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きっかけ。

大好きなおばあちゃんが72歳で亡くなった。



おばあちゃんは数年前から糖尿病があり透析をしていた。


その通っている病院の定期健診で肺がんが見つかった。



治療すれば良くなる可能性もあったけど、おばあちゃんは「透析で色々と我慢をしてさらに辛い思いをするのは嫌だ。癌の治療はしない。」と言って癌の治療は一切受けなかった。



長くてあと1年、そう余命宣告された。


最初は症状が全くなくて本当に癌なの?と思った。


でも数カ月後、咳や血痰が増えて徐々に動けなくなってきた。


病院嫌いのおばあちゃんは亡くなる前日まで大好きな家で過ごした。


身体もえらくて苦しいはずなのにトイレは頑張って移動した。

オムツを使ったのは本当に最期の日だけだった。


最期まで自分らしさを失わずに逝ったなと思った。


でも72歳は若すぎる。


まだ教えてほしいことも、話したいこともたくさんあったのに。


終わりはいつもあっけない。



私は人生で1番泣いた。



目が腫れて開かないくらい泣いた。


今でも亡くなったことが信じられない。


現実逃避をしているだけかもしれないが"最近、全然会ってないなぁ"という感覚でいる。



癌は幸せな病気なのかもしれない。


ある程度の余命がわかるから。


急死されるよりは残された時間で何ができるかを考えることができる。



でも一番は健康で過ごせることだ。


糖尿病じゃなければおばあちゃんは治療をしたかもしれない。

そう思うと糖尿病じゃなければ、、といつも考えていた。


おばあちゃんはグルメで美味しいお店をたくさん知っていた。

また、みんなに手料理を振る舞うのが好きだった。


そんなおばあちゃんが食べたいものを制限して、週に3回、1回4時間程かかる透析に通ってすごく頑張っていたと思う。


そんな姿を知っていたから、さらに辛い治療をしてほしいとは言えなかった。



臨床で働いているとよく思うことがある。


寝たきり状態で飲み込む力が衰えているから口から食事がとれなくて経管栄養や末梢点滴をしているだけの人がたくさんいる。

それに加えて私が勤めていたところには脳梗塞後の後遺症で麻痺があり会話ができず意思疎通が図れない人が多かった。

寝たきりになってただ栄養をいれて生きている意味ってなんだろう。

癌や難病、特発性の病気や遺伝性の病気などは、気をつけていても予防しきれないこともある。

でも糖尿病、高血圧、脂質異常症、これらの生活習慣病は正しい知識をもって実践すれば予防することができる。


せめて予防できる病気を予防できたら。

大切な人と過ごす時間が少しでも長くなるんじゃないかと思う。


"ただ長生きするのではなく健康寿命が伸ばせたらいいのに"と毎日のように思います。




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