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20歳を迎える前に。-1-


まえがき

3月19日は私の誕生日。
あと数日すれば20回目の3月19日を迎える。

世間的には、大人になる節目の歳とも言われる。

大人になる前に、大人として見られる前に、
10代ではいられなくなる前に、
子どもを全うした私の頭の中にあるものを出し尽くしたい。

その日を振り返る日記のように、
私が生きてきた道のりを残したいのだ。


悩みに悩んだ中学、高校生時代


楽しかった、良い思い出を先に書いたら何も書きたくなくなるだろうから、今のうちに沈んでいた時のことを書こう。


ただの野球少年で、放課後は公園で野球をする毎日を過ごしていた小学生だった。しかし、
小学校を卒業するタイミングで引っ越しすることになり、せっかく仲良くなった小学校の友達の面影もない、ただ同じ年に生まれた人が集められた家から近くの公立中学校に入学した。

遊んでいるだけで友達であることを信じて疑わなかった小学生とは違う、友達であることの線引きすらも難しい、仲良いと思っているのも自分だけなのかもしれない、ぼんやりとした孤独に襲われるようになった。

私が中学生になったタイミングは、2012年で、スマホの普及率が急激に上がり、LINEが連絡手段のトップに立った時期だった。

思春期入りたての私に、LINEが与えた影響は大きい。

まずひとつは、リアルで人との距離感を縮める術が身につかなかった。
顔を見合わせて会話をしなくても、隣のクラスの子にテストの勉強を教えてもらえるし、遊ぶ約束も当日まで会わなくてもできる。

ウェイ系と呼ばれる、学年の中心にいるような集団はすぐにグループを作成して、木の棒で丸い円を描いて、外側からはわかりもしない、パノプティコンができていた。

グループ化と、見えない会話が、人間関係を複雑化させ、希薄にした。

アイデンティティも不安定な中学生には抱えきれない情報戦。

結局人を信頼するのが苦手になった。
この苦手意識は今でも多少のコンプレックスとして、人と話すたびに感じている。

学校で話しているうちに仲良くなるのは、SNSが得意ではなくて、シンプルに話していて楽しくなる人ばかりだ。
「私たちは、時代を逆走して楽しんでいるね」
なんて笑い話をしたほど。

コンプレックスを抱えながら生きるのは、中身こそ違えど誰にでも当てはまることだと聞く。

無理してコミュニケーションをとることはないし、一人で出かけたり、イベントに行くのも怖くない私は、20歳になると変わってしまうのか。

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