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わずか1万円程度で、重いWindows7マシンを快適なWindows10にアップグレードした話

 先日、ちょっとつぶやいたところだが、先月買った新ノートパソコンの運用が安定してきたので、古いデスクトップパソコンにメスを入れることとした。

 古いデスクトップパソコンには、Windows7 が入っているのだが、これがまた……重い。よく使うアプリは、高々、表計算ソフト、ウェブブラウザ、メーラー、PDF ビューワーなどだが、これらのうち、2つを同時に開くと、使用メモリが 3GB 近くになる。32bit版なので、ほぼほぼメモリ上限に達するし、メモリ上限まで行かなくても、これらのどれも起動に時間がかかる。以前は、こんなに重くなかったはずだし、iTunes で音楽聴きながら……などとやっていたが、今は、とてもそんな作業ができる状況にない。気が付かないうちに、それぞれのソフトがバージョンアップしていき、重くなっていったのだろうか。裏では、ウィルス対策ソフトも動いているだろうし……。そういう状態だったので、動作が軽いという評判の Windows10 を一度試してみて、それでもやはり重かったのなら、再度、Windows7 をクリーンインストールからやり直そうと考えていた。

 ということで、パソコンに詳しいお方に、この辺の相談と、Windows10 の 32bit版の調達をお願いしたところ、
「Win10 の 32bit なんて、よほど特殊な事情がない限り入れないし、そんなの入れる物好きはいない。」
とのお答え。なので、
「現状メモリが 4GB の古いパソコンだし、64bit版を入れたとしても、メモリをうまく活用できそうにない。」
と答えたところ、
「じゃあ、メモリを増やせばよい。ついでに、HDD を SSD にすれば、快適になるはずよ?」
との回答だった。なるほど。メモリを増やす発想はなかった。デスクトップパソコンは、ミニタワー型なので、これ以上拡張できないものとばかり思っていたが、中を開けると、メモリはまだ刺せそうだった。SSD は、いただきものがある。

 ということで、メモリを増設し、HDD を SSD に取り替え、Windows を 7 から 10 にアップグレードすることが決まった。非常に今更感もあるが、この記事は、その辺の詳細を記すものである。

 

①前提

 デスクトップパソコンの性能の概要などは次のとおりである。

・購入時期   …… 2014.7
・CPU      …… インテル Core i3 3.50 GHz
・メモリ    …… 4GB
・グラフィック …… オンボード
・OS      …… Windows7 32bit版

 要は、購入当時において、どちらかというと低価格帯モデルを購入している(購入当時、56,000円。価格は、本体のみでモニタなどを含まない。)。

 

②事前準備編

 まずは、デスクトップパソコン用の 4GB のメモリを購入し、合計 8GB とした。新ノートパソコンは、欲張って 16GB メモリのやつにしたのだが、今までの普段使いにおいて、一度も 8GB に達したことがなかったこともあり、まずは、8GB でやってみて、それでも不足があれば、また追加で購入すればいいと考えた(メモリのスロットは、合計4つあったし。)。

 OS のインストールメディアは、今や、ダウンロードする時代になっていた。以前は、特にパソコンゲームなどでは、メディア側にコピー防止措置がなされていたと記憶しているが、Windows は、ライセンス認証においてインストールの適正を確認しているのか、メディアのコピーに制限をかける必要がないのだろう。ダウンロードしたデータを DVD-R に焼くこともできるようだが、今後の再利用も想定し、この際、改めて USBメモリを購入することにした。当然に、ダウンロードには、大量のデータの受信が発生するのだが、ちょうど、有線無制限インターネット回線の契約をするかしないか、というところだったので、この問題は自動的に解決された。

 あと、細かいところだが、SSD を装着しようとパソコンの中を開けたら、SATA ケーブルが追加で必要なことがわかった。電源ケーブルは、内部に余りがあったのだが……この辺は、パソコンのマニュアルや仕様書だけでは分からなく、実際に中を開けてみないと分からなかったことが多かった。

 

③OS インストール編

 まずは、Windows7 を 10 に上げるのだが、Windows7 が 32bit版なので、Windows10 も 32bit版にしかアップグレードできないことが分かった。ただし、その後に、改めて Windows10 64bit版を「クリーンインストール」することができ、その際に、新たなライセンスは必要ないことが分かった(Windows10 の 32bit版のアップグレードインストールで、Windows10 のライセンスを取得するようだ。)。

 既存の環境が、もともと Windows7 のデュアルブート環境にあり、これで、Windows7(32bit版)と Windows10(64bit版)のデュアルブート環境になったのだが、その後、それぞれの起動の際にディスクのチェックが走るようになった。……いただきものの SSD が悪いのだろうか。インストール直後にも関わらず、ディスクチェックが走るのは気分が悪く、再度、Windows10 を入れ直すことにした。念のために、SSD を標準フォーマットからやり直して……。

