デムナによるバレンシアガのスニーカーを一挙紹介
2016年にデムナが就任して以来、バレンシアガからは数多くの名作スニーカーが誕生しています。本稿では、それらのスニーカーの情報を備忘録も兼ねてまとめていきます。
記事内で紹介している価格は全て発売当初のものです。現在の価格とは異なっている場合がありますのでご注意ください。
今後も随時更新する予定です。
Speed
Speed
側面にブランドロゴが配されたソックスのようなアッパーに、ボリュームのある白いソールが特徴的。最初はモノクロのカラーリングで、レングス違いの2種がリリースされた。
2016年11月に予約注文を開始し、2017年1月発売。
セレブリティの着用もあって、Speedは発売以降すぐに大ヒット商品となった。Speedを火付け役としてソックススニーカーブームが巻き起こり、ファストファッションを含む多くのブランドから類似品が登場した。
また、Spring 23コレクションで発表されたAdidasとのコラボレーションでも、Speedが用いられた。
Speed 2.0
スピードの系譜を継ぐスニーカーとして発表。3Dニットを用いたソックスのようなアッパーはそのまま踏襲された。初代モデルと比較すると、ソールの溝が深く刻まれており、着用時の柔軟性が向上した。
2017年7月発売。
Speed 3.0
3代目モデルも登場。それまでのモデルと比較すると、ソールの形状が大きく変更された。足首部分にはダブルBのロゴが配されている。
2021年2月発売。
Triple S
WINETR 17のメンズコレクションで発表された。
ダッドスニーカーブームの火付け役。ランニングシューズ、バスケットボールシューズ、トラックシューズの3種類のスポーツソールから型を取ったソールを搭載し、ボリューム感のあるデザインが特徴だ。発売当初はヌバック革やスムースレザーを使用したイタリア製だったものの、現在販売されているモデルはレザー不使用の中国製である。
2017年9月発売。
Track
Track
WINTER 18コレクションで発表された。
スピードとトリプル Sに続くデムナのヒット作。コレクション内でも多く用いられたレイヤードの概念を意識したデザインで、ハイキングシューズとランニングシューズの高性能な要素を組み合わせた複雑なデザインが特徴的。合計96ものパーツで構成されている。
イギリスの百貨店セルフリッジズ (Selfridges)で先行販売された後、日本国内では2018年9月に発売。
Track.2
Spring 20コレクションでも使用されたトラックの後継作。
アッパーには、初代モデルよりも多い176個のパーツが使用されており、より複雑な造形になった。
2019年6月発売。
Track.3
初代モデルからアッパーの装飾を剥ぎ取ったようなモデル、
2022年発売。
Tyrex
Summer 20コレクションで発表された。
スポーツウェア、オフィスシューズ、人体構造の3要素を融合したデザインで、筋繊維から着想を得たという網目状に組み合わさるアッパーが特徴的。ウェルト製法のドレスシューズの木型を参照して制作されており、ドレスウェアにも合わせやすい一足。
2020年1月発売。
Zen
格闘技やフットボール、その他運動活動に使用されるシューズから着想を得たスニーカー。それまでにヒットしたトリプルSやトラックなどの厚底スニーカーとは異なり、薄底のラバーソールを採用しているのが特徴的。
2020年1月発売。
Drive
ゼン(Zen)とトラック 2(TRACK.2)を融合したようなデザインのスニーカー。
2020年7月発売。
Toe
Winter 20コレクションで発表された。
Vibram社とのコラボでトゥ レースアップ(Toe Lace Up)とトゥ ソック(Toe Sock)の2種類のスニーカーが発売された。
素材にはリサイクルニットが用いられている。デザインのベースは、Vibram社が特許を保有する"FiveFingers"シューズで、そこに加えられたサスペンションヒールが特徴的。
2020年10月発売。
X-Pander
Summer 21 コレクションで発表された。
クラシックなランニングシューズにサスペンションを組み合わせた斬新なシルエットが特徴的。弾力性のある4㎝のヒール部分は、歩く際に伸縮する構造。アッパーには履き古したようなストーンウォッシュ加工が施されている。
2021年6月に発売。
Runner
Runner
Winter 21コレクションで発表された。
ジャスティン・ビーバーがキャンペーンビジュアルを務めたことも記憶に新しい。トリプルSやトラックなどの流れを汲んだスポーティーな一足。
2021年7月に発売。
複数のランニングシューズの要素を組み合わせて一足に集約したDIYのアプローチで製作された一足。メッシュとレザーのアッパーには切りっぱなしのカットや接着剤の加工が施され、ウォーンアウト加工でヴィンテージ感のあるスタイルに仕上がっている。アウトソールにはトラック(Track)のシルエットが採用され、つま先部分には手書き調でシューズサイズがあしらわれている。
