関を使うようになったのだ。靴もそろえるし、帰宅していちばんに目にする玄関が整っているのは気持ちがいいようだ。

さて新年を迎え、玄関はきちんとキープされている。なんて喜ばしいことだろう。

たぶん、その気持ちよさを誰よりも感じているのが、誰よりも家にいる時間が長いわたしだ。
だって、本当に嫌だったのだもの。乱れた玄関が。

その気持ちよさが〈丁寧な暮らし〉への誘いだった。
どう誘われたかというと…「これ、後でもいいか!」と放置してしまうもの(例えば本棚から引っ張り出して読んだ本だったり、書きかけのノートだったり、手帳だったり、時にはシンクに2~3ある食器だったり)を「丁寧な暮らし」と自分に言い聞かせるようにつぶやいてすぐに片付けるようになった。

最初こそ、「丁寧な暮らしをするんだぞ!」と面倒な気持ちを押さえ込むように半ばイヤイヤやっていた。

でもね、人は慣れる生き物。

数日で片付けるのが苦ではなくなった。
だんだんと身の回りが片付いていくのが快感でもある。本当に不思議なものだ。

家族の前でも「丁寧な暮らし」と声に出していたら、なんと長女に伝染した。
休みの日には「丁寧な暮らしだよねー!」と言いながらちょこちょこと整理整頓し始めたのだ。ニコニコしながら要るもの要らないものの分別までしているのだ。
すごい!普段ならダラダラと体を休めながら過ごしているのに!

夜寝る前も「今日は良い一日だったなぁ」なんて言っている。

わたし一人で始めた〈丁寧な暮らし〉、ふたりになったことで綺麗になるスピードがアップしたのが本当にありがたい。

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と、これだけでも嬉しいし快適な暮らしにぐっと近づいたのだけれど…

今朝のこと。
換気のため家中の窓を開けて歩いていたら、次女の部屋から明かりが漏れている。
「電気をつけているのかな?」
「もう起きたのかしら」
なんて思って声をかけたら、驚くべきことに自分で雨戸をあけて換気をしていたのだ。

多くのご家庭では大人の年の娘が自分の部屋の窓を開けて換気をするなんて、当たり前のことかもしれない。

でも、我が家の場合は別なのだ。

引きこもりの経験があり、日光のアレルギーがあり、そして精神的に揺らぐ時期が長い次女は部屋を開け放つことが嫌いだった。
彼女の部屋の換気が出来るのは、彼女が家を空ける時間だ。何年も何年もそうだった。

だから、これはもう快挙というか奇跡というか。

「換気してくれてるんだね、ありがとう!」
そう伝えたら
「風が通るのって気持ちいいよね」
と、いい笑顔で答えてくれた。色んな意味で嬉しかった。

そこらへんに置きっぱなしにしていたバッグやコートなんかも自分でちゃんとしまっているし、机のまわりに散らばっていたおびただしい数の研究資料もまとめられていた。

きっと、次女にも〈丁寧な暮らし〉が伝染したのだろう。
間違いない。

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もうひとつ、嬉しい変化がある。
「丁寧な暮らしだよね」と言いながら、わたしも娘たちも就寝時間が早くなった。睡眠は大事だからね。

夫はちょっと寂しそうではあるが、仕方ない。なにせ〈丁寧な暮らし〉は自分を大事にする暮らしだから。


年末の玄関掃除の話はこちら
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