 無事、3度目のインストールが終わったのだが、今度は、SSD の容量が気になる。いただきものは、120GB 程度であり、SSD を快適に使うには、使用量を 70% にとどめる必要があるようなのだが、最低限のソフトを入れ終わった新ノートパソコンでは、すでに 60GB も使用していた。要は、120GB では、容量が不十分なのではないかと思うようになったのだ。とりあえず、このまま使い続け、容量が一杯になったときに、新たな SSD を買ってクローンしてもいいか……とも思ったが、クローン作業はうまくいかない場合もあるらしく、その時に困るくらいなら、時間がある今のうちに環境を整えておきたい。ということで、新たに 500GB の SSD を買って、再度、Windows10 を入れ直すことになる……これで、結局、Windows10 だけで4回もインストールすることとなったのだ。

 ちなみに、余談だが、この間、新ノートパソコン環境においては、念のため、仮想環境を構築し、Windows7 をクリーンインストールしていた。さらに、今後の予定としては、実は、新ノートパソコンも、後日再インストールする予定なのである。特段大きな問題もなく、必要に迫られている訳でもないのだが、購入直後の Windows10 のログイン設定などにおいて、普段使わないようなマイクロソフトアカウントでログインしてしまっていたため、その情報が様々な場所に残ってしまい、気持ちが悪いからなのである。結局、これも、時間がある今のうちにやっておきたいという思いが強い。しかし、一体、何回インストール作業をしたら気が済むのだろう……。

 

④インストール検証編

 さすが、Windows10 は、起動と終了が早い。ただ、これには少し「からくり」があり、標準状態でのシャットダウンは、いわゆる休止状態に近いとされている。だから、早いのである。とはいえ、電源が切れていることには間違いない。特に、ノートパソコンなど、バッテリー環境においては電力の削減に貢献できるのだろう。

 しかしながら、これには、少し注意が必要である。よく、アプリのインストール後などに「再起動してください」とメッセージが出ることがあるが、ここでシャットダウンし、電源を入れても、ここでいう「再起動」にはあたらない場合もある。それは、つまり、いわゆる休止状態をして、その復帰をしているだけだからである。

 ちなみに、上に「Windows7 と Windows10 でのデュアルブートにおいて、起動時にディスクのチェックが走る」と書いたが、どうも、この辺が原因のようである。つまり、Windows10 においてシャットダウンして OS を切り替えたとしても、いわゆる休止状態からそのまま OS が切り替わったことにしかならないのだろう。いただき物の SSD を悪者にして済まなかったと思っている。

 やや話がそれたが、Windows10 にしてからは、OS の起動だけでなく、各アプリケーションの起動も早くなった。さすがに、先日買ったノートパソコンには及ばないが、それでも、いくつもアプリケーションを立ち上げても、メモリにまだ余裕がある。少なくとも、以前のように、iTunes で音楽を聞きながらとか、隣の別モニタで動画を再生しながら……などという使い方ができるようになった。本当に生き返った感じだ。

 

⑤まとめ

 今回、新たに調達したものと、その費用は次のとおりである。

・デスクトップ用メモリ 1,900円
・USBメモリ(32GB)    600円
・SATA ケーブル      400円
・SSD(500GB)     7,000円
         合計 9,900円

 ということで、タイトル詐欺ではないことを申し添えたい(笑)。

 なお、さらにネットワークの環境を良くするために、無線の Wi-Fi から有線に変えた。その費用は次のとおりである。

・LANケーブル2本    1,100円
・ケーブル中継コネクタ  330円

 さらには、先日つぶやいたとおり、CMOS 電池を交換し、キーボードを交換し、モニタも新しくしている(これは、Windows7 の時の話だが……。)。その費用は次のとおりである。

 ・CMOS 電池  不明(以前、100円ショップで買っていた余りもの)
 ・キーボード  不明(以前、パソコンを買い替えた際に交換していなかった余りもの)
 ・27インチモニタ   22,000円

 ここまでメスを入れると、もはや別のパソコンと言うか、あと、変えていないのは、CPU とグラフィックボードくらいではなかろうか。少なくとも、見栄えという意味では、画面が大きくなり、キーボードの色が変わり、OS が変わったわけだから、気分も随分と変わった。ここまで全ての費用を合計すると3万円を超えてしまうが、逆に、この程度の費用で、新たにパソコンを買い替えなくても、新しいパソコンの気分を味わうことができたのだ。

 当然に、様々な検証やら内部作業が伴って、どうしても手間と時間がかかってしまうし、誰にでもできるような簡単な作業でもないのかもしれないが、時間があるお方で、私と同じような環境の方がいらっしゃったら、ちょっと一歩踏み出してみると、割安にパソコンを強化できるかもしれない。

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