Runner 2.0
2024年1月発売。
Phantom
カジュアルなアスレチックシューズのディテールを、バレンシアガ独自の手法で組み立てたスニーカー。アッパーは、異なるメッシュ素材が重なり合って構成されている。
2021年12月発売。
Bouncer (旧Defender)
レッドカーペットで発表されたSummer 22コレクションで発表された。
タイヤを彷彿とさせる凸凹した突起と、曲線的な超厚底ソールが特徴的。メッシュとテクニカル素材を採用したアッパーは、クラシカルなランニングシューズをモチーフとしている。また、シューズ全体に使い古したような風合いのウォーンアウト加工が施されている。
発売は2022年3月。
キャンペーンビジュアルにはランナー(Runner)から引き続いて、ジャスティン・ビーバーが起用された。
Paris
Paris
トリプルSやバウンサーなどのチャンキースニーカーで好評を博してきたバレンシアガ。このParis スニーカーは、それまでとは一転、キャンバス素材を用いたクラシックスニーカーをベースにデザインされたレースアップモデルだ。日焼けや汚れなど、本当に長年履き込んだかのようなウォーンアウト加工が施されているのが特徴的。
2022年5月発売。
また、同じタイミングで、デストロイ加工が施された「エクストラデストロイドスニーカー」もオンライン100足限定で発売された。
このモデルは、アッパーのいたるところに刃物で切り裂いたような穴が開き、ソール部分には書きなぐったようなネームロゴが配されている。
写真家のパトリシア・シュヴォーラー(Patricia Schwoerer)とアーティストのレオポルド・ドゥシェマン(Leopold Duchemin)が手掛けた、Parisのキャンペーンビジュアルには、実際に発売されたモデルよりもさらに激しいデストロイ加工が施されたシューズが登場。
この加工は、極端な経年変化を表現しており、Parisが一生着用できることを意図しているという。
Paris Ultra Flat
Fall 24コレクションのルック33に登場。
薄底でつま先に向けて反り上がったソールが特徴的。初代モデルと比べると、よりヴィンテージライクに仕上がっており、バレンシアガの加工技術向上が見て取れる。
2024年5月発売。
HD Lace Up
Winter 22コレクションで発表された。
シューズ全体が軽量性の高いラバーで製作され、アッパーには複数の孔が配された、通気性の高い一足。
2022年10月発売。
3XL
カニエ・ウェストことYeがファーストルックを飾ったSummer23コレクションで発表された。
ワイドなアウトソールが特徴的で、ボトムスの裾を溜めるように着用できることから、爆発的な人気を博した。
2023年2月発売。
つま先をぐるりと一周するように巻かれているのは予備のシューレースで、販売時はスタイリング目的であえて結ばれているという。ブランド側は、着用に先駆けて取り外すようにアナウンスしている。
Cargo
Summer 24コレクションで発表された。
スポーティーなスニーカーをベースに、大きなソールが特徴的な一足。サイドには3Bロゴ、バックストラップとタンにはバレンシアガのブランドロゴが配置されている。ボリュームはショールックよりも控えめなものに変更された。
2024年1月発売。
2023年10月2日に行われたSummer 24コレクションのショー直後に、ショールックと同じボリュームのエクスクルーシブアイテムが限定発売された。
10XL
Fall 24コレクションで発表された。
ジム用シューズのスポーティーなデザインを大胆なボリュームへと再解釈したスニーカーで、カーブを描いた極厚のソールが特徴的。アッパーのサイドには3Bロゴが配されている。
2024年4月発売。
2023年12月2日のFall 24コレクションのショー直後に、ショールックと同じボリュームのエクスクルーシブアイテムが限定発売された。
Sock
デムナが長年追求してきたソックスシューズの新作。テクニカルニットを用いたアッパーは軽量かつ、履き心地にもこだわった一足だ。ソール裏にはネームロゴがエンボス加工で施されている。
2023年5月発売。
なお、同時期にカニエ・ウェストことYeがYZY Podsを発表したことと合わせて話題になった。
Circuit
ウォーンアウト加工が施された超軽量のスニーカー。
2023年5月発売。
Reptile
Winter 24のアイテムとして、ショーの数日前に突如Balenciagaの公式Instagramに投稿されたものの、ランウェイでは登場しなかった。
アッパー全体を覆う複雑なレイヤーパネルと尖ったつま先が特徴的な一足。
Platform
Spring 25コレクションのアイテム。厚さ16㎝のプラットフォームソールを備えたショーモデルはオーダー限定。一般販売分はソール厚が10㎝までボリュームダウンされた。
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