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ひとりぼっちじゃない。『「一セットの服」で自分を好きになる』

自問自答ファッションあきやあさみさんの『「一セットの服」で自分を好きになる』を読んだ。

まっすぐであたたかくて、優しい言葉で綴られている。いつものあきやさんのnoteは複数人の参加するお茶会でワイワイ話すような雰囲気だが、この本は日の出を待ちながら未来を語るような、静かな熱を感じた。ファッションへの取り組みを通じて前向きに生きる勇気が満ちていく本だ。

この本は全5章で構成されている。私は1章目の「服は、なりたい自分」がいま時間をかけて考えたいことだなと感じた。

〈なりたい〉を考えたとき、正直なところ何も浮かばない。いや、浮かぶ人はいる。でも「どうせなれないのに考える意味はあるのか?」「ないものねだりだ」とすぐに打ち消しにかかる自分がいる。

〈なりたい〉で浮かぶ人物たちはいずれも「ジャンル:その人」のような、どんなジャンルやカテゴリーにもくくりきれない独自性の高い表現をする人たちだ。「独自性」は私の〈なりたい〉のキーワードなんだと思う。

何をしようとも何もしなくとも、一人ひとりに独自性があるということは言うまでもない。私もその一人。独自性があるということは、人と違った部分があるということでもあると思う。その違いが、怖い。否定されるかもしれない。拒絶されるかもしれない。誰とも完全にわかりあうことはできないという孤独が怖い。

自問自答して制服化する過程で、自分で選ぶということをくりかえした。正解がないから、自分の判断に頼るしかない。そうしてできたいまの制服は、きっと独自性のあるものになっていると思う。

制服を着るようになってから、いつのまにか友達が増えていた。人それぞれが独自の存在で、孤独でもある。完全にわかりあうことはできない。だが、お互いの孤独に敬意を持って接することはできる。様々な人との交流でそんな答えを見つけた。孤独であることと、ひとりぼっちであることはイコールじゃない。

でも、まだまだこれからだ。もっと独自の、ユニークな、オリジナルの存在になっていけると思う。独自性は、自分の感性に向き合って素直になっていくことで自覚できるし表現することもできるようになるのだと思う。

内面化してしまった架空の他者の声をどこまで取り払うことができるか……。私に必要なのは、自分に対してピュアになっていくことだと思う。コンセプトの「ピュアで洗練されたファッションエディター」の「ピュア」は自分に対して発揮したい態度だったんだ。

2章「服は、自分を守る味方」の一節にもハッとさせられた。

自分の考えを持つことは、人を傷付けることや嫌がられることではない

『「一セットの服」で自分を好きになる』p.80

あきやさん、そうですよね。

私は私の〈なりたい〉を形にしていく。その道中には、今まで出会った友達やあきやさんやファッションを通じて知り合った友達がきっといてくれる。だから、私はこれからも大丈夫だ。

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