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ACHILLES ION GABRIELって誰?【2024年秋冬コレクション 解説】
2024年1月11日、アキレス・ イオン・ガブリエル(Achilles Ion Gabriel)のデビューコレクションが、ピッティ・ウオモの期間中にイタリア・フィレンツェで発表された。
アキレス・イオン・ガブリエルの経歴
スペイン・マヨルカ島発のシューズブランド、CAMPERを手掛けるアキレス・イオン・ガブリエル(Achilles Ion Gabriel)。鮮やかで斬新なデザインのシューズが注目を集め、感度の高い若年層を中心に現在注目されているデザイナーの一人だ。
フィンランド、スウェーデン、ロシアと多様なルーツを持つアキレスは、フィンランド北部のラップランドのロヴァニエミで生まれ育った。
Häme応用科学大学(HAMK)でシューズデザインを学ぶと、卒業後の2012年にパリでシューズブランド「イオン(ION)」を立ち上げた。
「イオン(ION)」がDover Street MarketやThe Broken Arm、LN-CCといった感度の高いショップで取り扱われるようになると、シューズデザインの分野で広くその名が知られるようになった。この時期のアキレスは、ショールームがあるパリと、靴の製造拠点スペインのメノルカ島を行き来する生活を送っていた。
その後、マルニやマリメッコ、スンネイ、COSなどの大手ブランドでフットウェア部門のコンサルタントを務めるようになると、アキレスは「イオン(ION)」を終了した。
2019年6月にCAMPERLAB、2020年8月にはCAMPERのクリエイティブ・ディレクターに就任すると、カンペール本社のあるマヨルカ島に拠点を移し、デザイナー活動を現在まで続けている。
2024年1月、パリを拠点とするシグネチャーブランド「ACHILLES ION GABRIEL」を発表した。
「ACHILLES ION GABRIEL」デビューコレクション紹介
2024年1月11日、「ACHILLES ION GABRIEL」は、第105回ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Imagine Uomo)にて、2024年秋冬コレクションを発表した。
ファーストルックで登場したセットアップスーツは、風になびくようなシワ加工が施されており、BALENCIAGA FALL 2022 Coutureのルック17を彷彿とさせる。同様の加工は他のルックでも多く登場する。
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ビッグショルダーが特徴的なボックスシルエットのコートも登場。
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満月と狼のグラフィックが印象的なグレーのスウェットシャツからは、アキレスの出身地であるラップランドからの影響が感じられる。
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ボンデージ風の金属パーツが用いられたメッセンジャーバッグとベルトによって、パンクな印象がプラスされている。
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今回のコレクションの鍵でもあるジェンダーフリー。メンズモデルがランジェリー風のレース素材で作られたドレスを着用している。
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コレクション全体を通して足元で存在感を放っているのが、つま先に金属の装飾が取り付けられたカウボーイブーツだ。金属部分には「move bitch」と刻まれている。
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さいごに
今回のコレクションの鍵となるのが、ジェンダーフリーと古典的な男性服の再解釈である。従来のメンズウェア・ウィメンズウェアの境界を曖昧にしながら、従来の価値観を捨て、新しいスタイルを築こうとしているのではないだろうか。
今回のコレクションは、アキレスらしさがよく現れた期待以上のコレクションだった。ただし、資金面の関係かアイテムのバリエーションには改善の余地があるように見受けられるので、今後に期待したい。