見出し画像

飲み会準備も仕事のうち?“ベストオブザベスト”を求める上司に応えるための秘訣

(この記事タイトルは、ChatGPT に作成してもらいました)

ある日のことである。終業時間が過ぎて帰ろうとしていたとき、上長から声をかけられる。
「ねぇ。いつになったら飲み会するの(笑)? 早くやろうよ(笑)?」

……え?

確かに、1ヶ月位前にそんな話は上がっていたが――あれは、社交辞令じゃなくて本気だったのか? ていうか、発起人が彼なら、彼が決めて、
「来い!」
だけでいいのでは?

少なくとも私の周りの環境における上からのお誘いは、20年前からずっと、基本的にそんな感じだった。先日も、以前の上長と飲むことはあったが、彼のオススメの焼き鳥屋ということで、単に私はその日にお店に向かっただけだったのだが……。

そもそも、メンバーだって……私がいろいろ提案しても、ああ言えばこう言うの連続で、確定していなかったし、まずは、それを決めないと……。

そんなことを思っていたら、彼が言う。
「メンバーは、もうこの3人でいいね(笑)?」
私は、チーム内のZ世代の彼女と目を見合わせる……。

 

さて、回避できない飲み会であれば……早めに済ませておきたい。時間が経過しても自然と解決されない性質のものは、速攻終わらせたいのが私の性分だ。ということで、その瞬間から、私は調整に入る。

まずは、上長に大体の希望日を尋ね、その辺で空いているお店を適当に見繕うことを伝えれば……上長が言う。
「え? まずは日程を確定しようよ。」

……私も大なり小なり飲み会幹事の経験はあるが、幹事としては、日程は幅をもたせてほしい。お店側の都合――行きたいお店が定休日ということもあるのだ。ただ、今回は3人なら比較的調整しやすいし、まあ、日程確定が先でもいいか……。

ということで、早速日程を決め、上長に伝える。
「じゃあ、この日程で、あとはお店を決めておきますね。」
すると、上長が言う。
「え? お店の前に、何を食べるかジャンルを決めないと(笑)?」

何この、素人幹事に対する指導感(笑)。

要は、食べられるもの食べられないものがある、ということなのだろう。ただ、上長は、「特に食べられないものはない」という……。ということで、Z世代の彼女と決める。

鍋系、焼き肉、焼き鳥の3つを上長へ持っていくが、上長の中で、一つひとつ吟味が始まる……。お鍋とは、具体的に何? 焼き肉だと、韓国系? 高級系? どれくらいの量を食べる? 彼からの聞き方が回りくどかったので、もしかしたら、支払額のことを気にしていたのかもしれない……。

結局、(一番安価な相場であろう)焼き鳥にしようということになった。

ここまで来たら、あとは適当にお店を決めておこうと思うが、彼がお店選びの中に入ってきたかと思うと、やれ「そのチェーン店はダメ」だとか、「そこはどんなお店なの?」とか、どんどん深掘りしていく……。

要は、彼は、焼き鳥なら焼き鳥でも、その中でも「ベストオブザベスト」というか「トップオブザトップ」にしないと気がすまないタイプなのだ……。

というか、今回の目的は「私が彼の愚痴を聞くこと」だったのでは? だったら、お店は二の次でいいのでは……? 仕事じゃないんだから、もっと軽い気持ちで決めればいいものの……。

私からは、以前行ったことがある、私のオススメのお店を言うが、単に「そこはダメね」と、彼からは判断基準の開示もない。

結局、こちらからあれこれ提案しても、彼からは落とし続けられ、挙げ句、
「3人なら、予約しなくても大丈夫じゃない(笑)?」
ということで、お店決定は先送りとなった……。

ただ、これは戦略的な先送りでも何でもなく、単に彼が決めきらないことによる結果だ……。

 

開催日までは、あと4日だ。

本当に「予約しなくても大丈夫」なのか? 今の御時世……私の感覚的には、予約を入れておいた方がいいと思う。少なくとも、飲み屋難民になるのは避けたい……そうなったら、それこそ時間の無駄だ。

実際、その辺の感覚をZ世代の彼女に聞くと、
「いや、私も、このまま当日を迎えて大丈夫かと心配していました。」
と言う。

それで、彼女に私の考えを伝える。
「明日、明後日でお店を決めて、こっちで予約を入れておきましょう。そして『ここに決まりましたので!』と伝えるだけ……そうしないと、何も進まないと思います。仮にそのお店が嫌ならキャンセルして、それこそ当日、彼が言うように適当な店に行けばいいし……。」

ただ、ひと晩経って、私の考えも変わる。
(彼の性格からすると、勝手に予約を入れたら、「どうしてそこに決めたの?」と、根掘り葉掘り聞かれる気がする……。それは、「上長の意見を聞かずに勝手に……」という理由もあるが、彼は、とにかく「プロセス」が大事なので、お店の雰囲気、価格帯、料理の種類など……その辺を、私から彼に十分にプレゼンできなければ、仮に彼が判断したとして最終的にその店がベストな判断だったとしても、まずは、一旦白紙に戻されるだけだろう……。)

(……とはいえ、決めておかないと、普通に「え? 予約してないの?」と言いそうな気もする。)

ああ、しかし、本当に面倒くさい!! 本当に仕事を進めているようだ……。

結局、Z世代の彼女にお願いし、いくつかピックアップしてもらい、それぞれの特徴(会社からの距離、価格帯、テーブルの有無、お店の雰囲気)を元に、上長に決めてもらうことにする。

その際、私からは「松竹梅の法則」で臨むことにした。具体的には、Z世代の彼女が選んだお店は5つだったのだが、それを私の独断で3つに減らし、その中での私の希望を、それとなく「竹」の位置に持ってくるのだ。

ということで、上長に臨むが……意外にも、即決で「松」だった。これには私の方が驚いてしまい、私から理由を聞いてしまうほど。すると彼は、
「インスピレーション(笑)。」
とのこと。本当によく分からない……。

ただ、実際に予約に入れば……そのお店は定休日! ほら、こうなるから、日付に幅をもたせておきたいのだ! ということで、再度、別のお店を追加して「松竹梅の法則」だ!

今度こそ「竹」を選んでもらえるよう、こちらからは若干のプレゼンを挟んだ。人気店の離れのお店であり、まだオープンして半年程度しか経っていないと伝えれば、即決してもらえる。

ただ、実際に予約すれば、やはりというか、そのお店が超人気店で、カウンターの角しか空いていない! 席も20:15までしか取れない……など。この15分単位というのが、お店の忙しさを物語っている……。

 

ということで、無事、その飲み会も終わったのだが……なんだろう。一体全体、何の飲み会だったのか? 彼からの愚痴があるかと思えば、さすがにZ世代の彼女の手前、上長は一切愚痴らないし……世間話というか、料理も美味しく、普通の飲み会という感じで終わった……。

彼は何がしたかったのか――結局、よく分からない飲み会だった。

いいなと思ったら応援しよう!