LuckyKilimanjaroのライブは私のライフワークになりそう。
約1ヶ月前に、絶望を感じる出来事が起きた。
お先真っ暗な中で、3週間後にLuckyKilimanjaroというバンドのライブに行く予定だということを、ふと思い出した。
それまではとりあえず生きよう、と思った。
ラッキリとの出会いは、今年の年明けに観た音楽番組だった。テレビでは曲が少ししか流れなかったけど、なんとなくいいなと思って、ひとまずAppleMusicでその曲をダウンロードをしておいた。
朝が究極に苦手な私は、ベットの上で目が覚めたらまず音楽を再生して、起きるための心の準備を始めるのだけど、ある土曜日の朝、ダウンロードしていたラッキリの曲を再生したら、体が勝手に動きはじめて、気づいたらベットの中で彼らの曲を10曲ほど再生していた。
「LuckyKilimanjaroってどんなバンドなんだろう?」と調べたところ、公式SNSに「世界中の毎日をおどらせる」をコンセプトにしたバンドである旨が記載されていた。「朝激弱な私の体が勝手に動き出したのは、そういうことだったのか、なんだこの最高なコンセプトは!」と30分前に彼らの曲を初めてまともに聴いたばかりなのに、すっかり心を奪れてしまった。
ファンになって数ヶ月、4月には日比谷野音のライブに参戦してみた。その日は夜から大雨の予報だったから、当日はなんとなく憂鬱な気分で日比谷に向かったのだけど、大嫌いな雨を「最高!」と思えるほど、本当に素敵なライブだった。バンドメンバー全員が、目の前にいる全員を、踊らせたい、笑顔にしたい、励ましたい、と思っていることが伝わるライブだった。雨にうたれながら最高に踊った。
だから、楽しい未来なんて何ひとつ想像できなくなったあの夜、3週間後にラッキリのライブという最高な予定が入っていることに気がついて、救われたのだった。
そしてライブ当日。私の席はA列17番という、最前列の真ん中の神席であることが事前にわかっていたのだけど、会場に着いて席に座ると、手を伸ばしたらもうそこはステージで、始まる前から、今日は最高な夜になるであろうことをさらに確信した。
メンバーが入ってきて演奏が始まると、それまで毎日感じていた不安や悲しみ、雑念が全て自分の頭と心の中からふっとんで、とにかく音に浸って踊っている自分がいた。目の前で歌っている幸丸さんの首に汗が滴っていて、美しさを感じた。
途中のMCで「このバンドも、そしてここにいるみんなも、いろいろあった、そして現在進行形でいろいろあると思う。」みたいなことを幸丸さんが言っていて、友達でもなんでもないのに、日々悩んでいまここにいることを分かってくれていて、そして励まそうとしてくれて、このバンドを好きでいてよかったと思った。そしてうろ覚えだけど、そんな毎日に寄り添えるような曲をこれからも歌いつづけます、みたいなことを言っていた気がする。
初めてラッキリのライブに参加した野音では、席が後ろの方だったけど、幸丸さんがお客さん一人一人を見ながら歌っているのを感じた。今回最前列で参加してみて、あれは私の勘違いじゃなかったんだと思った。
目の前にいる幸丸さんの視線の先は後ろの方まで向いていたし、確実にいまここにいる一人一人に向けられていた。
今まで支えられ続けられていた曲の、好きな歌詞のところで、幸丸さんが私の目を見ながら歌ってくたことが何回かあって、信頼している人に励まされている気持ちになった。すごく力をもらったし、自分のことを大切にしようと思った。
1曲1曲演奏が終わるたび、ああこんなに楽しい時間が終わってしまう、、、と少し寂しい気持ちになってきたけど、ライブの最後には秋にツアーがあることが発表された。
とことん、このLuckyKilimanjaroというバンドは、世界中の毎日を踊らせるためのバンドなんだなと感じたライブだった。
予測できない色んなことが起きる毎日だけど、これからもラッキリの音楽とライブは、私の毎日を明るい方向に彩ってくれそうだ。